君島和彦

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君島 和彦 (きみしま かずひこ、1945年(昭和20年)- )は、日本歴史学者。東京学芸大学名誉教授。元ソウル大学教授。専門は日本近代史

人物[編集]

  • 家永三郎家永教科書裁判において原告側の主要メンバーだった。家永教科書裁判七三一部隊について証言した法廷記録を収録した晩聲社『裁かれた七三一部隊』では、秦郁彦の証言の本文(約3万字)に半分を超える約1万7千字の頭注を付け、「裁判官へ悪印象を与えるための発言」「これほど無責任な悪意に満ちた証言はない」「秦氏の不勉強ぶりが明らかになった」「自らが七三一部隊について何も研究していないことを隠すため」「秦氏の証言はこのように虚言に満ちあふれている」「法廷での証言は偽証であろうか」等16ページに及ぶ秦郁彦証言批判を書き下ろしている。秦郁彦は、この秦批判の頭注を「めったにお目にかかれなぬ珍物」と皮肉って、「興奮のせいか、しだいにボルテージが上がって行くコメントが楽しい。それでも、不愉快ではあったから、文部省の人へ『私立大学の教員が、国立大学それも学芸大学という文部省直轄校の下僚からなぜこれほど悪口雑言されねばならないの』と苦情を述べたら『申しわけない。昔はそうでしたが、今は過激派の巣になってしまい、一番手こずっているんです』『荒れる中学生対策でも研究してもらいたいですな』とやりとりしたしだいだ。」と記している。そして、証人の発言には著作権がないから、無断印刷して構わないのだろうが、悪口雑言も本人が読まねば張り合いがないだろうから次回から贈呈してほしい、と皮肉っている[1]
  • 朝鮮日報』のインタビューで「竹島は韓国領だという主張が正しいと思う。それに反対する主張は説得力がない」との意見を表明した[2]
  • 2008年7月24日、日本国が中学生向け新学習指導要領解説書に『竹島は日本固有の領土』と記述したことに対して、『独島(竹島)は日本の領土と書かれた部分を削除し、韓国との関係を復元すべき』というコラムを朝日新聞に寄稿した。
  • 2009年1月30日、ソウル大学に歴史教育科の正教授として採用された[3]

略歴[編集]

これまでの役職[編集]

著書[編集]

単著[編集]

  • 『教科書の思想 日本と韓国の近現代史』 (すずさわ書店, 1996)
  • 『日韓歴史教科書の軌跡 歴史の共通認識を求めて』すずさわ書店 2009

共編著[編集]

  • 『朝鮮・韓国は日本の教科書にどう書かれているか』坂井俊樹共編著 梨の木舎,1992/1996)
  • 『韓国 ソウル・ソウル郊外・江華島・堤岩里・天安』坂井俊樹,鄭在貞共著 梨の木舎, 1999)
  • 『歴史教育から「社会科」へ 現場からの問い』編 東京堂出版 2011

翻訳[編集]

  • 『韓国の歴史 国定韓国高等学校歴史教科書』大槻健,申奎燮共訳(明石書店, 2000)
  • 李元淳,鄭在貞,徐毅植『若者に伝えたい韓国の歴史 共同の歴史認識に向けて』國分麻里,手塚崇共訳 明石書店 2004
  • 平壌第三公立中学校総同窓会校史編纂委員会編 李元淳ほか『平壌三中学窓の追遠史 : 朝鮮植民地時代末期の中学校の教育記録』

監訳 秋岡あや,野木香里,山口公一訳 明石書店, 2010

脚注[編集]

  1. ^ 秦郁彦『現代史の争点』 文藝春秋 ISBN 978-4163540603、134p
  2. ^ [1] 朝鮮日報 2008年7月25日
  3. ^ [2] 朝鮮日報 2009年2月2日

外部リンク[編集]