ハートに火をつけて (アルバム)

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ハートに火をつけて
ドアーズスタジオ・アルバム
リリース 1967年1月
録音 1966年
ジャンル ロック
時間 43分05秒
レーベル エレクトラ・レコード
プロデュース ポール・ロスチャイルド
専門評論家によるレビュー
チャート最高順位
  • 2位(アメリカ[1]
ドアーズ 年表
ハートに火をつけて
(1967年)
まぼろしの世界
(1967年)
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ハートに火をつけて(原題:The Doors)は、アメリカロックバンドドアーズのデビュー・アルバム

収録曲の「ハートに火をつけて」が、ファンの強い要望によってシングル・カットされ、全米1位を獲得するなど熱狂的に受け入れられた。収録曲「ジ・エンド」は、映画地獄の黙示録』でも用いられた。

概要[編集]

後にロック文学ともいわれるよう革新的で難解な詩と、トリップしたような音楽の組み合わせが特徴。歌詞そのものは評論家の多くに「つかみどころがない」と評価されるも、音楽、ルックスなどが、ベトナム戦時下当時のヒッピー層に熱狂的に受け入れられた。その結果、思わぬ事に、バンドは反戦、反体制のシンボルとされ、政治的な発言を求められるようになり、ついにはアメリカ国内にて保守層の攻撃対象に至る発端となった。ドアーズの音楽と詩を正当に解釈していた者は、限られた一部に過ぎなかったと考えられる。

やがてジム・モリソンの死を経ても、彼らの音楽は消える事が無かった。90年代に彼らの映画がヒットした時期に一致して世界的にロックの歌詞が見直される時代が到来、ドアーズはさらに普遍的な評価を得るに至った。本作は彼らのデビュー作にして最高傑作であるといえるが、それは「バンドのデビューまでにジムが長年にわたり詩を書きためていたこと」「デビューまでにバンドが毎晩のように少ないギャラでバーのステージに出演し、演奏しながら曲を練り上げていった事」「後の作品のように、政治がらみ、アル中などの問題を抱え込む前の作品だったこと」があげられる。

ジョン・デンスモアは後の著書で、このアルバムに関しては、レコーディングのトラックが少なく、ドラムとベースとギターは同一トラックに一発撮りであったと語っている。

ローリング・ストーン』誌が選んだ「オールタイム・ベスト・アルバム500」と「オールタイム・ベスト・デビュー・アルバム100」に於いて、それぞれ42位[2]と34位[3]にランクイン。

曲目[編集]

  1. ブレイク・オン・スルー - Break on Through (To the Other Side)
    デビュー・アルバムの初頭の曲にして、バンドの方向性を示した曲であるといえる。ここで other side というのは現実ではない世界、ジム曰くsub conciousnesの側である。発表当時は she gets high の high 部分が問題ありとして消去されていたが、1999年の『コンプリート・スタジオ・レコーディングス』で high の入ったバージョンが発表された。
  2. ソウル・キッチン - Soul Kitchen
    大勢で飲食する楽しさを描いた曲。ライブでは、歌詞の一部を変えて歌われる事が多く[4]、ファンを熱狂させた。
  3. 水晶の舟 - Crystal Ships
    刹那的な恋愛を描いた作品。デンスモアは、この曲が実は、バンドそのものを描いた曲なのだと自伝の中で発言している。
  4. 20世紀の狐 - Twentieth Century Fox
    狐とは、英語で美人美男子のこと。
  5. アラバマ・ソング - Wiskey bar(Alabama Song)
    ブロードウェイミュージカルからパクった、とメンバーが発言。元は、ベルトルト・ブレヒトクルト・ワイルのオペラ『マハゴニー市の興亡』(1930年)からのナンバー。ドイツ語のオペラだが、この曲は英語で歌われている。
  6. ハートに火をつけて - Light My Fire
    ドアーズ最大のヒット作にして不朽の名作である。ギタリストのロビー・クリーガーによる作品で、歌詞も元々彼が書いたものだったが、ジムに書き換えられたらしい(ドアーズの曲でこのようにして作られた曲はあまり多くない)。間奏が3分以上もあり、マンザレクのオルガンソロとロビーのギターのバトルが聴けるが、シングルでは長すぎる事からカットされてしまっている。
  7. バック・ドア・マン - Back Door Man
    ライブ向きの曲で非常に好んで演奏された。ウィリー・ディクスンのカバー。ライブでは、「アラバマ・ソング」とのメドレーで取り上げられる事が多かった。
  8. 君を見つめて - I Looked at You
  9. エンド・オブ・ザ・ナイト - End of the Night
  10. チャンスはつかめ - Take it as it Comes
  11. ジ・エンド - The End
    言わずと知れた長編問題作であり、ドアーズの代名詞と言ってよい名作。エディプス王の有名な話が中心に書かれているといわれており、特に曲後半の歌詞については、未だに議論を呼んでいる。録音の際には、ジムやバンドのテンションが上がりすぎてしまい、1曲を通して満足できる演奏が得られなかった為、別々のテイクを途中でつないで1曲にまとめており、よく聴くと途中で編集箇所が分かる。ライブにおいては、この曲が一つのクライマックスであり、曲の演奏が始まる前から、ジムが観客の緊張を高める様に煽り立て、やがて静かに演奏が始まっていった。間奏のシャッフル部分では、ジムが回りながら踊り、最後に倒れこむ事が度々あり、それを楽しみにコンサートにやってきていた者も多かったと聞く。演出というが、実際にはシャーマン的な色彩のもので本人が気絶してしまったこともあったという。

ボーナス・トラック (2007)[編集]

  1. 月光のドライブ - Moonlight Drive (recorded 1966, version 1)
  2. 月光のドライブ - Moonlight Drive (recorded 1966, version 2)
  3. インディアン・サマー - Indian Summer (recorded August 19, 1966, vocal, this track would later appear on the album Morrison Hotel)

脚注[編集]

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  1. ^ The Doors - The Doors : Awards : AllMusic
  2. ^ [1]
  3. ^ [2]
  4. ^ 「Well the clock says its time to close now(時計は(酒場の)閉店を告げている」という箇所を、「Well the cops says its time to close now(警官は(コンサートの)終了を告げている)」と歌った。警官とのトラブルの多かったジムならではの歌詞である。

外部リンク[編集]