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'''エネルギー療法'''（エネルギーりょうほう、''Energy medicine''）は[[電気療法]]、[[磁気治療器|磁気療法]]、[[鍼治療]]、[[気功]]、[[手当て療法]]、遠隔ヒーリングなど、エネルギーを用いた[[代替医療|補完・代替医療]]の一分野である。エネルギーは科学的に存在が証明されるもの、非科学的なもの、伝統的概念がある。'''エネルギー医学'''（''Energy medicine''）、'''エネルギー医療'''（''Energy therapy''）とも呼ぶ。
'''エネルギー療法'''（エネルギーりょうほう、''Energy medicine''）は[[電気療法]]、[[磁気治療器|磁気療法]]、[[手当て療法]]、遠隔ヒーリングなど、エネルギーを用いた[[代替医療|補完・代替医療]]の一分野である。[[鍼治療]]、[[気功]]などの伝統医療も、エネルギー療法とされることがある。扱われる「エネルギー」は、科学的に存在が証明されるもの、非科学的なもの、伝統的概念がある。'''エネルギー医学'''（''Energy medicine''）、'''エネルギー医療'''（''Energy therapy''）とも呼ぶ。「[[手当て療法|手当て]]」、患者に接触しない「手かざし」、治療者が患者と同じ場所にいない「遠隔治療」などがある。[[ホメオパシー]]もエネルギー療法とされる場合がある。


「エネルギー療法（Energy medicine）」という語は、1980年代の非営利機関「国際サトルエネルギー＆エネルギー医学学会」<ref>[http://www.issseem.org/ International Society for the Study of Subtle Energies and Energy Medicine] </ref> 設立から使用され、各種の著作が発表されている<ref>イーデン『エネルギー・メディスン』</ref><ref>オシュマン『エネルギー医学の原理――その科学的根拠』</ref>。
「エネルギー療法（Energy medicine）」という語は、1980年代の非営利機関「国際サトルエネルギー＆エネルギー医学学会」<ref>[http://www.issseem.org/ International Society for the Study of Subtle Energies and Energy Medicine] </ref> 設立から使用され、各種の著作が発表されている<ref>イーデン『エネルギー・メディスン』</ref><ref>オシュマン『エネルギー医学の原理――その科学的根拠』</ref>。

