クリミア盾章

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クリミア盾章
Krimschild
大ドイツ国による賞
種別盾章
対象戦役第二次世界大戦
状態廃止
歴史・統計
創設1942年7月25日
最新(最後)
の授与
1943年10月
総授与数約250,000

クリミア盾章ドイツ語: Krimschild)は、ナチス・ドイツの袖用盾章である。その授与数は発行された盾章の中でも最多の約250,000個となっていた。

概要[編集]

背景[編集]

独ソ戦勃発後、ドイツ国防軍陸軍南方軍集団1941年秋から1942年夏にかけ、クリミア半島占領をめぐってソビエト赤軍との激しい戦闘を繰り返していた。1942年7月4日セヴァストポリ包囲戦をもって半島占領に成功したドイツ軍を称えるため、アドルフ・ヒトラーは、勝利に多大な貢献をしたエーリヒ・フォン・マンシュタイン陸軍元帥率いる第11軍の将兵全員を対象に盾章を贈呈することにした。そこで制定されたのがこのクリミア盾章である。

デザイン[編集]

盾章上部に国家鷲章が配置され、右翼の下部にクリミア争奪戦が勃発した年である「1941」が、左翼の下部に終結した年である「1942」の数字が刻まれている。背景にはクリミア半島が描かれており、クリミアのドイツ語表記である「KRIM」が書かれている。

受章資格[編集]

受章には以下の戦闘の内1つ以上に参戦していることが求められた。

それ以外に、

  • 戦闘中の負傷
  • クリミア半島で3か月以上従軍した場合

にも授与された。

ドイツ軍人のみならず、ルーマニア軍人も授与対象とされた。

佩用[編集]

クリミア盾章を佩用するマンシュタイン(右)。奥はハンス・シュパイデル

クリミア盾章は軍服の左袖に裏布とともに縫い付けられたが、美しさを求め、盾章のみをピンで直接左袖に留めて佩用する者もいた。

盾章の裏布は所属組織によって色が異なっていた。