ヨーゼフ・マルクス

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ヨーゼフ・マルクス
Joseph Marx
1912年撮影
1912年撮影
基本情報
出生 1882年5月11日
Flag of Austria-Hungary (1869-1918).svg オーストリア=ハンガリー帝国グラーツ
死没 1964年9月3日(満82歳没)
オーストリアの旗 オーストリアグラーツ
ジャンル 後期ロマン主義音楽
職業 作曲家音楽評論家
音楽教育者

ヨーゼフ・ルーペルト・ルドルフ・マルクスJoseph Rupert Rudolf Marx, 1882年5月11日 グラーツ - 1964年9月3日 グラーツ)は、オーストリア作曲家音楽評論家・音楽教育者。後期ロマン主義音楽の作曲家だが、フランス印象主義音楽の影響を程よく取り入れることにより、若干モダンな響きを首尾よく獲得した。音楽評論家としては、自身と同じく新ウィーン楽派の周辺にいて実力を発揮しながら、革新的でないと言われがちな作曲家、たとえばフランツ・シュミットフランツ・シュレーカーエーリヒ・ヴォルフガング・コルンゴルトらを擁護した。本名は長いが、作曲家自身が公的に2つのミドルネーム「ルーペルト・ルドルフ」を用いたことは無かったらしく、一般的にもそれらが言及されることは非常に稀である。なお、綴りの細部を除いてほとんど同名のヨーゼフ・マルクス(Josef Marx, 1913年ベルリン - 1978年ニューヨーク、オーボエ奏者、音楽学者、音楽出版社「マクギニス&マルクス」創業者)との経歴上の混同もあり、両者の存命中から郵便誤配を含む多くの逸話や笑い話に事欠かず、2人は親友でもあった。(→ International Double Reed Society : "The Double Reed" 1999)

生涯[編集]

早くに母親から音楽の手ほどきを受けていたが、後にヨハン・ブーヴァの有名なピアノ教室に通う。ギムナジウムの生徒だった頃から作曲を始め、既成の主題によるピアノ曲や小曲を、三重奏や四重奏のアンサンブルのために編曲した。

父親の希望を容れて法学を学ぶが、後に哲学芸術史に転学した。このため最終的に父親と決裂することとなったが、その後も音楽への興味さめやらず、26歳のときに再び作曲活動に取り掛かり、それから4年(1908年から1912年まで)の間に、マルクスの全部で約150曲の歌曲のうち、ほぼ120曲ほどが作曲された。ともあれ結局は哲学で博士号を取得した。

1914年ウィーン大学音楽理論の教授に、1922年ウィーン音楽アカデミー院長に就任。1924年から1927年まで同アカデミー講師の地位にあった。1932年から1933年までトルコに赴き、トルコ政府の委任により、アンカラ音楽院の設立について助言するとともに、トルコの民族音楽の組織体系の研究にいそしんだ。

音楽理論家として和声法対位法に関する著作を残した。

主要作品一覧[編集]

器楽曲[編集]

管弦楽曲

  • 秋の交響曲 Eine Herbstsymphonie (1921年)
  • 交響楽のための夜曲 Symphonische Nachtmusik (1922年)
  • コンチェルティーノ《牧歌》 Idylle - Concertino (1925年)
  • 春の音楽 Eine Frühlingsmusik (1925年)
  • 組曲《自然三部作》 Natur-Trilogie (Natursuite) (1925年)
  • 北国のラプソディ Nordlands-Rhapsodie (1929年)
  • 古いウィーンのセレナーデ Alt-Wiener Serenaden (1942年)
  • 古風な交響曲 Sinfonia in modo classico (1944年)
  • 古風なパルティータ Partita in modo antico (1945年)
  • 秋の祭り "Feste im Herbst" "Herbstfeier") (1946年)


協奏曲

  • ピアノ協奏曲 第1番 ホ長調《ロマンティック》 Klavierkonzert Nr. 1 E-dur "Romantisches Klavierkonzert" (1919年)
  • ピアノ協奏曲 第2番 変ホ長調《ローマの城》 Klavierkonzert Nr. 2 Es-dur "Castelli Romani" (1930年)

室内楽

  • イ長調の弦楽四重奏曲《半音階的》 Streichquartett A-dur (1936-37年/ 1948年に改訂されて Quartetto Chromatico に)
  • 古風な四重奏曲 Quartetto in Modo Antico (1937-38年)
  • 古典様式の四重奏曲 Quartetto in Modo Classico (1940-41年)
  • ヴァイオリン・ソナタ(第1番)イ長調 Violinsonate (Nr. 1) A-dur (1913年)
  • ヴァイオリン・ソナタ(第2番)ニ長調《春のソナタ》 Violinsonate D-dur (Nr. 2) "Frühlingssonate" (1945年)
  • 狂詩曲形式によるピアノ四重奏曲 "Klavierquartett in Form einer Rhapsodie" (1911年)
  • ピアノ四重奏のためのバラード イ短調 "Ballade" für Klavierquartett in a-Moll (1911年)
  • ピアノ四重奏のためのスケルツォ "Scherzo" für Klavierquartett (1911年)
  • ピアノ三重奏曲のためのファンタジー "Trio-Phantasie" für Violine, für 'Cello & Klavier in g-Moll (1913/14年)
  • チェロとピアノのための《組曲 ヘ長調》 Suite in F-dur für 'Cello & Klavier (1914年)
  • チェロとピアノのための《パストラル》 Pastorale für 'Cello & Klavier (1914年)
  • 6つのピアノ小品 Sechs Stücke für Klavier solo (1916年)
  • ピアノ曲《アルバムの一葉 ホ長調》 Albumblatt in E-dur (1916年)
  • オルガン曲 Stücke für Orgel

歌曲[編集]

  • Italienisches Liederbuch (1912年)
  • Verklärtes Jahr (Liederzyklus, 1932年)
  • insgesamt ca. 150 Lieder für Gesang und Klavier oder Gesang und Orchester

著作[編集]

  • Harmonielehre. Unter Zugrundelegung des Lehrganges von Joseph Marx verfaßt von Friedrich Bayer. Universal-Edition, Wien 1933
  • Kontrapunktlehre. Unter Zugrundelegung des Lehrganges von Joseph Marx verfaßt von Friedrich Bayer. Universal-Edition, Wien 1935
  • Betrachtungen eines romantischen Realisten. Gesammelte Aufsätze, Vorträge und Reden über Musik. Hrsg. von Oswald Ortner. Gerlach & Wiedling, Wien 1947
  • Weltsprache Musik. Bedeutung und Deutung tausendjähriger Tonkunst. Austria-Edition, Wien 1964

教え子[編集]

参考文献・外部リンク[編集]

  • Andreas Liess: Joseph Marx. Leben und Werk. Steirische Verlagsanstalt, Graz 1943
  • E. Werba, Joseph Marx. (Österreichische Komponisetn des 20. Jahrhunderts, Band I). ÖBV, Wien 1964
  • 公式HP(英語版)
  • 作品目録