アルコFA

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アルコFA
CNR DL 6789 2006.jpg
カナディアン・ナショナル鉄道で使用されたFPA-4。
(カナダのモンティチェロ鉄道博物館にて)
動力方式 電気式ディーゼル
製造所 車体:アメリカン・ロコモティブ(アルコ)
電装品:ゼネラル・エレクトリック(GE)
モントリオール・ロコモティブ・ワークス
形式 FA-1、FB-1、FA-2、FB-2、FPA-2、FPB-2、FCA-3、FPA-4、FPB-4
製造日 1946年1月 - 1959年5月
総製造数 1,354両
軸配置(アメリカ式) B-B
軌間 1,435 mm
全長 53フィート1インチ(16.18m)
機関車重量 24万3,000 - 25万5,000ポンド (110 - 116t)
燃料容量 1,200米国液量ガロン (4,500 l)
主動力 ALCO244型×1基
(FPA-4/FPB-4はMLW 251B型)
エンジン形式 4ストロークディーゼルエンジン (131,288cc)
気筒 V型12気筒
気筒寸法 9 in × 10.5 in (229 mm × 267 mm)
出力 1,500 - 1,800馬力(1,100 - 1,300 kW) / 1000 rpm
引張力 60,875 - 63,750重量ポンド
(283.57 - 270.79 kN)

アルコFAは、アメリカン・ロコモティブ(アルコ)が製造した車軸配置B-Bの貨物用電気式ディーゼル機関車のシリーズである。車体はアルコ、電装品はゼネラル・エレクトリック(GE)が担当し、ニューヨーク州スケネクタディ1946年から1959年にかけて製造された。

外見は同時期に製造されたアルコPAとほぼ同じで、キャブ・ユニットと呼ばれる箱形車体であり、片運転台のAユニットと運転台のないBユニットがある。デザインはGEのレイ・パテン(Ray Patten)による。

旅客列車牽引用に蒸気発生装置を搭載したFPA/FPBもラインナップされ、シリーズ合計で1,354両が製造された。アメリカ合衆国カナダメキシコで使用された。数両が動態保存されている。

概要[編集]

本シリーズのバリエーションは以下の通りである。

形式 設計名称 搭載エンジン 出力(馬力) 両数 製造期間
FA-1 DL-208,A,B 244 1500 412 1946/1-1950/10
FA-1 DL-208C 244 1600 21 1950/3-1950/6
FB-1 DL-209,A,B 244 1500 233 1946/1-1950/10
FB-1 DL-209C 244 1600 16 1950/3-1950/8
FA-2,FPA-2 DL-212,A 244 1600 395 1950/10-1956/6
FB-2,FPB-2 DL-213,A 244 1600 227 1950/10-1956/6
FPA-4 DL-218 251B 1800 36 1958/10-1959/5
FPB-4 DL-219 251B 1800 14 1958/10-1959/3

各形式の違いは、主として出力の増強によるものである。FPA-4/FPB-4は、アルコのカナダ子会社、モントリオール・ロコモティブ・ワークス(MLW)で製造された、カナダ向けの車両である。

多くの機器はPAと共通である。FA-1/FB-1とFA-2/FB-2との外観上の差異は、ラジエターシャッターの位置である。前者は車体後部にあり、後者は車体前部にある。これは、蒸気発生装置をラジエターの後部に搭載できるように設計変更されたためである。FPA-4/FPB-4は、そのラジエターが下部方向に拡大されている。FPA-4/FPB-4は高速旅客列車牽引に使用され、1990年代までVIA鉄道で使用された。

FAをPAとともに特徴づけるのは、長く直線的な前頭部に長方形のフィルターを備え、その中にヘッドライトを収めたスタイルである。スリット形状のグリル、運転席側窓から流線型に下部へとカーブした飾り帯も特徴的である。

PAも含め、デザインとしてはフェアバンクス・モースエリービルトの強い影響下にある。エリービルトはアルコのパートナーでもあるGEが製造したもので、前述のとおり、FAのデザインはそのGEのデザイナーであるレイ・パテンによる。そのため、多くの人が、エリービルトのデザインから直線を強調し、より力強い外観にしたものがFAのデザインとなったと信じている。

244型ディーゼルエンジンは信頼性に欠け、FAとPAでGM-EMDが席巻しているディーゼル機関車市場に割り込むことができなかった。GEとの協業が終了したのも、エンジンの信頼性の低さが原因であった。FPA-4/FPB-4で採用された新型の251型エンジンは大きく進化しており、信頼性も向上したが、時既に遅く、アルコが失ったシェアを奪い返すまでには至らなかった。251型エンジンが広く使用されるようになったころ、GEは自社で開発したU25Bでディーゼル機関車市場に乗り込んでいた。GEは機関車メーカーとしてアルコに取って代わり、アルコは1969年に市場から撤退することになった。

保存車両[編集]

20両ほどが、博物館や史学会で保存されている。いくつかの保存鉄道では動態で保存されている。グランド・キャニオン鉄道ナパ・バレー鉄道クヤホガ・バレー・シーニック鉄道はMLW製のFPA-4をVIA鉄道より購入し、2008年現在も運行している。

輸出車両[編集]

シカゴ・フレート・カー・リーシング・オーストラリアの保有するクラス44。

アルコの輸出用機関車として知られる1953年設計のDL500は、FA-2をベースとしている。最初の25両は244型エンジンを1,600馬力(1,200kW)で使用していた。その後、251B型エンジンを搭載し、1,800馬力(1,300kW)となったのはFAと同様である。台車は車軸配置C-Cを基本としていたが、B-BやA-1-A台車もオプションとして用意されていた。

DL500形は、1953年5月から1967年12月まで、アルコ、A.E.グッドウィン、MLWで合計369両が製造された。

アルゼンチンラテンアメリカロジスティック(All America Latina Logistica、ALL)ではいまでも使用されている。また、オーストラリアでは、A.E.グッドウィンがライセンス生産した車両が使用されたほか、2両がニュー・サウス・ウェールズ州営鉄道(New South Wales Government Railways)の標準軌でクラス44として[1]、片運転台・両運転台の車両が1600mmの広軌サウス・オーストラリア鉄道(South Australian Railways)のクラス930として使用された。[2]

ほかには、ギリシャインドパキスタンペルースペインでも使用された。

脚注[編集]

  1. ^ NSWRTM - 4490”. nswrtm.org. 2007年7月22日閲覧。
  2. ^ National Railway Museum - Port Adelaide - 930 class”. nationalrailmuseum.org.au. 2007年7月22日閲覧。

外部リンク[編集]

関連項目[編集]