テングザル

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テングザル
テングザル
テングザル(オス) Nasalis larvatus
保全状況評価[注釈 1][a 1][a 2]
ENDANGERED
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
Status iucn3.1 EN.svgワシントン条約附属書I
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
: サル目 Primates
: オナガザル科 Cercopithecidae
亜科 : コロブス亜科 Colobinae
: テングザル属 Nasalis
E. Geoffroy, 1812
: テングザル N. larvatus
学名
Nasalis larvatus (Wurmb, 1787)
和名
テングザル
英名
Proboscis monkey

Nasalis larvatus range map.png

テングザル(天狗猿、Nasalis larvatus)は、哺乳綱サル目(霊長目)オナガザル科テングザル属に分類されるサル。本種のみでテングザル属を形成する。特定動物

分布[編集]

インドネシアブルネイマレーシアボルネオ島固有種[1][2][3]

形態[編集]

体長オス73-76センチメートル、メス61-64センチメートル[2]。尾長オス66-67センチメートル、メス55-62センチメートル[2]体重オス21.2キログラム、メス10キログラム[2]。胴体の毛衣は赤褐色、頬や尻、四肢、尾の毛衣は淡灰色[1]

指趾の間には水かきがある[2]。鼻は長く伸びる[2]

オスの成獣の鼻は特に大型で長い[2]。属名Nasalisはラテン語で「鼻」、種小名larvatusは「仮面をつけた」の意[1]

生態[編集]

マングローブ林湿地林、河辺林などに生息する[2]。樹上棲。1頭のオスとメスからなる小規模な群れを形成して生活する[2]。薄明薄暮時に小規模な群れ同士が集合し、約80頭の群れを形成することもある[2]。群れの結びつきは弱く、雌雄ともに群れから群れへ行き来する[2]泳ぎは上手く、驚くと樹上から水面に跳びこむ(地上15メートルの樹上から水面に飛びこんだ例もある)こともある[2]

食性は植物食で、マンゴローブの若などを食べるが[2]、果実も食べる[3]。 また霊長類としては唯一、反芻行動が確認されている。[4]

繁殖形態は胎生。妊娠期間は約166日[2]。1回に1頭の幼獣を産む。授乳期間は約7か月[2]

人間との関係[編集]

伐採や農地開発、森林火災、エビの養殖池への転用、金採掘などによる生息地の破壊、および河辺林の分断、狩猟などにより生息数は激減している[2][3]。生息地では狩猟・捕獲が禁止されている[3]

画像[編集]

脚注[編集]

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  1. ^ 種および亜種単位でのIUCNレッドデータのランクは全てEndangered

参考文献[編集]

  1. ^ a b c 岩本光雄「サルの分類名(その3:コロブスモンキー、ラングールなど)」『霊長類研究』vol.3 No.1、日本霊長類学会、1987年、61、67頁。
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p 小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著 『動物世界遺産 レッド・データ・アニマルズ5 東南アジアの島々』、講談社2000年、18-19、127頁。
  3. ^ a b c d 村井勅裕 「マレーシア・サバ州のテングザルの調査と保護」『霊長類研究』vol.20 No.2、日本霊長類学会、2004年、129-132頁。
  4. ^ Matsuda I, Murai T, Clauss M, Yamada T, Tuuga A, Bernard H, Higashi S.Regurgitation and remastication in the foregut-fermenting proboscis monkey(Nasalis larvatus). Biol Lett. 2011 Mar 30. 外部リンクも参照のこと

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

  1. ^ CITES homepage
  2. ^ The IUCN Red List of Threatened Species
    • Meijaard, E., Nijman, V. & Supriatna, J. 2008. Nasalis larvatus. In: IUCN 2013. IUCN Red List of Threatened Species. Version 2013.1.