仙波古墳群

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三変稲荷神社古墳
仙波古墳群の位置(埼玉県内)
仙波古墳群
仙波古墳群
位置図(座標は喜多院の境内にある慈眼堂古墳)。

仙波古墳群(せんばこふんぐん)は、埼玉県川越市小仙波町周辺に分布する古墳時代前期から後期にかけての古墳群

概要[編集]

新河岸川右岸の小仙波町・西小仙波町・通町・南通町・菅原町・富士見町を中心に展開している。喜多院を中心に分布するグループを小仙波古墳群、そこから2キロメートルほど離れて分布する愛宕神社古墳と浅間神社古墳を大仙波古墳群と呼んで区別することもある。

主な古墳[編集]

主な古墳の位置

慈眼堂古墳[編集]

小仙波古墳群を構成する古墳。喜多院境内にある。墳頂に慈眼堂、その裏に墓地がつくられ、墳丘は大きく変形している。現状で径36メートルほどの円墳のような外観をしているが、前方後円墳である可能性がある。

日枝神社古墳[編集]

小仙波古墳群を構成する古墳。喜多院の東側に位置する日枝神社境内に所在する。かつて墳丘上に喜多院の多宝塔が存在したため「多宝塔古墳」とも呼ばれる。墳形は前方後円墳であったが、後円部が削平され、前方部のみ残存する。6世紀中頃の築造[1]

三変稲荷神社古墳[編集]

小仙波古墳群を構成する古墳。墳形は方墳4世紀末の築造。石釧銅鏡鼉龍鏡)が出土(川越市指定有形文化財[2])。方墳としては県内最古クラスである。2000年(平成12年)に川越市指定史跡に指定された[3]

愛宕神社古墳[編集]

大仙波古墳群を構成する古墳。「父塚」とも呼ばれている。直径42〜45メートル・高さ6メートル。墳頂に愛宕神社の社殿が鎮座している。1958年(昭和33年)に川越市指定史跡に指定された[4]素環鏡板付轡大刀出土。7世紀前半の築造。なお前方後円墳である可能性がある。

浅間神社古墳[編集]

大仙波古墳群を構成する古墳。「母塚」とも呼ばれている。径38〜35メートル・高さ5.75メートル。墳頂に浅間神社の社殿が鎮座している。1972年(昭和47年)に川越市指定史跡に指定された[5]。出土品は伝わっていないが、愛宕神社古墳とほぼ同時期に造られたとみられる。

ギャラリー[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 川越市観光案内所 2020.
  2. ^ 教育委員会 教育総務部 文化財保護課 管理担当 (2023年12月11日). “市指定有形文化財 三変稲荷神社古墳出土品”. 埼玉県川越市. 2024年4月25日閲覧。
  3. ^ 教育委員会 教育総務部 文化財保護課 管理担当 (2024年4月18日). “市指定史跡 三変稲荷神社古墳”. 埼玉県川越市. 2024年4月25日閲覧。
  4. ^ 教育委員会 教育総務部 文化財保護課 管理担当 (2024年3月28日). “市指定史跡 愛宕神社古墳”. 埼玉県川越市. 2024年4月25日閲覧。
  5. ^ 教育委員会 教育総務部 文化財保護課 管理担当 (2024年3月28日). “市指定史跡 浅間神社古墳”. 埼玉県川越市. 2024年4月25日閲覧。

参考文献[編集]

  • 塩野, 博『埼玉の古墳』さきたま出版会〈北足立・入間〉、2004年9月、503-508頁。ISBN 4878913800NCID BA68966639 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

座標: 北緯35度55分01.8秒 東経139度29分22.1秒 / 北緯35.917167度 東経139.489472度 / 35.917167; 139.489472