ハラール・セーヴェルー

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ハラール・セーヴェルー
Harald Sæverud
ハラール・セーヴェルー (1967年)}
ハラール・セーヴェルー (1967年)
基本情報
出生名 ハラール・シグール・ヨハン・セーヴェルー
(Harald Sigurd Johan Sæverud)
出生 1897年4月17日
出身地 ノルウェーの旗 ノルウェー ベルゲン
死没 1992年3月27日(満94歳没)
ノルウェーの旗 ノルウェー ホルダラン県 ベルゲン
学歴 グリーグ音楽院
ジャンル クラシック音楽
職業 作曲家
指揮者

ハラール・シグール・ヨハン・セーヴェルーHarald Sigurd Johan Sæverud, 1897年4月17日1992年3月27日)は、ノルウェー作曲家指揮者としてしばしばベルゲン・フィルハーモニー管弦楽団に客演し、自作を上演した。9つの交響曲や大量のピアノ曲を残している。

生涯[編集]

生い立ちと初期[編集]

ベルゲン出身。基礎教育をベルゲン・グリーグ音楽院で修め、ライプツィヒに学んだ作曲家ボルクヒルト・ホルムセンらに師事した。この間にいくつかの大規模な《交響的幻想曲》に着手するが、これらはその後《交響曲 第1番》へと発展した。そのうち《幻想曲 第1番》は1919年に完成し、翌1920年にクリスチャニア(現オスロ)で上演された。破格の才能が発揮されたこの作品によって奨学金を受け、ベルリン高等音楽学校で2年間フリードリヒ・コッホに師事することができた。ベルリン時代に交響曲第1番の終楽章となる部分を完成させ、この新作部分は、友人ルドヴィク・モヴィンケルの指揮により、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団によって初演されている。批評はセーヴェルーの交響曲にいたって好意的で、この結果セーヴェルーは交響曲や管弦楽曲への興味をさらに伸ばすことができた。

1922年にベルゲンに帰郷し、若干の例外はあるものの、生涯この地を離れなかった。最初期の作品は後期ロマン派様式に彩られていたが、後に個人様式を発展させ、ハイドンモーツァルトに啓発された古典的な音楽形式に依拠するようになった。しかしセーヴェルーの「新古典主義音楽」は、不協和で表情激越な表現主義音楽にしばしば近い。

ベルゲン時代[編集]

米国生まれのマリー・フフォスレーヴと1930年代に結婚し、ベルゲンの町外れに大きな新居を構えて1939年に家族でそこに移った。今やセーヴェルーは自然に親しむようになり、そこから作品に影響と霊感を受けるようになり、より国民楽派的で「より若々しい」作風へと切り替わった。1940年ナチス・ドイツがノルウェーを侵寇する。この頃からセーヴェルーの作品は、占領軍に対する武器と化した。当時の主要な作品に、一連の戦争交響曲(《交響曲 第5番<幻想曲風に> Quasi una fantasia 》《交響曲 第6番<哀しみの交響曲> Sinfonia Dolorosa 》《交響曲 第7番<詩篇交響曲> Psalm 》)が挙げられる。またこの時期には、ナチスへの直接的な抵抗音楽《蜂起のバラード Kjempeviseslåtten 》(ピアノ版と管弦楽版の2種あり)も成立している。

これらの激しい作品とは対照的に、ノルウェーの景観や民謡に触発されて、多数のピアノのための抒情的小品も手がけているが、民謡そのものを借用することはしなかった。

戦後[編集]

第二次世界大戦後、セーヴェルーはノルウェー楽壇の長老として認められ、たくさんの作品が支持されるようになった。後期作品でとりわけ特筆すべきは、イプセンの戯曲『ペール・ギュント』への劇付随音楽1948年)や、《交響曲 第8番<ミネソタ> Minnesota 》(1958年)、《交響曲 第9番》(1966年)、バレエ音楽《青ひげ伯爵の悪夢》、ピアノ協奏曲ヴァイオリン協奏曲ファゴット協奏曲であろう。長い一生の終わりの20年間に、セーヴェルーはにわかに室内楽に興味を抱き、とりわけ3つの弦楽四重奏曲や2つの木管五重奏曲のような室内楽曲を手懸けた。

1992年に逝去すると、ベルゲンのグリーグ・ホールで葬儀が行われ、その模様はノルウェー国営放送によってテレビで放映された。

評価[編集]

