ダディ・ロング・レッグズ (ミュージカル)

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作曲 ポール・ゴードン英語版
作詞 ポール・ゴードン
脚本 ジョン・ケアード
設定 20世紀初頭のニューイングランド
原作 ジーン・ウェブスター作『あしながおじさん
初演 2009年10月17日 – ルビコン・シアター/ベンチュラ (カリフォルニア州)
上演 2009年 ベンチュラ
2010年 USツアー
2012年 ウェスト・エンド・シアター
2012年 日本 (シアタークリエほか)
2013年 日本 
2013年 カナダ
2014年 日本 
2015年 オフ・ブロードウェイ
2016年 韓国
2017年 日本
2019年 オーストラリア
2019年 イギリス (新キャスト版)
2020年 日本
2022年 日本
ウェブサイト http://www.daddylonglegsmusical.com/
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ダディ・ロング・レッグスは、 ジョン・ケアード脚本、 ポール・ゴードン英語版音楽によるミュージカルジーン・ウェブスターによる1912年同名小説(あしながおじさん)を原作とする。

主人公の少女ジルーシャの手紙による書簡体=一人称視点で書かれた原作を、ジルーシャと、ジルーシャの手紙の宛先であるジャーヴィスとの二人芝居形式に翻案している[1]

制作経緯[編集]

1998年、新作ミュージカルの題材を探していたジョン・ケアードに、妻である今井麻緒子が、原著 “Daddy-Long-Legs” を紹介したことが始まりである[2]

日本では『あしながおじさん』として親しまれてきたこの小説は、現代の英語圏では知名度が低く、ケアードもその存在を知らなかったが、一読して魅了され、原著にはほとんど直接的描写のないジャーヴィスというキャラクターを創り上げて、二人芝居によるミュージカル作品に仕上げた。

2007年のワークショップで誕生したこの作品は、各地で再演を重ね、2015年12月10日には、ブロードウェイ・オフブロードウェイ史上初のライブストリーミング上演を無料で行った。主催者発表によれば、135か国で150,055人がライブ視聴した[3]。このアーカイブは演劇配信サービス「BroadwayHD」で視聴可能。

キャスト・スタッフ[編集]

美術・衣装はディヴィッド・ファーリー。

ジルーシャ役は初演から2017年までミーガン・マクギニス英語版がつとめた。

ジャーヴィス役は、初演でロバート・エーデルマン・ハンコック、2015年9月のダベンポート・シアター(Davenport Theatre)公演ではポール・アレクサンダー・ノーランが演じ、同年11月から2017年までは、私生活ではマクギニスの夫であるアダム・ハルピンが演じた[4]

日本での公演[編集]

日本版タイトルは『ダディ・ロング・レッグズ ~足ながおじさんより~』。 あしなが育英会が公演協力している。

  • 2012年(日本初演):東京(シアタークリエ)、新潟、大分、大阪、福岡
  • 2013年(アンコール公演):東京(シアタークリエ)
  • 2014年:東京(シアタークリエ)、大阪、福岡、名古屋
  • 2017年:東京(シアタークリエ)、福岡、兵庫、愛知
  • 2020年:東京(シアタークリエ)、大阪、福岡(中止)、名古屋、東京(シアター1010東京建物 Brillia HALLに変更)[注釈 1]
2020年公演の一環として、9月5日(初日翌日)に「配信限定トーク&ソングイベント」をイープラス運営の有料ストリーミング・サービス「Streaming+」にて配信[6][7][8]
  • 2022年:東京(シアター1010)、大阪

日本版キャスト[編集]

坂本真綾は本作の演技で2012年の菊田一夫演劇賞を受賞[10]

上白石萌音は本作と舞台『千と千尋の神隠し』の演技で第30回読売演劇大賞最優秀女優賞を受賞。[11]

日本版スタッフ[編集]

  • 製作:東宝
  • 翻訳・訳詞:今井麻緒子
  • 音楽監督:山口琇也
  • 照明:中川隆一
  • 音響:本間俊哉
  • 舞台監督:宇佐美雅人/津田光正(2014年公演のみ)
  • 演出助手:末永千寿子
  • プロデューサー:小嶋麻倫子

ミュージカルナンバー[編集]

第1幕[編集]

  • 一番年上のみなし児 - The Oldest Orphan in the John Grier Home
  • この人は誰? - Who Is This Man?
  • ミスター女の子嫌い -Mr. Girl Hater
  • 年寄り - She Thinks I'm Old
  • 他の子のように - Like Other Girls
  • 第一学年 - Freshman Year Studies *1
  • 知らなかったこと - Things I Didn't Know
  • 彼女の愛とは? - What Does She Mean By Love?
  • ヤな子 - I'm a Beast
  • いつ会おう? - When Shall We Meet?
  • あなたの目の色 - The Color of Your Eyes
  • 他の子たちとは (リプライズ) - Like Other Girls (Reprise)
  • ロックウィロー - Lockwillow *2
  • 幸せの秘密 - The Secret of Happiness
  • あなたの目の色 (リプライズ1) - The Color of Your Eyes (Reprise1)

