シトリックス・システムズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索

シトリックス・システムズ (Citrix Systems, Inc.NASDAQ: CTXS)は、米国フロリダ州フォートローダーデールに本拠を置く情報テクノロジー企業である。米国のほか、ヨーロッパ南米アジアオセアニアアフリカなどにも事業を拡大している。元々はソフトウェアメーカーで、2004年のNet6の買収によってネットワーク機器の製造・販売も行うようになった。

代表的な製品は、サーバー仮想化用の製品『Citrix XenServer』、アプリケーションのリモート配信用ミドルウェア製品『Citrix XenApp』、デスクトップ仮想化用の製品『Citrix XenDesktop』および、Webアプリケーション高速化用ネットワーク機器製品『Citrix NetScaler』がある。Xenという名前よりも旧名称のMetaFrame(メタフレーム)がよく知られている。

歴史[編集]

創立期[編集]

エド・ヤコブッチを中心とした、IBMOS/2の開発を行っていたソフトウェア開発者達によって、1989年に創立された。ヤコブッチはIBMでOS/2の開発を行うにあたり、UNIXのようなマルチユーザーOSを作りたいと考えていた。ところが、IBMがOS/2のマルチユーザー化に興味を示さず、このことが、ヤコブッチがIBMを退職して会社を立ち上げることに繋がった。

本拠地のあるフロリダは柑橘類の産地であり、創立直後はシトラス(Citrus)と名乗っていた。しかし、既に同名で商標登録された会社が存在していたことから、CitrusとUNIXを合わせてシトリックス(Citrix)の名称に変更した。

シトリックスの最初の製品は、ヤコブッチの念願だったマルチユーザー化されたOS/2であり、「Citrix MULTIUSER」と命名された。この時OS/2のソースコードは、IBMからではなくマイクロソフトからライセンス供給された。Citrix MULTIUSERの狙いは、テキストベースのOS/2アプリケーションを、1台のサーバから複数のユーザーに同時に使わせることによってUNIXの市場の一角に食い込むことにあった。しかし、Citrix MULTIUSERは技術的には一部で高い評価はえられたものの、市場のニーズは存在せず、商業的には失敗作に終わった。

Citrix MULTIUSERの商業的失敗を受け、シトリックスは顧客ニーズの調査に力を入れ、DOSアプリケーションやWindows 3.1アプリケーションであれば、リモートアクセスのニーズがあると判断した。こうして1993年に発表された「WinView」は、OS/2をベースとしながらも、DOSアプリケーションやWindows 3.1アプリケーションをもマルチユーザー環境で使えるようになっており、シトリックス最初の商業的成功となった。

さらにこのあと、マイクロソフトからWindows NTのソースコードのライセンス供給を受け、Windows NT 3.51をマルチユーザー化した「WinFrame」を1995年に発表した。WinFrameはマイクロソフトからWindows NT 3.51のライセンス供給を受け、Windows NT 3.51をマルチユーザーに改変したうえで、完全に1つのOSとして出荷されていた。つまり、マイクロソフトからOSを購入しなくても、サーバハードウェアとWinFrameだけで動作した。

Windows2000や2003やXPで動作するリモートデスクトップ、ターミナルサービスは同社の技術をベースとしている。ちなみにWinFrameの15年後の子孫にあたる現在のCitrix XenAppは、マイクロソフトのOSに追加インストールするミドルウェア的な位置づけになっている。

株式公開[編集]

1995年12月にシトリックスは株式公開を行った。株式価格は公開後一日で倍になった。

株式公開当時の製品WinFrameは、Microsoft Windows NT 3.51をベースにしており、ちょうどWindows NTが企業でのソフトウェアマーケットシェアを拡大し始めたタイミングと重なったことで、WinFrameも大いに市場に受け入れられ、これが株式価格の上昇に繋がった。これは、シトリックス創立直後の製品MULTIUSERが、それ自体がマーケットに受け入れられなかったOS/2をベースにしていたことで失敗したことと対照的である。

公開の時点で、株式の30%は従業員によって保持されていた。株式を保持していた多くの従業員達は、保有株を売却することで多額の利益を得ることとなった。