治療者（ヒーラー）が患者にエネルギーを伝え、それによって患者にポジティブな変化をもたらすという主張は、[[疑似科学]]と非難されることも少なくない。エネルギー療法の初期の研究はあいまいなものであり、さらなる研究が必要であるが<ref name=Astin>{{Cite journal|title=The Efficacy of "Distant Healing: A Systematic Review of Randomized Trials|journal=Annals of Internal Medicine|year=2000|last=Astin|first=J.|author2=et. al|volume=132|issue=11|pages=903–910 | url=http://www.annals.org/content/132/11/903.abstract|pmid=10836918|doi=10.7326/0003-4819-132-11-200006060-00009}}</ref>
<ref name="Ernst 2001 88–92">{{Cite journal|url=http://www.mja.com.au/public/issues/174_02_150101/ernst/ernst.html#suba10 | journal=Medical Journal of Australia | title=A primer of complementary and alternative medicine commonly used by cancer patients | first=Edzard | last=Ernst | year=2001 | volume=174|issue=2 | pages=88–92|pmid=11245510}}</ref>、最近の研究では、臨床における有効性を示す証拠はないと結論付けている<ref name=Abbot>{{Cite journal | doi=10.1016/S0304-3959(00)00421-8 | last1=Abbot | title=Spiritual healing as a therapy for chronic pain: a randomized, clinical trial | first1=NC | last2=Harkness | first2=EF | last3=Stevinson | first3=C | last4=Marshall | first4=FP | last5=Conn | first5=DA | last6=Ernst | first6=E | author9=Abbot, NC, Harkness, EF, Stevinson, C, Marshall, FP, Conn, DA and Ernst, E. | journal=Pain | volume=91 | issue=1–2 | year=2001 | pages=79–89|pmid=11240080}}</ref><ref>{{cite journal | doi=10.1007/BF03040322 | author=Ernst E. | title=Distant healing—an update of a systematic review | journal=Wien Klin. Wochenschr. | volume=115 | issue=7–8 | date = 2003-04-30| pages=241–245 | url=http://www.springerlink.com/content/h852m82147632728/ | pmid=12778776| quote = Since the publication of our previous systematic review in 2000, several rigorous new studies have emerged. Collectively they shift the weight of the evidence against the notion that distant healing is more than a placebo.}}</ref>
<ref name=ernst2006>{{Cite journal |doi=10.1016/j.jpainsymman.2006.07.010 |title=Spiritual healing: more than meets the eye |author=Ernst E. |journal=J Pain Symptom Manage. |date=Nov 2006 |volume=32 |issue=5 |pages=393–5 |pmid=17085260 | url=http://www.jpsmjournal.com/article/S0885-3924(06)00524-0/fulltext}}</ref>
<ref name=Pittler>{{Cite journal | doi=10.1097/AJP.0b013e3181759231 | last1=Pittler | first1=MH | last2=Ernst | first2=E| author9=Pittler, MH.; Ernst, E. | title=Complementary Therapies for Neuropathic and Neuralgic Pain: Systematic Review | journal=Clinical Journal of Pain. | volume=24 | issue=8 | pages=731–733 | year=2008 | pmid=18806539}}</ref>
<ref name=TrickOrTreatment>{{Cite book| title=[[:en:Trick or Treatment|Trick or Treatment]] | year=2008 | publisher=Corgi | page=388 | author9=Singh, S. and Ernst, E.}}</ref><ref name="pmid18843720">{{Cite journal|author=So PS, Jiang Y, Qin Y |title=Touch therapies for pain relief in adults |journal=[[:en:Cochrane Database of Systematic Reviews (Online)|Cochrane Database of Systematic Reviews (Online)]] |volume= |issue=4 |pages=CD006535 |year=2008 |pmid=18843720 |doi=10.1002/14651858.CD006535.pub2 |url=http://onlinelibrary.wiley.com/o/cochrane/clsysrev/articles/CD006535/frame.html|editor1-last=So|editor1-first=Pui Shan}}</ref>


==電気療法・磁気療法==
==電気療法・磁気療法==
病気の治療に電気を使った記録は古代エジプトに遡る。磁力を使う治療はアフリカに古くからあり、古代から癒しや儀式の場として赤い鉄の鉱山が使われている。磁鉄鉱を治療に使った記録は古代エジプト、古代中国、古代ギリシャにも見られる<ref>オシュマン 2000年 p.5</ref>。現代に至って電気は「すべてのエネルギー・システムを繋ぎ合わせる橋のような働きをしている」<ref>イーデン 1998年 p.291</ref> と考えられている。
病気の治療に電気を使った記録は古代エジプトに遡る。磁力を使う治療はアフリカに古くからあり、古代から癒しや儀式の場として赤い鉄の鉱山が使われている。磁鉄鉱を治療に使った記録は古代エジプト、古代中国、古代ギリシャにも見られる<ref>オシュマン 2000年 p.5</ref>。エネルギー療法の著作を持つドナ・イーデンは、電気は「すべてのエネルギー・システムを繋ぎ合わせる橋のような働きをしている」と述べている<ref>イーデン 1998年 p.291</ref> 。


