コルシカ島の祈り

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Corsican Litany - Stadtkapelle Klagenfurtによる演奏。Stadtkapelle Klagenfurt公式YouTube。
ヴォチェロの情景。Prete Galletti

コルシカ島の祈り英語: Corsican Litany)は、ヴァーツラフ・ネリベルの作曲した吹奏楽曲

概要[編集]

世界の多くの地域と同様、コルシカ島でも葬送の場で悲しみを表すための歌が存在していた。この作品は、そのような場で歌われたヴォチェロイタリア語: voceroコルシカ語ではvoceru)と呼ばれる哀歌を題材とし、1775年にマテユ(mateju)という名の医者のために歌われたヴォチェロを取り上げている[1]。原曲が生まれてから200年後にあたる1975年に作曲され、1976年に出版された。

楽器編成[編集]

編成表
木管 金管
Fl. 2, Picc. Crnt. 3 Cb.
Ob. 1 Hr. 4 Timp. 1
Fg. 2 Tbn. 3 チューブラーベルゴングシンバルトムトムスネアドラムテナードラムバスドラム
Cl. 3, E♭, Alto, Bass, C-Alto, C-Bass Bar. 1
Sax. Alt. 2 Ten. 1 Bar. 1Tub.1

楽曲[編集]

ト短調、エスプレッシーヴォ、3/4拍子。演奏時間は7分程度。鐘(チューブラーベル)の音に導かれてクラリネット群が陰鬱な旋律を奏して始まり[1]、低音楽器の動機がそれに応える。この組み合わせが何度も繰り返され、打楽器のリズムを挟み、音域を広げながら音量を増していく。

クレッシェンドの頂点においてアレグロ・マルカート、4/4拍子に転じ、低音の動機が前面に出る。それが静まると再びクラリネット族の合奏から盛り上がり、打楽器とコルネットのファンファーレが「復讐の誓い」を象徴する[1]クライマックスを築く。

出典[編集]

  1. ^ a b c “note”. Václav Nelhýbel: Corsican Litany. Bourne Co. (1976) 

外部リンク[編集]