リュウキュウユビナガコウモリ

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リュウキュウユビナガコウモリ
保全状況評価
ENDANGERED
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
: コウモリ目 Chiroptera
: ヒナコウモリ科 Vespertilionidae
: ユビナガコウモリ属 Miniopterus
: リュウキュウユビナガコウモリ
M. fuscus
学名
Miniopterus fuscus
Bonhote, 1902
和名
リュウキュウユビナガコウモリ、
コユビナガコウモリ
英名
Southeast Asian Long-fingered Bat

リュウキュウユビナガコウモリ(琉球指長蝙蝠、学名:Miniopterus fuscus)は、コウモリ目(翼手目)・ヒナコウモリ科ユビナガコウモリ属に分類されるコウモリの一種。コユビナガコウモリとも呼ばれる。

分布[編集]

南西諸島奄美大島徳之島沖永良部島沖縄島久米島石垣島西表島)に分布するほか、紀伊半島でも記録がある[1]。また、中国福建省でも記録されている[1]

特徴[編集]

前腕長43 - 46.5 mm、頭胴長50 - 60 mm、尾長45 - 55 mm、体重8 - 11 g[1]。体毛はこげ茶色。

洞窟性の種[2]洞穴生物)で、昼間は洞窟に隠れて、数百頭以上の群れで過ごす。冬も活動する[3]

保全状況評価[編集]

森林伐採などの開発によって餌場となる生息地が少なくなっており、絶滅が危ぶまれている。石垣島では新石垣空港建設地に本種の生息する洞窟が確認されており、自然保護の観点から空港建設に慎重意見や反対の声が上がった[4]。これに対して、空港建設による影響を回避・低減するために、人口洞の設置や騒音対策などの取り組みが実施されることになった[5]

関連項目[編集]

参考文献[編集]

  1. ^ a b c 阿部永・石井信夫・伊藤徹魯・金子之史・前田喜四雄・三浦慎悟・米田政明『日本の哺乳類 改訂版』東海大学出版会、2005年7月20日。ISBN 4-486-01690-4 
  2. ^ 船越公威、山下啓、北之口卓志、田中広音、大坪将平、大平理紗、内原愛美、大澤達也、渡辺弘太、永山翼、亘悠哉、南尚志「徳之島と奄美大島に生息するコウモリ類の生態学的研究,特にリュウキュウテングコウモリMurina ryukyuanaについて」『哺乳類科学』第59巻第1号、日本哺乳類学会、2019年、15-36頁、doi:10.11238/mammalianscience.59.15 
  3. ^ 小宮輝之『フィールドベスト図鑑 日本の哺乳類』学習研究社、2002年3月29日。ISBN 4-05-401374-0 
  4. ^ 新石垣空港問題 コウモリの会
  5. ^ 小型コウモリ類の保全 新石垣空港課