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|和名 = イトマキエイ<ref>本村浩之 <!-- ''Mobula mobular''の標準和名として -->『日本産魚類全種目録 これまでに記録された日本産魚類全種の現在の標準和名と学名』、鹿児島大学総合研究博物館、2020年、16頁。</ref> |
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尾の付け根部分にエイ特有の[[針_(生物)#毒針|毒針]]があるが、[[アカエイ]]類や[[トビエイ]]類ほど大きくなく、[[毒|毒性]]もそれほどではない<ref name=fishbase>{{FishBase | genus = Mobula | species = mobular | year = 2024 | month = 1}}</ref>。 |
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外洋の表層を単独あるいは群れで遊泳する。主なえさは小魚や[[オキアミ]]などの[[プランクトン]]で、口を開けて海水ごと吸い込み、口の中の[[えら|鰓]]でこしとって食べる<ref name=Med/>。[[磯]]や、[[珊瑚礁]]の側にも寄ってきて、小魚たちに体表に付いた[[寄生虫]]やゴミなどを食べてもらったりもする。 |
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2024年1月25日 (木) 11:26時点における最新版
イトマキエイ | |||||||||||||||||||||
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イトマキエイ Mobula mobular
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保全状況評価[1][2] | |||||||||||||||||||||
ENDANGERED (IUCN Red List Ver.3.1 (2001)) | |||||||||||||||||||||
分類 | |||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||
Mobula mobular (Bonnaterre, 1788)[2] | |||||||||||||||||||||
シノニム[2] | |||||||||||||||||||||
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和名 | |||||||||||||||||||||
イトマキエイ[4] | |||||||||||||||||||||
英名 | |||||||||||||||||||||
Giant devil ray[2] Spinetail devilray[2] Spinetail devil ray[2] |
イトマキエイ(糸巻鱝[5]、学名: Mobula mobular)は、トビエイ目イトマキエイ科イトマキエイ属に分類されるエイ。
形態[編集]
体盤幅は3.5 m程で、近似種のオニイトマキエイに比べて小柄であり、口の脇にある鰭(頭鰭)も小さい。全般的にオニイトマキエイよりも体も尾も細く、尾はかなり長い。
尾の付け根部分にエイ特有の毒針があるが、アカエイ類やトビエイ類ほど大きくなく、毒性もそれほどではない[6]。
体盤幅5.2 mの個体の記録があるが[7]、おそらくオニイトマキエイの誤認[8]。イトマキエイ科では唯一尾棘を持つと言われる[8]。
分布と生息地[編集]
暖海性のエイで、日本では、千葉県以南の太平洋一帯に生息する。地中海に最も多く、東大西洋、アイルランド南西海岸沖、ポルトガル南部、太平洋中部および西部にも分布する[6]。地中海では、東部とアドリア海に多い[9]。レバント海で大規模な群れが観察されており、繁殖地である可能性がある[9]。
沖合から浅海まで生息し、水深数千mの深海でも見られる。通常小さな群れで見られるが、大規模な群れを形成することもある[2]。イタリア国立環境保護研究研究所が行ったバイオロギング調査では、ほとんどの時間は水深50 m以浅の表層で過ごし、時に水深600 - 700 mの深海へ潜ると分かった。20 - 29 °Cの温かい環境を好む[7]。他の観察では、本種は最大18尾の群れを作っていた。その観察では温かい海域を求め、季節とともに移動していることが示された[10]。
生態[編集]
外洋の表層を単独あるいは群れで遊泳する。主なえさは小魚やオキアミなどのプランクトンで、口を開けて海水ごと吸い込み、口の中の鰓でこしとって食べる[7]。磯や、珊瑚礁の側にも寄ってきて、小魚たちに体表に付いた寄生虫やゴミなどを食べてもらったりもする。
平均寿命は20年。卵胎生で、産仔数は1と、繁殖力が非常に低い[2]。今後60年間で個体数が少なくとも50%減少すると予測されている[2]。
人間との関係[編集]
食用とされたり、皮革が利用されることもある[2]。鰓板が漢方薬になると信じられていることもある[2]。
