カンゲルルススアーク

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カンゲルルススアーク近隣の氷河
カンゲルルススアークの位置(グリーンランド内)
カンゲルルススアーク
グリーンランド内の位置

カンゲルルススアーク(Kangerlussuaq)は、グリーンランド南西部のケカッタ自治体の村。カンゲルルススアークとはグリーンランド語で「大きなフィヨルド」の意味。ここはグリーンランドの主要な航空輸送のハブであり、グリーンランド最大の商業空港がある。空港は、第二次世界大戦中および戦後のアメリカ人の開拓地であり、その場所はブルーイーウエスト-8、そしてゾンドストローム空軍基地として知られていた。 カンゲルルススアーク地域には、マスコクセンカリブーシロハヤブサなど、グリーンランドで最も多様な陸上動物が生息している。集落の経済と人口は499人で、ほぼ完全に空港と観光産業に依存している。

歴史[編集]

カンゲルルススアークの歴史は1941年にフィヨルド東部に定住地が作られたことに始まる。これは、第二次世界大戦の影響で、グリーンランドにアメリカ軍が進駐するのに伴い、軍事基地・飛行場として作られたものである。カンゲルルススアークはヨーロッパへの中継点の一つとして用いられた。戦争後の1950年に飛行場はデンマークの管理になったものの、冷戦の開始に伴い1951年にはアメリカ軍の管理下に戻っている。冷戦期間中は、早期警戒拠点および補給拠点として用いられたが、冷戦終結後には必要性が減じていた。1992年9月30日に飛行場はグリーンランド自治政府の管轄になっている。

概要[編集]

カンゲルススアーク空港

カンゲルルススアークは、グリーンランドにおける大型ジェット旅客機が就航できるカンゲルルススアーク空港がある町として、交通の拠点となっている。エア・グリーンランドヌークを初めとするグリーンランド地域内のほか、コペンハーゲンまで週6便運航している。ニューヨーク空軍州兵の第109輸送航空団もこの空港を利用しており、グリーンランド各所の研究拠点への支援輸送を行っている。

カンゲルルススアークの人口は約500人。空港および観光産業で成り立っている。

気候[編集]

カンゲルルススアーク, 1961-1990の気候
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
平均最高気温 °C°F −14.7
(5.5)
−15.5
(4.1)
−11.2
(11.8)
−2.5
(27.5)
7.9
(46.2)
14.0
(57.2)
16.5
(61.7)
14.2
(57.6)
7.9
(46.2)
−1.5
(29.3)
−7.5
(18.5)
−12.1
(10.2)
−0.37
(31.32)
日平均気温 °C°F −19.7
(−3.5)
−21.0
(−5.8)
−17.5
(0.5)
−8.4
(16.9)
2.3
(36.1)
8.4
(47.1)
10.7
(51.3)
8.5
(47.3)
3.1
(37.6)
−6.0
(21.2)
−12.0
(10.4)
−16.9
(1.6)
−5.71
(21.73)
平均最低気温 °C°F −24.4
(−11.9)
−25.6
(−14.1)
−22.1
(−7.8)
−12.9
(8.8)
−1.7
(28.9)
3.9
(39)
5.7
(42.3)
4.0
(39.2)
−0.5
(31.1)
−9.4
(15.1)
−16.3
(2.7)
−21.8
(−7.2)
−10.09
(13.84)
降水量 mm (inch) 6
(0.24)
4
(0.16)
4
(0.16)
7
(0.28)
7
(0.28)
13
(0.51)
22
(0.87)
28
(1.1)
18
(0.71)
13
(0.51)
12
(0.47)
6
(0.24)
140
(5.53)
出典:NOAA

座標: 北緯67度0分31秒 西経50度41分21秒 / 北緯67.00861度 西経50.68917度 / 67.00861; -50.68917