オードナンス QF 20ポンド砲

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オードナンス QF 20ポンド砲を装備したFV4101 チャリオティア。後期生産型の砲は排煙器を装備する。

オードナンス QF 20 ポンド砲(または20 ポンダーまたは20ポンド砲)は、イギリス軍の 84 mm[1]戦車砲である。


概要[編集]

20ポンド砲の砲弾
HE(榴弾)

1948年に17ポンド砲の後継として制式採用された。Mk.Iはカウンターウェイト、Mk.IIはエバキュエーターを装着している。英国センチュリオン Mk.3~Mk.8FV4101 チャリオティアに搭載された他、スイスのPz-58戦車の先行製作型にも装備された[2]

砲身長は66.7口径で、弾種はAPCBC-T(仮帽付被帽付徹甲弾)・APDS-T(装弾筒付徹甲弾)・榴弾キャニスター弾が選べる。装甲貫徹力は射距離1,000mで撃角0度の場合、APCBC-T(砲口初速1,020m/s)は210mm、APDS-T(砲口初速1,465m/s)は287mmだった。ただし欧州での戦車戦(交戦距離1,200m以内)を想定していたため、センチュリオン Mk.5を導入したイスラエルでは遠距離での命中精度が問題視された。

オードナンス QF 20ポンド砲と他の兵器の性能比較表
均質装甲を射撃した結果
兵器名称。 砲口初速。単位m/s 貫通性能。単位㎜
20-Pounder (Mk.3 APDS) 1,465 287 (弾着角90°。射程1,000 m)[3]
85 mm D-48 (BR-372 HVAP) 1,040 185 (弾着角90°。射程1,000 m)[4]
8.8 cm PaK 43 (PzGr.40/43 APCR) 1,130 241 (弾着角90°。射程1,000 m)[5]
90 mm M3 (M304 HVAP) 1,021 230 (弾着角90°。射程914.4 m)[6]
90 mm T15E2 / 90mm T54 (HVAP) 1,143 196 (弾着角60°。射程914.4 m)[7]
種々相違する測定方法が使われているため、これらのデータは直接比較できないが、武器の相対的な性能の実例を示したもの。

また、1954年に登場して各国へ広まった51口径105mmライフル砲L7は、本砲の砲身口径を削肉拡張して開発されている[8]

脚注[編集]

  1. ^ Pugh, p.34; the gun is specified as 83.4 mm(3.283") here, while Ogorkiewiecz states the weapon was 83.8 mm.
  2. ^ *Ford, Roger (1997). The World's Great Tanks from 1916 to the present day. Brown Packaging Books Ltd. p. 121. ISBN 1-897884-29-X. 
  3. ^ WAR MACHINE REPORT No.11, ARGO NAUTS, 2009
  4. ^ http://legion.wplus.net/guide/army/ar/d48.shtml
  5. ^ Ian V. Hogg, German Artillery of World War II, Arms & Armour Press, 1978
  6. ^ Ian V. Hogg, Tank Killers, Pan Books, 1997
  7. ^ R.P. Hunnicutt, Sherman: A History of the American Medium Tank, Presidio Press, 1978
  8. ^ Ogorkiewicz, p. 70.

出典[編集]

  • Dunstan, Simon. Centurion Universal Tank 1943-2003, Oxford: Osprey Publishing, 2003. ISBN 1-84176-387-X.
  • Ogorkiewicz, Richard. Technology of Tanks, London: Jane's Information Group, Ltd., 1991. ISBN 0-7106-0595-1.
  • Pugh, Stevenson (1962). Fighting Vehicles and Weapons of the Modern British Army. Macdonald & Co. (Publishers), Ltd. 

関連項目[編集]