==鍼==
==鍼==
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==手当て療法==
==手当て療法==
[[新約聖書]]の[[マルコによる福音書]]に、信仰のある人は手当てによって病を癒すことが可能であると書かれ<ref>マルコによる福音書16章17-18節 「信じる人々には次のようなしるしが伴います。すなわち、わたしの名によって悪霊を追い出し、新しいことばを語り、蛇をもつかみ、たとい毒を飲んでも決して害を受けず、また、病人に手を置けば病人はいやされます。」</ref>、古代の[[中近東]]で一種のエネルギー療法が行われていたことを示す。また[[紀元前168年]]ごろとされる中国の[[馬王堆]]（まおうたい）3号墓から出土した[[帛書]]（はくしょ）には[[気功]]の図や[[経絡]]の走行図が含まれ、古代中国でもエネルギー療法が行われたことが立証されている<ref>ウィキペディア[[馬王堆]]</ref>。
[[新約聖書]]の[[マルコによる福音書]]に、信仰のある人は手当てによって病を癒すことが可能であると書かれ<ref>マルコによる福音書16章17-18節 「信じる人々には次のようなしるしが伴います。すなわち、わたしの名によって悪霊を追い出し、新しいことばを語り、蛇をもつかみ、たとい毒を飲んでも決して害を受けず、また、病人に手を置けば病人はいやされます。」</ref>、信仰療法をエネルギー療法としてとらえる場合、古代の[[中近東]]で一種のエネルギー療法が行われていたことを示す証拠であるとされる。
また[[紀元前168年]]ごろとされる中国の[[馬王堆]]（まおうたい）3号墓から出土した[[帛書]]（はくしょ）には[[気功]]の図や[[経絡]]の走行図が含まれる。気の概念をエネルギーとする立場では、これは古代中国でエネルギー療法がおこなわれた証拠であるとしている。


掌を当てるだけの[[手当て療法]]は世界に広く見られ、今日に至って[[セラピューティック・タッチ]]<ref>クリーガー 1979年</ref>、[[ヒーリング・タッチ]]、[[レイキ]]、極性療法（ポラリティ・セラピー）などとして看護学校や病院に治療法として導入しているところが広がっている<ref>オシュマン 2000年 p.5</ref>。中国で気功が広く医療に取り入れられているが、これもエネルギー療法として取り上げられている<ref>NCCAM の分類</ref>。
掌を当てるだけの[[手当て療法]]は世界に広く見られ、近現代では[[セラピューティック・タッチ]]、[[ヒーリング・タッチ]]、[[レイキ]]、極性療法（ポラリティ・セラピー）などが新しく作られた。セラピューティック・タッチ<ref>クリーガー 1979年</ref>は、アメリカの看護学校や病院で補完療法として導入しているところがあるが<ref>オシュマン 2000年 p.5</ref>、エビデンスがないため、治療の一環として行うことの正統性が議論の的になっている。。中国で気功が広く医療に取り入れられいる。エネルギー療法は、過去においては国立補完代替医療センター（現・[[アメリカ国立補完統合衛生センター]]）で取り上げられていた<ref>NCCAM の分類</ref>。


==研究史==
==研究史==
その科学的研究が始まったのは新しく、[[ハンガリー]]の[[ノーベル賞]]医学者[[アルベルト・セントジェルジ]]に始まる<ref>オシュマン 2000年 p.59</ref>。セントジェルジは生体組織が半導体の性質を持つことを1941年の論文で明らかにした。ロバート・ベッカーは神経周辺の組織が磁気の影響を受けやすいことを示した。ハーバート・フローリッヒは1968年の論文で生物の筋膜・腱などに見られるコラーゲンなどの[[細胞外マトリックス]]が[[コヒーレント]]振動をしていることを示唆した。[[ジェームズ・オシュマン]]は「コヒーレント振動によって伝わる情報が、成長、損傷の修復、防御反応といった機能や1個の生物としての活動をまとめあげていると考えられる」と述べている<ref>オシュマン 2000年 p.59-68</ref>。
その科学的研究が始まったのは新しく、[[ハンガリー]]の[[ノーベル賞]]医学者[[アルベルト・セントジェルジ]]に始まる<ref>オシュマン 2000年 p.59</ref>。セントジェルジは生体組織が半導体の性質を持つことを1941年の論文で明らかにした。ロバート・ベッカーは神経周辺の組織が磁気の影響を受けやすいことを示した。ハーバート・フローリッヒは1968年の論文で生物の筋膜・腱などに見られるコラーゲンなどの[[細胞外マトリックス]]が[[コヒーレント]]振動をしていることを示唆した。エネルギー医学に関する論文を著した[[ジェームズ・オシュマン]]は「コヒーレント振動によって伝わる情報が、成長、損傷の修復、防御反応といった機能や1個の生物としての活動をまとめあげていると考えられる」と述べている<ref>オシュマン 2000年 p.59-68</ref>。


