ミジンコ

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ミジンコ(微塵子、水蚤)は、水中でプランクトンとして生活する、微小な甲殻類である。以下の様なものがミジンコと呼ばれている。

  1. 鰓脚綱枝角目(ミジンコ目)のもの
  2. 貝形虫亜綱ミオドコーパ目のもの:カイミジンコ
  3. カイアシ亜綱のもの:ケンミジンコ
  4. 枝角目(ミジンコ目)ミジンコ科の1種

この項では、4.について扱う。ミジンコ類全般についてはミジンコ目を参照のこと。なお、上記1.から3.の見分け方は以下の通り。

  • ミジンコ:丸っこい体・両腕を広げている・卵を担いでいる・バタフライで泳ぐ(左右の腕を同時に振っている)
  • ケンミジンコ:細長い体・長い触角・卵のうをぶら下げている・犬かきで泳ぐ(腹面に細かい脚)
  • カイミジンコ:二枚貝の外見・はい回れる脚・自由形で泳ぐ(両腕を交互に掻いている)

ミジンコ(狭義)[編集]

ミジンコ
Daphnia pulex.png
ミジンコ Daphnia pulex
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
亜門 : 甲殻亜門 Crustacea
: 鰓脚綱 Branchiopoda
亜綱 : 葉脚亜綱 Phyllopoda
: 双殻目 Diplostraca
亜目 : 枝角亜目 Cladocera
下目 : 異脚下目 Anomopoda
: ミジンコ科 Daphniidae
: ミジンコ属 Daphnia
: ミジンコ D.pulex
学名
Daphnia pulex
(Leydig, 1860)
和名
ミジンコ
英名
water flea

ミジンコ (Daphnia pulex)は、鰓脚(さいきゃく)綱 双殻目 枝角亜目 異脚下目 ミジンコ科 ミジンコ属に属する淡水性の甲殻類である。

特徴[編集]

中型種で体長1.5-3.5mm。体は頭部を除き二枚貝のような背甲に覆われ、横から見るとひよこのような形をしている。背甲の下に卵を抱えて孵化まで保育する。ミジンコ目全体の特徴でもあるが、ミジンコに見られる大きな眼は、横から見ると左右あるように思えるが、実際は一つ目である。正面から見ると一つ目のお化けのように見える。

頭部にははっきりした吻があり、その下にある第1触角は吻端に達しない。体を覆う甲は広卵形で、後方の縁には細かな棘が並ぶ。後端にある棘状突起は甲羅の長さの4分の1以下、時にはないこともある。

生息環境[編集]

世界的に分布する。日本でも全土に分布、浅い池沼に生息する。

生態[編集]

ミジンコには、自分とおなじクローンしか産まない単為生殖期と、交配して子孫を残す有性生殖期がある。一般的に、通常(環境の良いとき)はメスを産み、生存危機が迫ったときにだけオスを産んで交配するといわれている。また、エサや水温、日照時間の変化により、休眠卵とよばれる卵を作り、有性生殖期には雌雄による受精卵を作ることもある。

ゲノム解読[編集]

ミジンコはDNAのサイズは約2億塩基対と小さいのに、タンパク質を作る遺伝子は少なくとも約3万900個と、これまでゲノムが解読された動物の中で最も多いことが判明している。東京薬科大学やアメリカインディアナ州立大学などの研究によれば、ミジンコの遺伝子は3万1000個以上にのぼり、ヒトよりも8000個も多い[1]

日本に生息する個体に関する知見の変遷[編集]

  • 1926年以前 Daphnia morsei として分類され日本の固有種と考えられていた。
  • 1926年 上野益三により Daphnia pulex と修正。
  • 2015年 東北大学の研究グループにより日本各地で捕獲した Daphnia pulex のミトコンドリアDNAと核DNAの分析結果から、北米産の日本には生息していない別種 Daphnia pulicaria との雑種個体で、300年から7000年前に北米から侵入した4個体のメスに由来すると発表[2]。同時に、侵入ルートや、単為生殖で繁殖したクローンであるため遺伝的多様性が低いにも係わらず個体群を維持できた理由は不明であるとしている。なお、別に、「単為生殖を続ける個体群は有害遺伝子の蓄積により数千年で集団としての寿命が尽きる」との研究があることから、このままの単為生殖を続けた場合 Daphnia pulexの個体群は有害遺伝子の蓄積や病気による消滅の可能性を指摘している[2]

利用[編集]

容易に飼育できる特性を利用して様々な利用がされている。

脚注[編集]

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  1. ^ ミジンコの遺伝子、ヒトを8000個上回る インディアナ大など AFP通信 AFPBB News 記事:2011年02月09日
  2. ^ a b ミジンコはたった4個体を起源とする北米からの帰化種だった ―日本に生息する生物の意外な由来― 東北大学 プレスリリース 2015年4月7日
  3. ^ ミジンコの利用に関する二, 三の実験 水産増殖 Vol.17 (1969-1970) No.1 P19-25
  4. ^ 農薬の水生動物に対する毒性試験法の確立 Journal of Pesticide Science Vol.6 (1981) No.2 P257-264
  5. ^ 化学物質の安全性試験と生態系への影響評価 Journal of Pesticide Science Vol.25 (2000) No.4 P431-434

参考文献[編集]

  • 水野壽彦、『日本淡水プランクトン図鑑』 保育社、1964年。
  • 岡田要他 『新日本動物図鑑』 北隆館、1976年。p.449

関連項目[編集]

外部リンク[編集]