バーチ・スウィンナートン=ダイアー予想

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バーチ・スウィンナートン=ダイアー予想(バーチ・スウィンナートン=ダイアーよそう、略してBSD予想と呼ばれる、Birch and Swinnerton-Dyer Conjecture)とは

楕円曲線E上の有理点と無限遠点Oのなす有限生成アーベル群階数(ランク)が、EのL関数 L(E, s) のs=1における零点位数と一致する

という予想である。数学上の未解決問題のひとつ。

この予想は発表から約44年がたった現在(2009年)でも未解決なままだが、数論における重要な予想であり、解決に向けた研究が活発に行われている。またクレイ数学研究所ミレニアム懸賞問題の一つとしてBSD予想の解決者に対して100万ドルの懸賞金を支払う事を約束している。[1]

背景[編集]

楕円曲線上の有理点(x座標もy座標も有理数になる点)は、加法'+'を定義することができる。 楕円曲線E上の二点 P = (x1, y1), Q = (x2, y2) に対し、直線 PQ と E との交点とx 軸に関して対称な位置にある点(x3, y3)をP + Q で表される点と定義する。(詳細は楕円曲線の記事を参照)

このような演算により、有理点全体は無限遠点を付加することで、アーベル群をなすが、さらに有限生成アーベル群になることが証明されている。

アーベル群の基本定理から、この有限生成アーベル群は、無限巡回群 Z と素数べきの位数を持つ巡回群 Z / m1Z, ..., Z / mtZ直積

\mathbb{Z}^r \times \mathbb{Z}/m_1\mathbb{Z} \times \mathbb{Z}/m_2\mathbb{Z} \times \cdots \times \mathbb{Z}/m_t\mathbb{Z}

同型であることが知られている。このrのことを楕円曲線Eの階数とよぶ。

楕円曲線EのL関数L(E,s)を、s=1の周りでテイラー展開すると次のように書けたとする。

L(E,s)=(係数)×(s-1)のr乗+∑{(s-1)の(r+1)乗以上の項}

このとき、rはこの楕円曲線の階数になるというのがBSD予想である。

歴史[編集]

外部リンク[編集]

  1. ^ Birch and Swinnerton-Dyer Conjecture at Clay Mathematics Institute