==分類==
==分類==
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:* {{仮リンク|音振療法|en|Cymatic therapy}}
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;存在が科学的に証明されていないエネルギーを扱うエネルギー療法（Putative Energy Medicine）、伝統医学、{{仮リンク|信仰療法|en|Faith healing}}を含む<ref>信仰療法は宗教の中で行われ、エネルギー療法と区別される場合もある。</ref>。
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:* [[気]] / [[気功]] / [[鍼]]
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:* [[レイキ]]<ref>{{Cite web|url=http://nccam.nih.gov/health/reiki/ |title=Reiki Practice |publisher=Nccam.nih.gov |date= |accessdate=2010-09-20}}</ref>
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:* [[心霊療法]]<ref>[http://www.thehealingtrust.org.uk/index.php?option=com_content&view=article&id=46&Itemid=94 What is healing?] ("The Healing Trust).</ref><ref name="Ernst">{{cite journal |title= A primer of complementary and alternative medicine commonly used by cancer patients |author= Edzard Ernst |journal= [[:en:Medical Journal of Australia|Medical Journal of Australia]] |year= 2001 |issue= 174 |pages= 88–92 |url= http://www.mja.com.au/public/issues/174_02_150101/ernst/ernst.html#suba10 }}</ref>
:* バイオフィールドエネルギー療法（Biofield energy healing）<ref "name=warber">{{cite journal|author=Warber, S. L., Straughn, J., Kile, G.|title=Biofield Energy Healing from the Inside|volume=10|journal=The Journal of Alternative and Complementary Medicine|issue=6|pages=1107–1113|date=December 2004|url=http://www.scribd.com/doc/48160992/Biofield-Energy-Healing-From-the-Inside}}</ref><ref>http://www.mdanderson.org/publications/network/issues/2007-fall/network-fall-2007-energy-medicines-will-east-meet-west-.html Energy Medicines: Will East Meet West?, Network newsletter, MD Anderson Cancer Center</ref><ref>http://www.springerlink.com/content/n772q20j61180nj0/ Biofield Therapies: Helpful or Full of Hype?, 2007年、International Journal of Behavioral Medicine (Volume 17, Number 1, 1-16) </ref>
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:* [[セラピューティック・タッチ]]（[[北米看護診断協会]]は、2005-2006年に認可）<ref name=Glazer>{{cite journal | url=http://www.nationalaffairs.com/public_interest/detail/postmodern-nursing|year=2000|title=Postmodern nursing | author=Sarah Glazer | work=National Affairs}}</ref><ref name=Hammer>{{cite journal | last = Hammer | first = Owen | authorlink = | coauthors = James Underdown | title = State-Sponsored Quackery: Feng Shui and Snake Oil for California Nurses | journal = [[Skeptical Inquirer]] | volume = 33 | issue = 6 | pages = 53–56 | publisher = Committee for Skeptical Inquiry | url = http://www.csicop.org/si/show/state-sponsored_quackery_feng_shui_and_snake_oil_for_california_nurses/ | date = November/December 2009}}</ref><ref name=Junk>[http://junkfoodscience.blogspot.com/2007/07/junkfood-science-special-trusting.html Junkfood Science Special: Trusting nurses with our lives] by Sandy Szwarc, BSN, RN, CCP. July 6, 2007.</ref><ref>{{Cite web|url=http://www.cancer.org/Treatment/TreatmentsandSideEffects/ComplementaryandAlternativeMedicine/ManualHealingandPhysicalTouch/therapeutic-touch |title=Therapeutic Touch |publisher=Cancer.org |date=2008-06-02 |accessdate=2010-09-20}}</ref>
