ズルフィカル級フリゲート

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ズルフィカル級フリゲート
F-22P PNS Zulfiquar.JPG
艦級概観
艦種 フリゲート
建造者 中華人民共和国の旗 中国・滬東造船廠
パキスタンの旗 パキスタン・カラチ造船所
運用者  パキスタン海軍
就役期間 2009年 - 現在
性能要目
排水量 満載: 3,144 t
全長 123 m
全幅 13.4 m
吃水 6 m
機関 CODAD方式 (33,300 hp; 24.5MW)、2軸推進
18E-390VAディーゼル(計14,000 hp) 2基
MTU ディーゼル(8,840 hp) 2基
最大速力 29 kt
航続距離 5,000nmi
乗員 士官14名+曹士188名
兵装 AK-176M 76mm単装速射砲 1基
730B型 30mm CIWS 2基
FM-90 PDMS 8連装発射機 1基
C-802 SSM 4連装発射筒 2基
87式対潜ロケット6連装発射機 2基
3連装324mm短魚雷発射管 2基
艦載機 Z-9C 哨戒ヘリコプター 1機
C4I ZKJ-3C 戦術情報処理装置
レーダー 517H-1型 2次元対空捜索
360型 低空警戒/対水上捜索
345型(MR-35)PDMS射撃指揮 1基
352型(Square Tie)SSM+砲射撃指揮 1基
347G型(EFR-1/Rice Lamp)CIWS射撃指揮 2基
RM-1290(Racal Decca)航海レーダー
ソナー SJD-7 船底装備式
電子戦 981-3型 ECM

ズルフィカル級フリゲート (Zulfiquar class frigate)は、パキスタン海軍フリゲート。同級の艦名がすべてイスラム圏での伝説の名剣の名称であることからスウォード級(Sword class)とも呼ばれる。開発は中国が担当しており、中国側の呼称はF-22P型である。

概要[編集]

本級は、多くの面で、中国海軍の第1世代汎用フリゲートであった053H3型フリゲート (江衛-II型フリゲート) の近代化改良型であり、搭載する装備の多くが踏襲されている。[1] ただし船体設計は大きく改良されており、700トン以上大型化することで、原型艦で問題となっていた航洋性能を改善するとともに、ステルス性に配慮して設計しなおしている。 本級のうち、最初の3隻は中国において建造されたのちにパキスタンに回航されて就役することとなっており、2009年7月には1番艦が就役し、残る2隻も上海で建造され、2010年9月までに就役した。一方、最終4番艦については、中国の技術支援のもとでパキスタンにおいて建造されることとなっており、2009年3月より建造を開始している。また、2007年5月には、本級をさらに4隻調達する可能性が言及されたが、追加分はより大型で強力な兵装を有する054A型フリゲートにより取って代わられる可能性もある[1]

兵装[編集]

76mm 単装速射砲

本級が搭載する武器システムは、おおむね053H3型と同様であり、ZKJ-3C戦術情報処理装置を中核にシステム艦として構築されている。

ただし、主砲は054A型フリゲート同様、ステルス性を考慮したシールドを採用したロシア製のAK-176M 76mm単装速射砲に、CIWSもより先進的な730B型30mmCIWSに換装されており、近接防空力が強化されている。

対潜兵装も中国艦艇が標準的に搭載している87式対潜ロケットに加え、欧米艦艇に採用されている3連装324mm短魚雷発射管が搭載されている。なお、発射されるのは中国製のET52C短魚雷だが、これは西側で標準的なMk.46 短魚雷A244-S短魚雷をもとに開発された[1]

ソナーおよびレーダーはいずれも053H3型と同じ機種であるが、このうち、個艦防空の中核的センサーとなる低空警戒/対水上捜索用の360型レーダー、また本級の有する唯一の対潜センサーであるSJD-7ソナーは、それぞれイタリア及びフランスで製造の機種の中国版である。

また、本級とともに、艦載機であるZ-9C 哨戒ヘリコプターも輸出されているが、これは、中国製哨戒ヘリコプターとしては初の輸出事案となった[1]


同型艦
艦名 艦番号 起工 進水 就役
ズルフィカル
(Zulfiquar)
251 2006年10月12日 2008年4月5日[2] 2009年9月19日
シャムシール
(Shamsheer)
252 2007年7月13日 2008年10月31日[3] 2009年12月19日
サイーフ
(Saif)
253 2008年11月4日 2009年5月28日 2010年9月15日[4]
アスラト
(Aslat)[5]
254 2009年12月10日 2011年6月16日 2013年(予定)

派生型[編集]

F-22B型
2010年4月バングラデシュ海軍は、本級をもとにしたフリゲート2隻を中国に発注することを発表した。このフリゲートはF-22B型と呼ばれており、諸元上、ほぼ本級と同等である。予算は200万ドルである。
中国漁政310
中華人民共和国農業部漁業局(BOF)が運用する漁業取締船巡視船。本級の設計をもとにしているが、大幅に軽武装化されている[6]

参考文献[編集]

  1. ^ a b c d rglc85tj8h (2009年7月14日). “F-22Pフリゲイト(ズルフィカル級)” (日本語). 2009年9月5日閲覧。
  2. ^ Wendell Minnick (2008年4月10日). “Pakistan Gets New Chinese Frigate”. DefenseNews. 2008年10月21日閲覧。
  3. ^ Building of second Frigate for PN starts in China”. AFP (2008年11月2日). 2008年6月11日閲覧。
  4. ^ 3rd F-22P Frigate commissioned”. Daily Times (2008年9月16日). 2012年9月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年10月20日閲覧。
  5. ^ |title=Steel-cutting ceremony of first F22P Frigate held
  6. ^ 陸易「中国のコースト・ガード組織はどうなっているのか? (特集 中国の海洋力)」、『世界の艦船』第747号、海人社、2011年9月、 90-95頁、 NAID 40018930938

関連項目[編集]