トビエイ目

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トビエイ目
Black sea fauna stingray 01.jpg
アカエイ科の一種 Common stingray
Dasyatis pastinaca
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 軟骨魚綱 Chondrichthyes
亜綱 : 板鰓亜綱 Elasmobranchii
: トビエイ目 Myliobatiformes
下位分類群
(本文参照)

トビエイ目 Myliobatiformes は、軟骨魚綱板鰓亜綱の下位分類群で、エイのグループのひとつ。3亜目10科27属183種を含む。

分類[編集]

本稿ではNelson (2006) の分類に従った。属名の後の括弧内の数字は種数。

Platyrhinoidei 亜目[編集]

ウチワザメ科[編集]

背中に多数の棘が並ぶ、ウチワザメ科の一種 Thornback guitarfish Platyrhinoidis triseriata

ウチワザメ科 Platyrhinidae は、ウチワザメ Platyrhina sinensis など2属3種を含む。体盤はハート形またはスペード形で、尾部は太く背鰭や尾鰭は顕著である。背や尾部に比較的大きな棘列を備える。

Zanobatoidei 亜目[編集]

Zanobatidae 科[編集]

Zanobatidaeは、Zanobatus 属のみでStriped panray Z. schoenleinii など2種を含む。形態はウチワザメ科に類似。

トビエイ亜目[編集]

トビエイ亜目 Myliobatoideiは、4上科に分かれる。ムツエラエイ科、ウスエイ科、ヒラタエイ科、ウロトリゴン科の分類は流動的である。

Hexatrygonoidea 上科[編集]

ムツエラエイ科[編集]

ムツエラエイ科 Hexatrygonidae にただ1種のみ所属するムツエラエイ Hexatrygon bickelli は、6対の鰓裂と5対の鰓弓を持つ特徴的なエイウスエイ属 Plesiobatis およびヒラタエイ属 Urolophus (Trygonoptera 属をシノニムとする)を本科に含める分類もある。

Urolophoidea 上科[編集]

ウスエイ科[編集]

ウスエイ科 Plesiobatidaeは、ウスエイ Plesiobatis daviesi 1種で構成される。水深780 m までの深海に生息し、全長2.7 mに達する大型のエイである。

ヒラタエイ科[編集]
ヒラタエイ科の一種 Banded stingaree Urolophus cruciatus

ヒラタエイ科 Urolophidaeは、ヒラタエイ Urolophus aurantiacus など2属24種が属する。尾鰭は顕著である。ウスエイを本科に含める場合もある。

Urotrygonoidea 上科[編集]

ウロトリゴン科[編集]
背景に溶け込んだYellow stingray Urobatis jamaicensis(ウロトリゴン科)

ウロトリゴン科 Urotrygonidaeは、2属16種。北米大陸周辺に生息するAmerican round stingray と呼ばれるエイの仲間。体盤は円形で、背鰭を欠く。尾部は長く尾鰭があり、毒棘を有する。Nelson (1994) の分類では、ヒラタエイ科に含まれていた。

Dasyatoidea 上科[編集]

アカエイ科[編集]

アカエイ科 Dasyatidaeは、トビエイ目最大の科で6属68種を有する。尾部は非常に長く、背鰭と尾鰭を欠く。毒棘を備える。一部の種は海水だけでなく淡水にも適応する。

ポタモトリゴン科[編集]
観賞魚として人気のある淡水エイ ポタモトリゴン・モトロ Potamotrygon motoro(ポタモトリゴン科)

ポタモトリゴン科 Potamotrygonidaeは、3属20種。アマゾン淡水エイなどとしても知られ、完全な淡水に適応する。体液中の尿素濃度は低く、腎臓ネフロンの構造も他の板鰓類とは大きく異なる。マダラエイ属 Taeniuraオトメエイ属 Himantura の一部の種が本科に含まれる可能性もある。Nelson (1994) の分類では、ポタモトリゴン亜科 Potamotrygoninae としてアカエイ科に含まれていた。

ツバクロエイ科[編集]
大西洋産のSpiny butterfly ray Gymnura altavela(ツバクロエイ科)は体盤幅4 mになる。

ツバクロエイ科 Gymnuridaeは、ツバクロエイ Gymnura japonica など2属11種。体盤幅が著しく長い。尾部は短く、尾鰭を欠く。毒棘を持つ。

トビエイ科[編集]
大きな群をつくるタイヘイヨウウシバナトビエイ Rhinoptera steindachneri(トビエイ科)

トビエイ科 Myliobatidae (鳶鱏、鳶鱝、鳶鰩、鳶海鷂魚)は、頭蓋の形状により3亜科に分けられ、7属37種が属する。小さな背鰭を持つ。尾部は細長く、尾鰭を欠く。1本ないし複数本の毒棘を持つ。胸鰭の先端は尖り、形状は三角形をしている。トビエイ亜科は4属20種で、頭蓋の全部は真っ直ぐに伸びる。ウシバナトビエイ亜科は1属7種で、頭蓋前部は陥没する。イトマキエイ亜科はエイ類中最大のオニイトマキエイ Manta birostris など2属10種で、頭蓋前端は平たく、2本の角のような頭鰭と呼ばれる特殊な鰭をもつ。

参考文献[編集]

  • Joseph S. Nelson, Fishes of the world, 4th edition: Wiley & Sons, Inc., 2006

関連項目[編集]

  1. ^ White, W.T., Furumitsu, K. & Yamaguchi, A. (2013): A New Species of Eagle Ray Aetobatus narutobiei from the Northwest Pacific: An Example of the Critical Role Taxonomy Plays in Fisheries and Ecological Sciences. PLoS ONE, 8 (12): e83785.