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:* ヒーリング・タッチ
:* ヒーリング・タッチ
:* エソテリック・ヒーリング：19～20世紀前半の神秘家{{仮リンク|アリス・ベイリー|en|Alice Bailey}}の思想をベースにするとされる。
:* エソテリック・ヒーリング：19～20世紀前半の神秘家{{仮リンク|アリス・ベイリー|en|Alice Bailey}}の思想をベースにするとされる。
:* {{仮リンク|動物磁気|en|Animal magnetism}}、メスメリズム：18世紀ドイツの[[フランツ・アントン・メスメル]]が提唱した。
:* {{仮リンク|動物磁気|en|Animal magnetism}}、メスメリズム：18世紀ドイツの[[フランツ・アントン・メスメル]]が提唱した流体。メスメルは科学と考えていたが、むしろ[[魔術]]的な概念である<ref>アントワーヌ・フェーブル 著 『エゾテリスム思想 西洋隠秘学の系譜』 田中義廣 訳、白水社〈[[文庫クセジュ]]〉、1995年</ref>。
:* {{仮リンク|オドの力|en|Odic force}}：18～19世紀ドイツの化学者・哲学者[[カール・フォン・ライヘンバッハ]]によって提唱された。
:* {{仮リンク|オドの力|en|Odic force}}：18～19世紀ドイツの化学者・哲学者[[カール・フォン・ライヘンバッハ]]によって提唱された。現在は疑似科学である。
:* [[オルゴン]]:20世紀に精神医学者[[ヴィルヘルム・ライヒ]]が発見したとする自然界に遍在・充満するエネルギーのこと。 性エネルギー、生命エネルギーであるとされる。現在は疑似科学であるが、ライヘンバッハの信奉者は現在も科学と信じ<ref>セオドア・ローザク 著 『意識と進化と神秘主義』 志村正雄 訳、鎌田東二 解説、紀伊国屋出版社、1978年</ref>、オルゴンによるという健康グッズが販売されている。
:* [[オルゴン]]
:* 非接触療法（distant healing、遠隔療法）<ref name=brockhampton>{{cite book |title= Guide to Spiritual Healing |last= Daulby |first= Martin |first2= Caroline |last2=Mathison |year= 1996 |publisher= Brockhampton Press |isbn= 1-86019-370-6 |page=89 }}</ref>
:* 非接触療法（distant healing、遠隔療法）<ref name=brockhampton>{{cite book |title= Guide to Spiritual Healing |last= Daulby |first= Martin |first2= Caroline |last2=Mathison |year= 1996 |publisher= Brockhampton Press |isbn= 1-86019-370-6 |page=89 }}</ref>
:* {{仮リンク|とりなしの祈り|en|Intercession}}<ref name=Benor>Benor, Daniel J. ''[http://books.google.com/books?id=us-XzK_TH3oC&printsec=frontcover#v=onepage&q&f=false Spiritual Healing: Scientific Validation of a Healing Revolution]'' (Wholistic Healing Publications, 2006) pp. 139-149.</ref>：キリスト教において他者のために祈ること。
:* {{仮リンク|とりなしの祈り|en|Intercession}}<ref name=Benor>Benor, Daniel J. ''[http://books.google.com/books?id=us-XzK_TH3oC&printsec=frontcover#v=onepage&q&f=false Spiritual Healing: Scientific Validation of a Healing Revolution]'' (Wholistic Healing Publications, 2006) pp. 139-149.</ref>：キリスト教において他者のために祈ること。
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<references/>
<references/>
== 参考文献 ==
== 参考文献 ==
* セオドア・ローザク 著 『意識と進化と神秘主義』 志村正雄 訳、鎌田東二 解説、紀伊国屋出版社、1978年
== 関連文献 ==
* ドロレス・クリーガー『セラピューティック・タッチ』春秋社、1999年（原著1979年）
* ドロレス・クリーガー『セラピューティック・タッチ』春秋社、1999年（原著1979年）
* リチャード ガーバー『バイブレーショナル・メディスン―いのちを癒す「エネルギー医学」の全体像』日本教文社、2000年（原著1988年、第3版2001年）
* リチャード ガーバー『バイブレーショナル・メディスン―いのちを癒す「エネルギー医学」の全体像』日本教文社、2000年（原著1988年、第3版2001年）

