スラヴ軍団

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スラヴ軍団
シリア内戦に参加
本部 香港
活動地域 デリゾール県
兵力 267人(2013年10月)
関連勢力
敵対勢力
戦闘 シリア内戦
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スラヴ軍団英語: Slavonic Corps)は、香港に拠点を置いていた民間軍事会社(PMC)。スラヴォニッチ軍団とも呼ばれる。

概要[編集]

民間警備会社「モラン・セキュリティ・グループ」の構成員ヴァディム・グセフとエフゲニー・シドロフの2人[1]によってロシアでは非合法な事業であったため、香港で登録されたロシア系PMCの先駆けである[2]

所属メンバーはSOBRVDVスペツナズなどに所属していた経験があり、その多くはタジキスタン内戦第二次チェチェン紛争での従軍経験を持っていた[3]

2013年、ベイルートに到着したスラヴ軍団は、最初にダマスカス、そしてラタキアシリア軍基地に移送、デリゾール県の油田を守れと指令を受けた。しかし約束されたT-72の代わりに隊員は金属板で覆われたバスを提供され、デリゾール県に向かう途中でシリア空軍のヘリコプターに遭遇し、送電線に衝突してキャラバンに突っ込み、請負業者の1人が負傷したなどというアクション映画めいた事態に遭遇した[4]

他に、アル=スクナ英語版でシリア軍を強化せよと命令され、そのシリア軍と任務を遂行、シリア軍の自走砲と戦闘機からの航空支援の助けを借りて、かなり有利な状況でジャイシュ・アル=イスラム英語版の戦闘員から人質を奪還しようとするが、作戦中に6人の隊員が負傷、目的達成に失敗したメンバーはモスクワに戻りヴヌーコヴォ国際空港に到着すると待っていたのはFSB(ロシア連邦保安庁)だった。メンバーは傭兵として行動した容疑で拘束され、ロシア刑法第359条に基づき処罰されることとなった、同社が香港に登録されていたにもかかわらず、代表者のグセフとシドロフも2014年10月に起訴され、有罪判決を受けた[3][1]

出典[編集]

  1. ^ a b Проект "Мясорубка". Рассказывают три командира "ЧВК Вагнера"”. Radio Liberty. 2020年10月25日閲覧。
  2. ^ Registration Document”. Hong Kong Companies. 2020年10月25日閲覧。
  3. ^ a b Last battle of the Slavic Corps”. Fontanka (2013年11月14日). 2020年10月25日閲覧。
  4. ^ The Insane Story of Russian Mercenaries Fighting for the Syrian Regime”. Huffington Post (2013年11月21日). 2020年11月17日閲覧。

関連項目[編集]