サントリーホールサマーフェスティバル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

サントリーホールサマーフェスティバル(Suntory Hall Summer Festival)は、サントリー芸術財団1987年から毎年開催している、現代音楽を紹介するコンサートシリーズ[1]。2017年までは「サントリー芸術財団サマーフェスティバル」という名称であった[2]

概要[編集]

1986年10月に開館したサントリーホールは、翌1987年から「サマースペシャル」と銘打ったコンサートシリーズを開始した[1]。初回は子ども向けの音楽や邦楽名曲などのプログラムであったが、1989年には財団創設20周年記念コンサートとして「20世紀の音楽名曲選」を行った。翌年からは20世紀の音楽を10年ずつ区切って紹介するプログラムを実施し[3]、1992年からは「サマーフェスティバル」と名称を変えた[1]

1994年からは毎年1人の作曲家に焦点を当て、シュニトケベリオリゲティクセナキスヘンツェの作品を取り上げている[4]。1999年の財団創設30周年記念コンサートでは、「「作曲家の個展」委嘱作品特集」として、池辺晋一郎細川俊夫松村禎三石井眞木林光西村朗武満徹湯浅譲二一柳慧の作品を取り上げ、また海外の潮流として中国の音楽を紹介した[1]

2001年からは毎年テーマ作曲家を定め、その作曲家に因む作品を中心にプログラム組むようになった。2001年はシェーンベルクストラヴィンスキー、2002年はジョン・ケージメシアン、2003年はプロコフィエフがテーマ作曲家であったが、2004年からは「サントリーホール国際作曲委嘱シリーズ」をフェスティバルの中に組み込み、テーマ作曲家に作品を委嘱している[5]。2009年の財団創設40周年記念コンサートでは、細川俊夫のオペラ『班女』を上演した[1]。2013年から新企画「プロデューサー・シリーズ」を始め、その年のプログラムをプロデューサーとなった作曲家や評論家などが組み立てている。また2013年から芥川作曲賞の選考演奏会も、フェスティバルの中で行われるようになった[6]

プロデューサー・シリーズ[編集]

2013年から開始されたプロデューサーシリーズのプロデューサーは次の通り[1]

脚注[編集]

  1. ^ a b c d e f サマーフェスティバル 音楽事業 サントリー芸術財団”. サントリー. 2022年8月26日閲覧。
  2. ^ 『サントリーホールサマーフェスティバル2022 プログラム』サントリーホール、2022年8月21日、2頁。 
  3. ^ 長木誠司 ; 竹原伸治「サントリー音楽財団コンサート サマースペシャル1990 20世紀の音楽-ふたつの10年史 1901-1910 vs. 1946-1955」『音楽現代』48(10), 1990.10, p5-7,
  4. ^ 水野みか子, 楢崎洋子「今世紀の名曲から世界の最新作まで--サントリー音楽財団コンサート・サマーフェスティバル1994より」『音楽芸術』52(10), 1994.10 p84-88
  5. ^ サントリーホール国際作曲委嘱シリーズの歴史と成果 音楽創造の場として 世界とのつながり Global Projects サントリーホール”. サントリーホール. 2022年8月26日閲覧。
  6. ^ http://jonathanmoore.com | @newezra, Style Hatch- https://stylehatch.com/ | @stylehatch / Jonathan Moore-. “サマーフェスティバル2013”. サマーフェスティバル2013. 2022年8月26日閲覧。
  7. ^ サントリーホール サマーフェスティバル2018”. サントリーホール. 2022年8月27日閲覧。
  8. ^ サントリーホール サマーフェスティバル2019”. サントリーホール. 2022年8月27日閲覧。
  9. ^ サントリーホール サマーフェスティバル 2020”. サントリーホール. 2022年8月27日閲覧。
  10. ^ サントリーホール サマーフェスティバル 2021”. サントリーホール. 2022年8月27日閲覧。
  11. ^ サントリーホール サマーフェスティバル 2022”. サントリーホール. 2022年8月27日閲覧。
  12. ^ ザ・プロデューサー・シリーズ 三輪眞弘がひらく|サントリーホール サマーフェスティバル 2023”. サントリーホール. 2023年5月16日閲覧。

外部リンク[編集]