第2幕[編集]

  • 第二学年 - Sophomore Year StudiesStones *1
  • ショーウィンドウの女の子 - The Girl in the Window *3
  • 世界で一番わからない人 - I Couldn't Know Someone Less
  • なり得ない男 - The Man I'll Never Be
  • 幸せの秘密 (リプライズ1) - The Secret of Happiness (Reprise1) *4
  • 煮え湯 - Humble Pie *5
  • 卒業式- Graduation Day *6
  • チャリティー - Charity
  • 心を引き裂いた - I Have Torn You From My Heart
  • 卒業式- Graduation Day (Reprise) *7
  • あなたの目の色 (リプライズ2) - The Color of Your Eyes (Reprise2)
  • 幸せの秘密 (リプライズ2) - The Secret of Happiness (Reprise2)
  • ヤな奴 (リプライズ) - I'm A Beast (Reprise)
  • いつも - All This Time

2014年の日本版スタジオ録音盤による。

*1 収録なし
*2 2017年上演[12]以降はカット
*3 2017年上演以降は「マイ・マンハッタン - My Manhattan」に差し替え
*4 2020年上演ではこの後に「社交界の中のみなし児(リプライズ) - Christmas inManhattan」を追加
*5 2020年上演ではこの後に「第四学生 - Senior Year」を追加
*6 2017年上演以降は歌詞やメロデイーが異なる
*7 2020年上演では「マイ・マンハッタン(リプライズ) - My Manhattan (Reprise)」に差し替え


脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 新型コロナウイルス感染拡大の影響により一部公演中止及び会場変更[5]。また、客席は市松状に間引いて販売された。

出典[編集]

  1. ^ 12/08/13 ミュージカル「ダディ・ロング・レッグズ」制作発表レポ (おけぴ管理人の観劇感激レポ)”. 2020年9月10日閲覧。
  2. ^ ジーン・ウェブスター 著、今井麻緒子 訳『あしながおじさん』ピアソン・ジャパン株式会社、2014年3月1日。ISBN 978-4-907421-00-7 
  3. ^ How many people watched the Daddy Long Legs livestream? Full statistics REVEALED! (Updated 2018).”. https://www.theproducersperspective.com/. The Producer's Perspective (2015年12月22日). 2020年7月2日閲覧。
  4. ^ A Fine Showmance: Why Daddy Long Legs' Megan McGinnis and Husband, Adam Halpin, Were Destined To Be Co-Stars | Playbill”. http://www.playbill.com/news. Playbill (2015年12月4日). 2020年7月2日閲覧。
  5. ^ シアタークリエ ミュージカル『ダディ・ロング・レッグズ ~足ながおじさんより~』全国公演”. 2020年7月10日閲覧。
  6. ^ 9/5(土)配信限定トーク&ソングイベント実施決定!”. 2020年9月5日閲覧。
  7. ^ “3年ぶり待望上演「足ながおじさん」題材ミュージカル。井上芳雄「このような時期だからふさわしい”. TOKYO HEADLINE. (2020年9月3日). https://www.tokyoheadline.com/512592/ 2020年9月5日閲覧。 
  8. ^ 久しぶりの演技 やっぱり役者って面白い(井上芳雄)- 井上芳雄 エンタメ通信 第77回|エンタメ!|NIKKEI STYLE”. 日本経済新聞社・日経BP社 (2020年9月19日). 2020年11月15日閲覧。
  9. ^ “第1子出産の坂本真綾、2012年より出演のミュージカル『ダディ・ロング・レッグズ』ジルーシャ役を辞退 上白石萌音が担当「しっかりと引き継げるよう…」”. ORICON NEWS (oricon ME). (2022年5月12日). https://www.oricon.co.jp/news/2234385/full/ 2022年5月12日閲覧。 
  10. ^ 第38回菊田一夫演劇賞発表”. 2020年7月2日閲覧。
  11. ^ “上白石萌音「第30回読売演劇大賞」最優秀女優賞に輝く 坂本昌行ら受賞者・受賞作発表”. モデルプレス (ネットネイティブ). (2023年2月2日). https://mdpr.jp/news/detail/3582877 2023年2月2日閲覧。 
  12. ^ 「足ながおじさん」が本当に救ったのは? - 井上芳雄 エンタメ通信 第9回|エンタメ!|NIKKEI STYLE”. 日本経済新聞社・日経BP社 (2017年11月4日). 2020年7月2日閲覧。

外部リンク[編集]