カワメンタイ

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カワメンタイ
Trüsche Walchensee.jpg
保全状況評価
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
Status iucn3.1 LC.svg
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
: タラ目 Gadiformes
: カワメンタイ科 Lotidae
: カワメンタイ属 Lota
Oken, 1817
: カワメンタイ L. lota
学名
Lota lota
(Linnaeus, 1758)
和名
カワメンタイ ( 川明太 )
英名
Burbot
イラスト

カワメンタイ(Lota lota)はタラ目唯一の淡水魚。カワメンタイ属(Lota)は単型である。

語源[編集]

属名・種小名lota古フランス語で本種を意味する"lotte"に由来する[1]。英名"burbot"はラテン語の"barba"(髭)に由来する[2]ティクターリクという化石魚類がいるが、この名はイヌクティトゥット語イヌピアック語で本種を意味する"Tiktaalik"に由来する。

形態[編集]

最大で全長152cm・34kgの記録があるが、通常40cm程度。体型はウナギやナマズに似るが、顎髭が1本であることで容易に区別できる[2]。体は側扁するが頭部は縦扁し、鼻孔には1本の管状突起がある。口は幅広く、両顎には多数の細かい歯が並ぶ[3]

第一背鰭は9-16軟条で短いが、第二背鰭は67-85軟条で長く、第一の6倍以上の長さになる。臀鰭は58-84軟条で第二背鰭と同じくらいの長さ。尾鰭は40軟条で丸く、胸鰭は17-22軟条で扇形。腹鰭は6-8軟条で細く、第二軟条が伸びる。底生で遊泳力が低く、鰭が体に比べて小さいため急流には耐えられない。非常に小さい円鱗を持つため、鱗からの年齢推定は難しい[3][4]

体色は黄色から褐色で、暗褐色から黒の斑点がある[4]

分布[編集]

40°N以北に周極分布し、ユーラシアではブリテン諸島からチュクチ半島、北アメリカではスワード半島からニューブランズウィック州の淡水域で見られる。五大湖にも生息し、特にエリー湖でよく見られる。近年の遺伝子解析によると、地域ごとに複数の種・亜種に分けられる可能性があり[3]、シベリア・北米の個体群はLota maculosaとされることもある[4]

英国[編集]

英国では1970年代から記録がなく、絶滅したと考えられる[5]。もし生き残りがいるとすれば、ケンブリッジシャーヨークシャー(特にダーウェント川ウーズ川)の可能性が高い[6]。再導入の試みもあるが成功していない。

生態[編集]

水温の低い大河・湖・溜池に生息する。夏にはサーモクラインの下で見られ、スペリオル湖では300m以深に生息する[3]底生魚で、餌を探すため泥から礫まで様々な底質に進出する[7]薄明薄暮性であり、成魚は日中、水底に掘った巣穴の中にいる[3]。冬には繁殖のため浅瀬に移動する[3]

生活史[編集]

幼生

スペリオル湖の調査では、性成熟は1歳・全長25cm程度から始まり、5歳・40cmに達する頃には全個体が成熟することが分かった[8]。水面が氷に覆われる12-3月に、水温1-4℃の砂礫底[7]で産卵する。1回の産卵は2-3週で終わるため、年に複数回産卵することもある[3]

産卵用の巣は作らない。産卵時には水底から浮上し、1-2匹の雌に多数の雄が群がり、雌雄同時に産卵・放精を行なって卵を撒き散らす[9]。体のサイズに依存するが、雌は1回の産卵で63,000-3,477,699個の卵を産む。卵は大きな油滴を持ち、直径1mmで至適水温は1-7℃[3]。沈下性で、水底の穴や亀裂に落ち着く。卵の発生は水温に影響されるが、30-128日で孵化する[9]

孵化した幼生は浮遊性で、12℃以上の水温には耐えられない[9]。稚魚になると夜行性となり、日中は物陰に潜むようになる。急速に成長し、晩秋には11-12cmになる[3]。2年目には10cmほど成長する。成魚になると完全な底生生活に移行する[8]

寿命は10-15年[10]。成長率・寿命は水温に大きく影響される[3]

[編集]

孵化から1か月ほどで摂餌を始める。幼生期・稚魚期には体サイズに見合った餌を食べ、1cm以下ではカイアシミジンコ、1-2cmでは動物性プランクトン端脚類を食べる。成魚は魚食性で、ヤツメウナギコレゴヌス ( Coregonus ) ・カワヒメマス ( Grayling ) ・ノーザンパイクサッカー科トゲウオマスパーチなどを食べる[3]

人との関連[編集]

漁業[編集]

食用となり、フィンランドでは卵がキャビアとして流通する。調理することでアメリカンロブスターに似た食味となることから"poor man's lobster"と呼ばれることもある。

釣り[編集]

スペリオル湖、Batchawana Bayで釣れた本種

貪欲な捕食者であるためルアーで釣ることもできる。だがこの食性から、移入された場合には在来種に打撃を与えることがある。近年、グリーン川 (ユタ州)フレーミング峡谷貯水池に移入された本種がベニザケの卵やブラウントラウトを捕食し、個体数を減らしていることが分かった。そのためユタ州では、釣り上げたカワメンタイは湖に戻さない("No Release" "Catch and Kill")ことを推奨している[11]

毎冬リーチ湖の辺では、"International Eelpout Festival"が開催される[12]

保護[編集]

深みに生息すること、氷の下で繁殖することから個体数調査は難しい。分布域は広いが、多くの個体群が危機に瀕している。商業的に重要な魚種ではないため保護は遅れており、水質汚染・ダム建設・移入種などの影響を受けている。全く保護対策が取られていない地域もある[13]

出典[編集]

  1. ^ http://www.cnrtl.fr/etymologie/lotte
  2. ^ a b http://www.dnr.state.mn.us/volunteer/janfeb00/burbot_profile.html
  3. ^ a b c d e f g h i j k https://research.idfg.idaho.gov/Fisheries%20Research%20Reports/Res03-33McPhail2000%20Burbot%20Biology%20and%20Life%20History.pdf
  4. ^ a b c Froese, Rainer, and Daniel Pauly, eds. (2006). "Lota lota" in FishBase. April 2006 version.
  5. ^ Burbot Reserch UK
  6. ^ Gofishing
  7. ^ a b http://www.michigandnr.com/PUBLICATIONS/PDFS/ifr/ifrlibra/special/reports/sr37/SR37_app02_pp108_thru_119.pdf
  8. ^ a b Merryll M. Bailey, Age, Growth, Reproduction, and Food of the Burbot, Lota lota (Linnaeus), in Southwestern Lake Superior, doi:10.1577/1548-8659(1972)101<667:AGRAFO>2.0.CO;2 
  9. ^ a b c http://nhguide.dbs.umt.edu/index.php?c=fish&m=desc&id=6
  10. ^ Lota lota Burbot
  11. ^ http://www.ksl.com/?nid=148&sid=11968637&hl=6
  12. ^ "Annual International Eelpout Festival." Annual International Eelpout Festival. 26 April 2008. 29 May 2008 [1]
  13. ^ Worldwide status of burbot and conservation measures, doi:10.1111/j.1467-2979.2009.00340.x