ヘキサン

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ヘキサン
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識別情報
CAS登録番号 110-54-3
RTECS番号 MN9275000
特性
化学式 C6H14
モル質量 86.18 g/mol
外観 透明な液体
密度 0.6548 g/ml, 液体
融点

−95 °C (178 K)

沸点

69 °C (342 K)

への溶解度 immiscible
粘度 0.294 cP at 25 °C
危険性
EU分類 強い可燃性 F Irritant Xn環境への危険性 N
Rフレーズ R11 R38 R48/20 R62 R65 R67 R51/53
Sフレーズ S2 S9 S16 S29 S33 S36/37 S61 S62
引火点 −23.3 °C
発火点 233.9 °C
関連する物質
関連するアルカン ペンタン
ヘプタン
関連物質 シクロヘキサン
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

ヘキサン (hexane) は有機溶媒の一種で、示性式 CH3(CH2)4CH3 で表される直鎖状アルカンである。常温では無色透明で、灯油の様な臭いがする液体。水溶性は非常に低い(20°Cで13 mg/L)。

構造異性体、すなわち、分子式 C6H14 と表される枝分かれアルカンとして、2-メチルペンタン3-メチルペンタン2,2-ジメチルブタン、および 2,3-ジメチルブタンの4つが知られる。それらの異性体と区別するため、ヘキサンは特にノルマルヘキサン (n-hexane) と呼ばれることもある。また、これらの異性体を含めた炭素6個のアルカン群の呼称として、ヘキサン (hexanes:複数形) という言葉を使うこともある。

ヘキサンはガソリンに多く含まれている。また、ベンジンの主成分である。

反応[編集]

600–700°C熱分解を起こし、水素メタンエチレンなどを生ずる。

用途[編集]

極性の低い溶媒として、油脂の洗浄・抽出をはじめ様々な用途に用いられる。

ホームセンターや自動車用品販売店にて「ブレーキクリーナー」「パーツクリーナー」という名称でヘキサンのスプレーが販売されている。これらの商品はヘキサンの溶剤としての効力を、高圧ガスの噴射力でさらに高めている。油脂や金属粉による汚れを効果的に除去できるが、プラスチックゴムを侵すため、噴射する際はこれらにかからないようにしなければならない。同じ理由で、シールを用いたローラーチェーンには用いてはならない。シールが侵されて異常磨耗や破損を招くおそれがある。

高熱を発する集積回路と冷却装置の間に塗布される熱伝導性ペースト(シリコングリス、放熱グリスと呼ばれる)を除去するときも上記のブレーキクリーナーを使うことができる。このほかにも、電子基板上の汚れを取るときにも利用できる。

また、大豆の脱脂加工にも用いられる。大豆油はヘキサンを溶剤として油脂を抽出したものであり、大豆油製造を行なった際の副生産物(油粕)である脱脂加工大豆を用いて醤油の醸造が行なわれる。

安全性[編集]

ヘキサンは、引火点が−22°C可燃性液体である。空気中の爆発限界濃度は1.1–7.5体積%であるので、使用する際は十分な換気が必要である。日本では、消防法により危険物第四類(第一石油類 危険等級3 非水溶性)に指定されている。


慢性毒性として、アルカンの中でヘキサン(ノルマルヘキサン)は特異的に毒性を有する。代謝系でヘキサンが酸化され2,5-ヘキサンジオンが生成し、これが末梢神経を侵すために歩行困難などの多発性神経症が発症する。

急性毒性としては500ppm以上の濃度のヘキサンに曝露する事で頭痛や軽度の麻酔作用が現れることがある。

関連項目[編集]

C5:
ペンタン
直鎖アルカン C7:
ヘプタン