マイトトキシン

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マイトトキシンの構造。左下から、A環、B環、…、Y環、Z環、A'環、B'環、…、E'環、F'環と合計32の環がある。

マイトトキシン
マイトトキシン
別名 マイトトキシン
分子式 C164H256O68S2Na2
分子量 3422 g/mol
CAS登録番号 [59392-53-9]

マイトトキシン (maitotoxin) は、海産毒素の一種。タンパク質ペプチドなどの高分子を除き、構造式が判明している最大の天然有機化合物。組成式C164H256O68S2Na2分子量は3422。海産毒素として最も毒性が強いと考えられている。他に分子量が大きく、毒性が強い毒素としてパリトキシン(分子量2681)がある。大阪大学大学院理学研究科の村田道雄らが1996年に構造を決定した[1][2]

目次

[編集] 毒性

毒性の作用機序は、細胞膜に位置するカルシウムチャネルの透過を促進し、細胞内のカルシウムの濃度を引き上げることによると考えられている。このため、筋肉の異常収縮を起こす。マウスに対する急性毒性は腹腔内投与の場合、0.05μg/kg(腹腔内投与、LD50)で、フグ毒として有名なテトロドトキシンの約200倍の強さ。

[編集] 発見

マイトトキシンの発見はサンゴ礁に生息する魚の食中毒であるシガテラの研究に由来する。まず1967年にシガテラの一因となるシガトキシンがドクウツボから単離され、1989年に構造が決定された。その間、シガテラの原因となる他の化学物質がサザナミハギから検出された。これが、マイトトキシンである。マイトトキシンはサザナミハギが合成しているのではなく、食物として取り入れた有毒渦鞭毛藻Gambierdiscus toxicus によることも分かった。シガトキシンもこの渦鞭毛藻が合成していると考えられている。

[編集] 命名

物質発見の元となったサザナミハギの捕獲されたタヒチでの現地名「マイト」に由来する(maito+toxin)。

[編集] 参考文献

  1. ^ Sasaki, M.; Matsumori, N.; Maruyama, T.; Nonomura, T.; Murata, M.; Tachibana, K.; Yasumoto, T. (1996). “The complete structure of maitotoxin, part I: configuration of the C1—C14 side chain.” Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 35: 1672–1675. DOI: 10.1002/anie.199616721.
  2. ^ Nonomura, T.; Sasaki, M.; Matsumori, N.; Murata, M.; Tachibana, K.; Yasumoto, T. (1996). “The complete structure of maitotoxin, part II: configuration of the C135—C142 side chain and absolute configuration of the entire molecule.” Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 35: 1675–1678. DOI: 10.1002/anie.199616751.

3. Structure and partial stereochemical assignments for maitotoxin, the most toxic and largest natural non-biopolymer. Murata, M., Naoki, H., Matsunaga, S., Satake, M. and Yasumoto, T. J. Am. Chem. Soc., 116, 7098-7107 (1994).

[編集] 関連項目