2015年5月31日 (日) 10:40時点における版

エネルギー療法（エネルギーりょうほう、Energy medicine）は電気療法、磁気療法、手当て療法、遠隔ヒーリングなど、エネルギーを用いた補完・代替医療の一分野である。鍼治療、気功などの伝統医療も、エネルギー療法とされることがある。扱われる「エネルギー」は、科学的に存在が証明されるもの、非科学的なもの、伝統的概念がある。エネルギー医学（Energy medicine）、エネルギー医療（Energy therapy）とも呼ぶ。「手当て」、患者に接触しない「手かざし」、治療者が患者と同じ場所にいない「遠隔治療」などがある。ホメオパシーもエネルギー療法とされる場合がある。

「エネルギー療法（Energy medicine）」という語は、1980年代の非営利機関「国際サトルエネルギー＆エネルギー医学学会」[1] 設立から使用され、各種の著作が発表されている[2][3]。

治療者（ヒーラー）が患者にエネルギーを伝え、それによって患者にポジティブな変化をもたらすという主張は、疑似科学と非難されることも少なくない。エネルギー療法の初期の研究はあいまいなものであり、さらなる研究が必要であるが[4] [5]、最近の研究では、臨床における有効性を示す証拠はないと結論付けている[6][7] [8] [9] [10][11]

電気療法・磁気療法

病気の治療に電気を使った記録は古代エジプトに遡る。磁力を使う治療はアフリカに古くからあり、古代から癒しや儀式の場として赤い鉄の鉱山が使われている。磁鉄鉱を治療に使った記録は古代エジプト、古代中国、古代ギリシャにも見られる[12]。エネルギー療法の著作を持つドナ・イーデンは、電気は「すべてのエネルギー・システムを繋ぎ合わせる橋のような働きをしている」と述べている[13] 。

鍼

鍼はもっとも古くから伝わる治療法のひとつ。『黄帝内経』（こうていだいけい）は鍼医学の最古のテキストで、その原型は紀元前2700年頃に成立している。イエズス会の宣教師が中国にも派遣され、彼らが鍼を刺し入れて治療する方法をヨーロッパに持ち帰った。清朝の皇帝（道光帝）が王宮内での鍼治療を禁じたため一時は冷遇されていたが、毛沢東の目にとまって以後、欠かすことの出来ない治療法としての位置を確立した[14]。

手当て療法

新約聖書のマルコによる福音書に、信仰のある人は手当てによって病を癒すことが可能であると書かれ[15]、信仰療法をエネルギー療法としてとらえる場合、古代の中近東で一種のエネルギー療法が行われていたことを示す証拠であるとされる。

また紀元前168年ごろとされる中国の馬王堆（まおうたい）3号墓から出土した帛書（はくしょ）には気功の図や経絡の走行図が含まれる。気の概念をエネルギーとする立場では、これは古代中国でエネルギー療法がおこなわれた証拠であるとしている。

掌を当てるだけの手当て療法は世界に広く見られ、近現代ではセラピューティック・タッチ、ヒーリング・タッチ、レイキ、極性療法（ポラリティ・セラピー）などが新しく作られた。セラピューティック・タッチ[16]は、アメリカの看護学校や病院で補完療法として導入しているところがあるが[17]、エビデンスがないため、治療の一環として行うことの正統性が議論の的になっている。。中国で気功が広く医療に取り入れられいる。エネルギー療法は、過去においては国立補完代替医療センター（現・アメリカ国立補完統合衛生センター）で取り上げられていた[18]。

