グリーゼ49

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グリーゼ49
Gliese 49
星座 カシオペヤ座
見かけの等級 (mv) 9.55[1]
分類 赤色矮星
位置
元期:J2000.0
赤経 (RA, α)  01h 02m 38.86799s[2]
赤緯 (Dec, δ) +62° 20′ 42.1728″[2]
視線速度 (Rv) −5.974±0.0011 km/s[2]
固有運動 (μ) 赤経: +731.135 ミリ秒/[2]
赤緯: +90.690 ミリ秒/年[2]
年周視差 (π) 101.4238 ± 0.0169ミリ秒[3]
(誤差0%)
距離 32.158 ± 0.005 光年[注 1]
(9.86 ± 0.002 パーセク[注 1]
軌道要素と性質
惑星の数 1
物理的性質
半径 0.511±0.018 R[4]
質量 0.515±0.019 M[4]
表面重力 4.69±0.07 cgs[4]
自転速度 <2 km/s[4]
自転周期 18.86+0.10
−0.09
[4]
スペクトル分類 M1.5V[4]
光度 0.04938±0.00090 L[4]
有効温度 (Teff) 3805±51 K[4]
金属量[Fe/H] +0.13±0.16[4]
他のカタログでの名称
BD+61°195GJ 49、HIP 4872、LTT 10363[5]
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グリーゼ49とは、カシオペヤ座に位置する恒星である。視覚的には、明るい恒星であるカシオペヤ座ガンマ星の北106分角の位置にある。見かけの等級は9.56であり[4]、肉眼で観測することは不可能である。ガイア視差データ(101.47±0.03 mas)によると、太陽系から32.1光年離れた位置に存在する。グリーゼ49は視線速度−6 km/sで太陽に接近している[2]

この恒星はスペクトル分類がM1.5Vの赤色矮星である[4]。太陽よりもはるかに暗い恒星であり、光度は太陽の4.9%を持っている[4][6]。ただし、プロキシマ・ケンタウリウォルフ359等の近くに存在する他の赤色矮星よりは、はるかに明るい。有効温度は3805±51ケルビンである。太陽質量の52%、太陽半径の51%を持っている[4]

自転速度は2km/s以下と予測されており、自転周期は18.86日である。太陽と同様の金属含有量を持ち、金属量は[M / H] = +0.03である[7]。年齢は正確にはわかっていないが、2億5000万年未満である[要出典]

グリーゼ49は、閃光星の赤色矮星であるカシオペヤ座V388星と同様の固有運動を持っている。グリーゼ49とカシオペヤ座V388星の視覚的な間隔は295秒角である。これは、この2つの恒星の距離が2,900天文単位を超えていることを意味する。両方の恒星は、その若い年齢と彩層活動レベルにより、ヒアデス星団に関連付けられていることを示唆している[8]

惑星系[編集]

1つの既知の太陽系外惑星がグリーゼ49の周囲を公転していることが発見されている。グリーゼ49bは、ドップラー分光法によって検出されたスーパー・アース惑星である[4]

グリーゼ49の惑星
名称
(恒星に近い順)
質量 軌道長半径
天文単位
公転周期
()
軌道離心率 軌道傾斜角 半径
b 5.63+0.67
−0.68
 M
0.0905 ± 0.0011 13.8508+0.0053
−0.0051
0.363+0.099
−0.096

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ a b パーセクは1 ÷ 年周視差(秒)より計算、光年は1÷年周視差(秒)×3.2615638より計算

出典[編集]

  1. ^ Anderson, E.; Francis, Ch. (2012), “XHIP: An extended hipparcos compilation”, Astronomy Letters 38 (5): 331, arXiv:1108.4971, Bibcode2012AstL...38..331A, doi:10.1134/S1063773712050015. 
  2. ^ a b c d e f Brown, A. G. A.; et al. (Gaia collaboration) (August 2018). "Gaia Data Release 2: Summary of the contents and survey properties". Astronomy & Astrophysics. 616. A1. arXiv:1804.09365. Bibcode:2018A&A...616A...1G. doi:10.1051/0004-6361/201833051 Gaia DR2 record for this source at VizieR.
  3. ^ Brown, A. G. A. (2021). “Gaia Early Data Release 3: Summary of the contents and survey properties”. Astronomy & Astrophysics 649: A1. arXiv:2012.01533. Bibcode2021A&A...649A...1G. doi:10.1051/0004-6361/202039657. 
  4. ^ a b c d e f g h i j k l m n Perger, M. et al. (April 2019). “Gliese 49: Activity evolution and detection of a super-Earth”. Astronomy & Astrophysics 624: 19. arXiv:1903.04808. Bibcode2019A&A...624A.123P. doi:10.1051/0004-6361/201935192. ISSN 0004-6361. A123. 
  5. ^ "GJ 49". SIMBAD. Centre de données astronomiques de Strasbourg. 2019年12月16日閲覧
  6. ^ Morales, J. C. et al. (2008). “The effect of activity on stellar temperatures and radii”. アストロノミー・アンド・アストロフィジックス 478 (2): 507–512. arXiv:0711.3523. Bibcode2008A&A...478..507M. doi:10.1051/0004-6361:20078324. 
  7. ^ Houdebine, E. R. (2010). “Observation and modelling of main-sequence star chromospheres – XIV. Rotation of dM1 stars”. 王立天文学会月報 407 (3): 1657–1673. Bibcode2010MNRAS.407.1657H. doi:10.1111/j.1365-2966.2010.16827.x. 
  8. ^ Makarov, V. V. et al. (2008). “Common Proper Motion Companions to Nearby Stars: Ages and Evolution”. アストロフィジカルジャーナル 687 (1): 566–578. arXiv:0808.3414. Bibcode2008ApJ...687..566M. doi:10.1086/591638.