食用や薬用目的の漁業、漁業による混獲などにより、生息数は減少している[2]。繁殖力が低く、環境の変化に対し脆弱である。また混獲による死亡率も高い[11]。沿岸開発による幼魚の成育場所の破壊、海洋汚染、原油流出、船舶との衝突、気候変動などによる影響も懸念されている[2]。2017年にイトマキエイ属単位で、ワシントン条約附属書IIに掲載されている[1]。
MLBのタンパベイ・デビルレイズのデビルレイはイトマキエイのことである。これは本拠地のあるセントピーターズバーグが面しているフロリダ湾にイトマキエイが多く生息していることに由来する。但し、2008年シーズンよりチーム名はタンパベイ・レイズとなり、レイズは光線(Ray)という意味となった。
出典[編集]
- ^ a b UNEP (2021). Mobula mobular. The Species+ Website. Nairobi, Kenya. Compiled by UNEP-WCMC, Cambridge, UK. Available at: www.speciesplus.net. [Accessed 10/01/2021]
- ^ a b c d e f g h i j k l m Marshall, A.; Barreto, R.; Carlson, J.; Fernando, D.; Fordham, S.; Francis, M.P.; Herman, K.; Jabado, R.W. et al. (2020). “Mobula mobular”. IUCN Red List of Threatened Species 2020: e.T110847130A176550858. doi:10.2305/IUCN.UK.2020-3.RLTS.T110847130A176550858.en 2024年1月25日閲覧。.
- ^ “Appendices | CITES”. cites.org. 2022年1月14日閲覧。
- ^ 本村浩之 『日本産魚類全種目録 これまでに記録された日本産魚類全種の現在の標準和名と学名』、鹿児島大学総合研究博物館、2020年、16頁。
- ^ 松村明; 三省堂編修所 編「いとまきえい(糸巻鱝)」『大辞林 4.0』三省堂、2019年。
- ^ a b Froese, Rainer and Pauly, Daniel, eds. (2024). "Mobula mobular" in FishBase. 1 2024 version.
- ^ a b c Canese, S; Cardinali, A; Romeo, T; Giusti, M; Salvati, E; Angiolillo, M; Greco, S (2011-08-11). “Diving behavior of the giant devil fish in the Mediterranean Sea” (英語). Endangered Species Research 14 (2): 171–176. doi:10.3354/esr00349. ISSN 1863-5407.
- ^ a b Notarbartolo Di Sciara, Giuseppe; Stevens, Guy; Fernando, Daniel (2020). “The giant devil ray Mobula mobular (Bonnaterre, 1788) is not giant, but it is the only spinetail devil ray”. Marine Biodiversity Records 13. doi:10.1186/s41200-020-00187-0.
- ^ a b Mendez L., Bacquet A. and F. Briand. Guide of Mediterranean Skates and Rays (Mobula mobular) Oct. 2022.
- ^ Panigada, Simone; Donovan, Greg; Cañadas, Ana; Pierantonio, Nino; Lauriano, Giancarlo; Sciara, Giuseppe Notarbartolo di (2015-11-18). “The Devil We Don't Know: Investigating Habitat and Abundance of Endangered Giant Devil Rays in the North-Western Mediterranean Sea” (英語). PLOS ONE 10 (11): e0141189. Bibcode: 2015PLoSO..1041189N. doi:10.1371/journal.pone.0141189. ISSN 1932-6203. PMC 4651356. PMID 26580814 .
- ^ Mas, F.; Forselledo, R.; Domingo, A. (15 September 2015). “Mobulid ray by-catch in longline fisheries in the south-western Atlantic Ocean”. Marine and Freshwater Research 66 (9): 767–777. doi:10.1071/MF14180.