フリーダム (沿海域戦闘艦)

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USS Freedom (LCS 1).jpg
艦歴
発注 2004年5月(NVRの公式発表は2004年12月15日)
起工 2005年6月2日
進水 2006年9月23日
就役 2008年11月8日
退役
その後 就役中
除籍
ユニットコスト $46,501,821(フライト0、契約額)
性能要目
排水量 満載: 3,000t
全長 115.3 m(378.3 ft)
全幅 17.5 m(57.4 ft)
吃水 3.7 m(12.1 ft)
機関 CODAG方式, ウォータージェット推進(4軸)
ロールス・ロイス plc MT30 ガスタービン (36 MW/48,000 hp) 2基
フェアバンクス・モースコルト-ピルスティク 16PA6B STC ディーゼル (6.4 MW/8,600 hp) 2基
速力 最大: 45kt(83 km/h)
航続距離 3,500 nmi(6,500 km) / 18 kt (33 km/h)
乗員 中核乗員15から50名
作戦要員75名(ブルー、ゴールド各班)
兵装 Mk.110 57mm単装速射砲 1基
Mk.49 近SAM21連装発射機 1基
Mk 46 30mm機関砲 2基
各種ミッション・モジュール
艦載機 MH-60R/S 2機
MQ-8 ファイアスカウト 2機
C4I COMBATSS-21 戦闘情報システム
レーダー TRS-3D 3次元対空捜索レーダー
電子戦
対抗手段
Mk 36 SRBOC
モットー Fast, Fearless, Focused

フリーダム (USS Freedom, LCS-1) は、アメリカ海軍沿海域戦闘艦(LCS)。その名を持つ艦としては3隻目。本艦は正式採用を目指してロッキード・マーティンによって設計され、ジェネラル・ダイナミクスが設計したインディペンデンス (USS Independence, LCS-2) と競合した。艤装中の火災により就役が遅れたが、2008年9月18日に海軍によって公式に受領された。

概要[編集]

低強度紛争への対処に適する新艦種の第1号であるフリーダムは、水深の浅い海域での様々な任務に用いられる目的で設計された。船体はモノハル設計で45ノット(83 km/h/52 mph)以上を発揮できる。

就役[編集]

2008年11月8日にウィスコンシン州ミルウォーキーで就役し、母港はカリフォルニア州サンディエゴである。

2009年1月初旬現在、バージニア州ノーフォーク海軍基地で、運用試験を進行中である。今後投入される作戦や具体的行動海域は非公開であるが、マラッカ海峡アラビア海などでの海上テロ、海賊対策などに用いられると考えられている(読売新聞の取材に応じた副長クリスティ・ドイル中佐による)[1]

開発の経緯[編集]

LCSの諸プランのうち、建造に着手された2種類のうちの1つで、LCS-1と呼ばれた単胴船(モノハル)案。

開発グループはロッキード・マーティン社が中心となっている。LCS-2と呼ばれる三胴船案に比べ、甲板面積では劣るものの、調達コストでは優位。

装備[編集]

本艦は、自衛用の最低限の装備を基本として、これに加えて、任務に対応するための各種装備を柔軟に搭載することを計画している。これらの装備は、艦のC4ISRシステムを中核として連接され、システム艦として構築される。

C4ISRシステム[編集]

アメリカ軍の新しい戦闘指導原理であるネットワーク中心戦 (NCW)コンセプトに準拠して開発された本艦にとって、最重要の装備といえるのがC4ISRシステムである。

戦術情報処理システムとしては、新開発のCOMBATSS-21が搭載される。これは、艦隊で運用されてきたイージスシステム (AWS)、艦艇自衛システム (SSDS)、AN/SQQ-89統合対潜システムを元に開発されたオープンアーキテクチャ化システムであり、本艦のほかにもズムウォルト級ミサイル駆逐艦バーソルフ級カッターにも搭載される予定である。

また、通信システムについても、きわめて充実している。作戦級システムとしてはGGGS-Mを搭載し、戦術データ・リンクとしては従来のリンク 11および新しいリンク 16を搭載、特殊用途のS-TADIL Jにも対応する。また、共同交戦能力にも対応する予定である。

一方、レーダーとしては、比較的簡素なTRS-3D 3次元対空捜索レーダーを搭載する。

また、ソナーについても、近距離での機雷探知に重点が置かれており、長距離の探知は難しいものとなっている。

自衛用装備[編集]

Mk.110 57ミリ単装速射砲

本艦は、従来の艦艇自衛システム(SSDS)に準じた自衛防空システムを搭載する。

主砲として、ユナイテッド・ディフェンス社のMk.110 57ミリ単装速射砲を前甲板に1門装備する。この砲は、高発射速度・長射程の中口径速射砲であり、優れた対空・対水上火力を提供する。なお、この砲はズムウォルト級ミサイル駆逐艦アメリカ沿岸警備隊の新型カッター巡視船)でも採用が決定している。

近接防空用としては、Mk.31 GMWS(Guided Missile Weapon System)を搭載する。これはRIM-116 RAMを使用した近接防空ミサイル・システムで、近距離において巡航ミサイル攻撃機などの航空脅威に対処するため、SSDS搭載艦に広く配備されているものである。

また就役後、小型艦船への対応の強化のため、船体後部に30mm機関砲2基が追加された。

任務対応用装備[編集]

本艦は、フリーダム級のフライト0として、最低限の自衛用装備のみを搭載して就役した。しかし、要求される多様な任務に対応するため、各種の装備を追加搭載できるように考慮されている。

前甲板のMk.110 57ミリ単装速射砲は、必要に応じて、Mk.41 VLSと交換可能である。これに合わせて、TRS-3Dレーダーも、AN/SPY-1K 多機能レーダーに換装できる。

また、沿岸の敵地上目標に対する対地精密射撃のため、NLOS-LSシステムの搭載が考慮されている。NLOS-LSは、アメリカ陸軍将来型戦闘システム(Future Combat Systems, FCS)計画と共同で開発されたもので、非装甲車輌、装甲車輌、掩蔽物、その他必要に応じた目標物に対して使用される。

艦載機[編集]

艦尾にヘリコプター発着甲板を設ける。なお、発着甲板の面積はインディペンデンス級沿海域戦闘艦の方が広く取られている。また、MQ-8 ファイアスカウト無人航空機)の搭載も検討されている。

同型艦[編集]

フライト0として2隻(LCS-1、LCS-3)の建造が予定され、LCS-2との比較試験の後量産型(フライト1)の建造に移行するスケジュールが組まれた。

建造コスト上昇のためにLCS-3は一旦キャンセルされたが、フォート・ワース(USS Fort Worth,LCS-3)として2009年7月11日に起工された。

脚注[編集]

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  1. ^ 読売新聞2009年1月10日朝刊。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]