ハラール・セーヴェルーは、ユーモラスでユニークな発言で知られていたが、一方で母親から憂鬱な一面を引き継いでいると自覚していた。「私の作品は恐ろしく物悲しい。ひどく物悲しいのです」と自ら語っている。作品も独特であり、指揮者ジョン・バルビローリは、「セーヴェルーの作品が好きであろうとなかろうと、それを作曲したのが誰なのかは疑問の余地がないし、このような作曲家はこんにち滅多にいるものではない」と語っている。

栄誉・褒章[編集]

セーヴェルーは、ノルウェー楽壇ならびにヨーロッパ楽壇における立場から、数々の栄誉を手にした。1955年から亡くなるまでノルウェー政府より芸術家年金を給付され、1957年にはベルゲン音楽協会「ハルモニーエン」の名誉会員に選ばれ、記念の金メダルを授与されている。また同年には、ノルウェー王室聖オラフ勲章を授与され騎士の称号を得ており、それから20年後には司令官の称号を与えられた。1979年にノルウェー文化委員会名誉賞を授与されている。またスウェーデンフィンランドユーゴスラヴィアイギリスからも授賞されている。

文献[編集]

  • Jozef Robijns, Miep Zijlstra: Algemene muziekencyclopedie, Haarlem: De Haan, (1979)-1984, ISBN 978-90-228-4930-9
  • Harald Herresthal: Norwegische Musik von den Anfängen bis zur Gegenwart, 2. Ausgabe, Oslo: Norsk Musikforlag, 1987, 120 p., ISBN 978-82-7093-064-7
  • Bjeirn Li: Harald Sæverud, Oslo: Aventura 1986. 132 S.
  • Else Fiskerstrand: Harald Sæverud's klaververker. Om form, tonalitet, melodier og harmonier, Norsk Musikktidsskrift. 20 (1983), S. 23-27 u. 29-42.
  • Else Fiskerstrand: Harald Saeverud's "Revebjolle", Norsk Musikktidsskrift. 19 (1982), S. 92-98.
  • Øistein Sommerfeldt: Harald Sæverud, Musikrevy. 36 (1981), S. 77-79.
  • Nils Grinde: Contemporary Norwegian music 1920-1980, Oslo: Universitetsforlaget, 1981
  • Nils Grinde: Norsk Musikkhistorie : Hovedlinjer i norsk musikkliv gjennom 1000 ar, Oslo: Universitetsforlaget, 1981, 417 p.
  • Bjarne Kortsen: Contemporary Norwegian music - A bibliography and discography, Bergen: Kortsen, Bjarne, 1980
  • Bjarne Kortsen: Contemporary Norwegian piano music, Bergen, Norway: Bjarne Kortsen, 1976
  • Kjell Baekkelund: Norske komponister, Tiden Norsk Forlag, 1977
  • Contemporary Norwegian orchestral and chamber music : supplement I, September 1972 by The Society of Norwegian Composers Oslo: [1972]
  • Gösta Morin, Carl-Allan Moberg, Einar Sundström: Sohlmans musiklexikon - 2. rev. och utvidgade uppl., Stockholm: Sohlman Förlag, 1975-1979, 5 v.
  • Stewart Gordon: A History of Keyboard Literature. Music for the Piano and its Forerunners, New York: Schirmer Books, 1996, 566 p., ISBN 978-0-534-25197-0
  • Brian Morton, Pamela Collins: Contemporary composers, Chicago: St. James Press, 1992, 1019 p., ISBN 1-55862-085-0
  • David M. Cummings, Dennis K. McIntire: International who's who in music and musician's directory - (in the classical and light classical fields), Twelfth edition 1990/91, Cambridge, England: International Who's Who in Music, 1991. 1096 p., ISBN 0-948875-20-8
  • John H. Yoell: The nordic sound : explorations into the music of Denmark, Norway, Sweden, Boston: Crescendo Publishing Co., (1974), viii, 264 p.
  • Paul Frank, Burchard Bulling, Florian Noetzel, Helmut Rosner: Kurzgefasstes Tonkünstler Lexikon - Zweiter Teil: Ergänzungen und Erweiterungen seit 1937, 15. Aufl., Wilhelmshaven: Heinrichshofen, Band 1: A-K. 1974. ISBN 3-7959-0083-2; Band 2: L-Z. 1976. ISBN 3-7959-0087-5