ヴァルトエムス

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紋章 地図
(郡の位置)
基本情報
連邦州: ヘッセン州
行政管区: ダルムシュタット行政管区
郡: ラインガウ=タウヌス郡
緯度経度: 北緯50度15分01秒 東経08度18分48秒 / 北緯50.25028度 東経8.31333度 / 50.25028; 8.31333座標: 北緯50度15分01秒 東経08度18分48秒 / 北緯50.25028度 東経8.31333度 / 50.25028; 8.31333
標高: 海抜 252 m
面積: 36.68 km2
人口:

5,102人(2021年12月31日現在) [1]

人口密度: 139 人/km2
郵便番号: 65529
市外局番: 06126, 06087, 06082
ナンバープレート: RÜD, SWA
自治体コード:

06 4 39 016

行政庁舎の住所: Schulgasse 2
65529 Waldems
ウェブサイト: www.gemeinde-waldems.de
首長: マルクス・ヒース (Markus Hies)
郡内の位置
地図
地図

ヴァルトエムス (ドイツ語: Waldems) は、ドイツ連邦共和国ヘッセン州南部ダルムシュタット行政管区ラインガウ=タウヌス郡に属す町村(以下、本項では便宜上「町」と記述する)である。行政機関はエッシュ地区にある。

地理[編集]

位置[編集]

ヴァルトエムスはタウヌス山地に位置している。フェルトベルク山塊北西麓の森の豊かな環境で、高度は 250 m から 629.3 m である。町内のヴュストエムス集落の東 1 km に位置するヴィントハインは、ラインガウ=タウヌス郡の最高地点である。

隣接する市町村[編集]

ヴァルトエムスはラインガウ=タウヌス郡の最も東に位置する町で、北東はヴァイルロート、東はシュミッテン、南東はグラースヒュッテン(以上、いずれもホーホタウヌス郡)、南と西はイトシュタインラインガウ=タウヌス郡)、北西はバート・カムベルクリムブルク=ヴァイルブルク郡)と境を接している。

自治体の構成[編集]

この町は、ベルムバッハ、エッシュ(町の行政機関所在地)、ニーダーエムス(ラインボルンを含む)、ライヒェンバッハ、シュタインフィッシュバッハ、ヴュストエムスの6つの地区からなる。

歴史[編集]

ヴァルトエムス町内の環状土塁の跡

集落の痕跡はかなり古くにまで遡るが、現在の集落はおそらくフランク時代の開墾まで遡る。

772年にベルムバッハが Barenbach としてロルシュ・コデックスドイツ語版英語版に記述されているのがこの町の最初の記録である。何世紀にもわたってここは、リメスが近くを通り、後にはマインツ選帝侯ヘッセンナッサウが紛争を繰り広げた境界の町であった。1276年から1570年までこの村は貴族のベルムバッハ家と関係のある町であった。ベルムバッハ家は後に魔女狩りと、伝説的な盗賊シンダーハンネスドイツ語版英語版1801年)との関係で記録に登場する。

エッシュ地区は6世紀の集落を起源とする。Eschze 集落は、ディートキルヒェンの司祭文書の利息帳簿に記録されている。エッシュは、フランクフルト - リムブルク - ケルンを結ぶ古代の交易路と、ライン地方 - ヴェッテラウドイツ語版英語版を結ぶ街道の交差点にあたり、このため常に高い交通収入があった。

ニーダーエムスの成立史は1274年から追うことができる。飢餓疫病戦争により人口は絶えず大きく減少した。特に三十年戦争は戸数を大きく減少させた。

ライヒェンバッハの集落跡は紀元前にまで遡る。ゴルトカッセル墳墓環状土塁ドイツ語版英語版「ブルク」は特筆に値する。この集落は1428年Richinbach としてナッサウ=イトシュタイン年代記に記録されている。1772年に火災により古い中心部が焼失したが、その後すぐに再建された。1604年から1968年までライヒェンバッハには独自の学校があった。

シュタインフィッシュバッハ地区の近くには、墳墓に葬られた死者の頭部と金の鍋という形で古代の定住の証拠が遺されている。文献上の記述は、1156年マインツ大司教アルノルトの文書に Vispach と記されているのが初出である。この近くでは、鉄鉱石が採掘され、石臼、道路砂利、舗装用の石や境界石を製造するための採石が行われた。

ヴュストエムスは、1435年Wosten Emsse としてクーノ・フォン・ライフェンベルクの記録に記述されている。地名前半部分の Wüst は、おそらく、Wüstungen(荒れた土地)に由来し、放棄された集落あるいは農地を意味した。川の名前である Ems古高ドイツ語Ohm に由来する。地名のこの2つの構成要素は、入植が2000年以上前であることを推測させる。さらに、近隣のタウヌス山地「ブルク」にあるケルト時代の環状土塁もこれを示唆している。

