ハンドサイクル

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三輪のハンドサイクル
取り付け型(アタッチメント)のハンドサイクル

ハンドサイクル: handcycle)は、クランクを手で回して進む自転車のことである。ハンドバイク: handbike)とも呼ばれる。日本では、手こぎ自転車、またはハンドクランク付き自転車とも呼称される。

概要[編集]

ハンドサイクルのクランクは左右が180°の位相差を持つ方式(普通の自転車のペダルと同じく左右逆の配置で交互に回す)と、同位相(普通の自転車のハンドルと同一の形状)の方式がある(主流は後者)。多くは、トライク三輪車)の形となっており、前一輪と後二輪のデルタトライクが主流となっている(二輪車・四輪車も稀に存在)。前輪が駆動と方向操作を兼ねるものが多いが、後輪駆動のものもある(デルタトライクの物では二輪駆動になるためトルクが向上する)。クランクがハンドルと一体のものが主流であるが、2つが別々に存在するものもある。

駆動輪と座席および座席側の車輪が分離している取付型(主に手動車椅子の前に取り付ける)と、前後輪も座席も車体とひとつになっている一体型の2種類がある。一体型の物ではスタイルに合わせて、ローレーサーのように傾斜を深くし寝そべった状態で空気抵抗を減らした物や、正座状に座り前傾姿勢を取ることで上半身の力を最大限に発揮できるものなど様々なものが存在する。その他、目的に応じて特殊機構を持った物など様々なものが開発されている。

上肢が機能していれば駆動および操作をすることができるため、健常者だけでなく下肢に障害があっても乗ることができる。

車椅子取付型の場合、車椅子単体では道路交通法歩行者扱いだが、ハンドサイクルを取り付けると自転車扱いとなり、飲酒運転などは違法となる。

誕生の歴史については自転車より浅く、1983年アメリカ合衆国で車いすを改造したものが原型とされている。1988・89年代ではヨーロッパでも開発がすすめられ、1989年に販売を開始。その後1990年にヨーロッパにアメリカ製の車種が伝わり、障害者向け自転車競技を広める動きとともに定着していった[1]。なお、1655年ドイツでは、Stephan Farfler作のクランクと車輪のギアが直結したハンドサイクルとも言える移動器具が存在する。

スポーツ競技として[編集]

2011ベルリンマラソン
2006レース・アクロス・アメリカ
オランダで考案されているハンドバイク型のマウンテントライク(反転位相クランクでタドポール)

1990年初期にヨーロッパに広まって以降、1993年スイスで公式レースが初めて開催され、1995年以降からヨーロッパ・アメリカともにさらに開催回数が増加していった。ハンドサイクル単独のレースの他、マラソン競技の車いすの部と同様に、一般選手より先にスタートする方式でレースが開催されている。

パラリンピックにおけるハンドサイクル[編集]

パラリンピックにおいては、2004年アテネで男子の参考種目として競技が行われ、2008年北京から男女の正式種目として採用された。車いすマラソンの世界記録保持者であるハインツ・フライも北京パラリンピックのハンドサイクルのタイムトライアル競技で金メダルを獲得している。なお、パラリンピックにおいては陸上競技ではなく、自転車競技に分類されている。

著名なハンドサイクル選手[編集]

ツーリング[編集]

各地でツーリングも広く行われている。

脚注[編集]

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  1. ^ 株式会社テレウス. “ハンドサイクルの歴史”. 2012年9月17日閲覧。

関連項目[編集]