フレンチパラドックス

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フレンチパラドックス: French paradox)とは、フランス人が相対的に喫煙率が高く、飽和脂肪酸が豊富に含まれる食事を摂取しているにもかかわらず、冠状動脈性心臓病に罹患することが比較的低いことが観察されていることを言う[1]。フレンチパラドックスの用語は、フランスボルドー大学科学者であるセルジュ・レナウド博士による造語である[2]

赤ワインが心臓疾患の発生率を減少させることを推定したこのパラドックスの説明が、1991年米国の「60 Minutes」で放映されたときは、赤ワインの消費量が44%も増加し、いくつかのワイナリーは、製品に「健康食品」のラベルを付ける権利の獲得のためにロビー活動を始めた[3]

WHOにより提示された1990年から2000年統計情報は、フランスで心臓病の発生率が過小評価されている可能性があり、実際には近隣諸国の発生率とあまり変わらないかもしれないとし[4] 、食物研究評価の著者は、飽和脂肪酸の消費と冠動脈心疾患リスクとの間に因果関係を確立するためには十分な証拠はなかったと結論付けた[3]

概要[編集]

FAOのデータ[5][リンク切れ]によると、2002年で平均的なフランス人は108g/日の動物性脂肪を消費している一方、平均的アメリカ人は72g/日しか消費していない。フランス人はアメリカ人に比較して4倍量のバター、60%増しのチーズ、3倍近い量の豚肉を多く食べている。フランス人は、総脂肪摂取171g/日でアメリカ人の157g/日をわずかに上回っている程度であるが、フランス人ははるかに多くの飽和脂肪酸を消費している。それはアメリカ人ははるかに大きな割合を植物性脂肪の形での脂肪を消費しており、その中ほとんどのは大豆油であるからである[6][リンク切れ]。しかし、英国心臓財団の1999年からのデータ[7][リンク切れ]によると、35〜74歳の男性の虚血性心疾患による死亡率は、米国では10万人あたり115人で、フランスでは10万人あたり83人のみである。

脚注[編集]

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参考文献[編集]

  • Abdulla, A. & Badaway, B. (2001). “Moderate alcohol consumption as a cardiovascular risk factor: the role of homocycteine and the need to re-explain the ‘French Paradox’”. Alcohol & Alcoholism 36: 185–188. doi:10.1093/alcalc/36.3.185. 
  • Perdue, W. Lewis, et al. the French Paradox and Beyond. Sonoma, CA: Renaissance, 1993.
  • Rozin, P., Kabnick, K., Pete, E., Fischler, C., & Shields, C. (2003). “The ecology of eating: Part of the French paradox results from lower food intake in French than Americans, because of smaller portion sizes”. Psychological Science 14 (5): 450–454. PMID 12930475. 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]