町域は1806年に新設されたナッサウ公国領となり、1866年プロイセン王国領となった。

地域再編[編集]

ヘッセン州の地域再編に伴い、1972年8月1日に発効した州法に従って、それまで独立した町村であったウンタータウヌス郡のベルムバッハとエッシュ、ウージンゲン郡のニーダーエムス、シュタインフィッシュバッハ、ヴュストエムスが合併し、ウンタータウヌス郡に現在のヴァルトエムスが創設された[2]。ウンタータウヌス郡は、1977年1月に新設のラインガウ=タウヌス郡に移行した[3]

行政[編集]

議会[編集]

ヴァルトエムスの町議会は27議席からなる[4]

首長[編集]

ヘッセン州では1993年から任期6年の首長が直接選挙で選出される[5][6]

マルクス・ヒース (CDU) は、2014年11月30日の選挙で 68.0 % の票を獲得して町長に選出された。この選挙の投票率は 56.7 % であった[7]。任期は2015年6月1日から始まった。2021年1月24日の選挙では対立候補がなく、マルクス・ヒースは 92 % の支持票を集めて再選された。この選挙の投票率は 41.1 % であった[8]

紋章[編集]

ウンタータウヌス郡のヴァルトエムスは、1976年4月4日にヘッセン州内務省から以下の紋章の使用を認可された。

図柄: 緑地の波帯の上に銀のモミの木[9]

姉妹自治体[編集]

この町は、以下の自治体と姉妹自治体関係にある[10]

経済と社会資本[編集]

経済構造[編集]

かつてこの村の住民たちは、農林業で生活してた。しかし20世紀後半にヴァルトエムスは住宅地に変貌した。就労者のほとんどは、良好な交通の便に支えられ、ライン=マイン地方で生計を得ている。

ヴァルトエムス=シュタインフィッシュバッハは、テーブルトークRPGThe Dark Eyeドイツ語版英語版」を出版するウリセス・シュピールの本社所在地である。

交通[編集]

この町は、連邦アウトバーン A3号線のイトシュタイン・インターチェンジから 8 km の距離にあり、広域道路網への接続の便が良い。この他に連邦道 B8号線と B275号線が町内を通っており、エッシュで交差している。

最寄りの鉄道の駅は、イトシュタインのマイン=ラーン鉄道の駅である。

関連図書[編集]


出典[編集]

  1. ^ Hessisches Statistisches Landesamt: Bevölkerung in Hessen am 31.12.2021 nach Gemeinden
  2. ^ “Gesetz zur Neugliederung des Obertaunuskreises und des Landkreises Usingen (GVBl. II 30-18) vom 11. Juli 1972” (PDF), Gesetz- und Verordnungsblatt für das Land Hessen (17): 227-230, (1972), http://starweb.hessen.de/cache/GVBL/1972/00017.pdf#page=13 2021年5月12日閲覧。 
  3. ^ Statistisches Bundesamt, ed (1983). Historisches Gemeindeverzeichnis für die Bundesrepublik Deutschland. Namens-, Grenz- und Schlüsselnummernänderungen bei Gemeinden, Kreisen und Regierungsbezirken vom 27. 5. 1970 bis 31. 12. 1982. Stuttgart und Mainz: W. Kohlhammer GmbH. p. 378. ISBN 978-3-17-003263-7 
  4. ^ Endgültiges Ergebnis Der Gemeindewahl am 14. März 2021: Waldems”. 2021年5月12日閲覧。
  5. ^ Direktwahlen in Waldems”. 2021年5月12日閲覧。
  6. ^ Endgültiges Ergebnis Der Gemeindewahl am 14. März 2021 - Waldems”. 2021年5月12日閲覧。
  7. ^ Bürgermeisterwahl in Waldems - 30.11.2014”. 2021年5月12日閲覧。
  8. ^ Bürgermeisterwahl in Waldems - 24.01.2021”. 2021年5月12日閲覧。
  9. ^ “Genehmigung eines Wappens und einer Flagge der Gemeinde Waldems, Untertaunuskreis vom 4. April 1976” (PDF), Staatsanzeiger für das Land Hessen (17): 750, (1976), http://starweb.hessen.de/cache/STANZ/1976/00017.pdf#page=6 2021年5月12日閲覧。 
  10. ^ Partnerschaften der Gemeinde Waldems”. 2021年5月12日閲覧。

外部リンク[編集]