研究史

その科学的研究が始まったのは新しく、ハンガリーのノーベル賞医学者アルベルト・セントジェルジに始まる[19]。セントジェルジは生体組織が半導体の性質を持つことを1941年の論文で明らかにした。ロバート・ベッカーは神経周辺の組織が磁気の影響を受けやすいことを示した。ハーバート・フローリッヒは1968年の論文で生物の筋膜・腱などに見られるコラーゲンなどの細胞外マトリックスがコヒーレント振動をしていることを示唆した。エネルギー医学に関する論文を著したジェームズ・オシュマンは「コヒーレント振動によって伝わる情報が、成長、損傷の修復、防御反応といった機能や1個の生物としての活動をまとめあげていると考えられる」と述べている[20]。

分類

アメリカ合衆国国立衛生研究所国立補完代替医薬センター（NCCAM、現アメリカ国立補完統合ヘルスセンター）の研究活動の対象[21] となり、補完・代替医療のひとつとして研究されていた。しかし、代替医療としての数々の研究の成果は思わしいものではなかったため、研究領域と目的は大きく変更された。現在アメリカ国立補完統合ヘルスセンターホームページの「補完的健康アプローチ」(補完療法)を紹介するページComplementary, Alternative, or Integrative Health: What’s In a Name? では、鍼や気功といった中国伝統医学と、補助的に用いられるヒーリングタッチを除き、エネルギー療法に分類されてきた療法は取り上げられていない[22]。

存在が科学的に証明されているエネルギーを扱うエネルギー療法（Veritable Energy Medicine）
存在が科学的に証明されていないエネルギーを扱うエネルギー療法（Putative Energy Medicine）、伝統医学、信仰療法（英語版）を含む[23]。

脚注

  1. ^ International Society for the Study of Subtle Energies and Energy Medicine
  2. ^ イーデン『エネルギー・メディスン』
  3. ^ オシュマン『エネルギー医学の原理――その科学的根拠』
  4. ^ Astin, J.; et. al (2000). “The Efficacy of "Distant Healing: A Systematic Review of Randomized Trials”. Annals of Internal Medicine 132 (11): 903–910. doi:10.7326/0003-4819-132-11-200006060-00009. PMID 10836918. http://www.annals.org/content/132/11/903.abstract. 
  5. ^ Ernst, Edzard (2001). “A primer of complementary and alternative medicine commonly used by cancer patients”. Medical Journal of Australia 174 (2): 88–92. PMID 11245510. http://www.mja.com.au/public/issues/174_02_150101/ernst/ernst.html#suba10. 
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  35. ^ セオドア・ローザク 著 『意識と進化と神秘主義』 志村正雄 訳、鎌田東二 解説、紀伊国屋出版社、1978年
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参考文献

  • セオドア・ローザク 著 『意識と進化と神秘主義』 志村正雄 訳、鎌田東二 解説、紀伊国屋出版社、1978年

関連文献

  • ドロレス・クリーガー『セラピューティック・タッチ』春秋社、1999年（原著1979年）
  • リチャード ガーバー『バイブレーショナル・メディスン―いのちを癒す「エネルギー医学」の全体像』日本教文社、2000年（原著1988年、第3版2001年）
  • ドナ・イーデン『エネルギー・メディスン』ナチュラル・スピリット、2012年（原著 Donna Eden (1998). Energy Medicine）
  • ジェームズ・オシュマン『エネルギー医学の原理―その科学的根拠』エンタプライズ、2004年（原著 Oschman, J. (2000). Energy Medicine: The Scientific Basis）
  • ジェームズ・オシュマン『エネルギー療法と潜在能力』エンタプライズ、2005年（原著2003年）

関連項目

外部リンク

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