軽犯罪法のソースを表示

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{{日本の法令
|題名=軽犯罪法
|効力=現行法
|所管=[[法務省]]
|種類=[[刑法]]
|内容=軽微な犯罪に対して処罰する法律
|関連=[[刑法 (日本)|刑法]]
|リンク={{Egov law}}
|ウィキソース=軽犯罪法
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{{日本の刑法}}
{{ウィキプロジェクトリンク|刑法 (犯罪)}}
'''軽犯罪法'''（けいはんざいほう、[[1948年|昭和23年]][[5月1日]]法律第39号）は、さまざまな軽微な秩序違反行為に対して[[拘留]]、[[科料]]の刑を定める[[日本]]の[[法律]]である。

== 概要 ==
[[騒音]]、虚偽申告、[[乞食]]、[[窃視症|覗き]]など33の行為が罪として定められている。[[公布]]時は34の行為であったが、第1条第21号（動物の虐待）が[[動物の愛護及び管理に関する法律|動物愛護法]]で処罰されることとなるのに伴い削除された（最高罰則も、1年の[[懲役]]または100万円の[[罰金]]に引き上げられた）。

本法により[[警察犯処罰令]]（明治41年[[内務省 (日本)|内務省]]令第16号）は廃止された。

本法の法定刑は「拘留又は[[科料]]」（第1条）<ref name="egov">[https://laws.e-gov.go.jp/document?lawid=323AC0000000039&openerCode=1 e-Gov法令検索　軽犯罪法]</ref>であって、拘留・科料しかない犯罪では、特別の規定がない限り、[[幇助犯]]・[[教唆犯]]（[[従犯]]）は処罰されない（刑法64条）。しかし、本法は、これらの従犯を「正犯に準ずる」（第3条）<ref name="egov"></ref>と定めるので、従犯も処罰の対象になる。[[犯人隠避罪]]（刑法103条）の客体となる犯人には、当たらない<ref>[[犯人蔵匿及び証拠隠滅の罪#客体|犯人蔵匿及び証拠隠滅の罪: 犯人蔵匿罪の客体]]</ref>。

== 濫用の禁止規定 ==
[[日本国憲法第3章|国民の権利]]を必要以上に侵害しないため、戦前に[[浮浪罪]]や[[不敬罪]]が警察で濫用された事実があり、目的を逸脱して濫用されること（例えば、[[職務質問]]などによる[[別件逮捕]]や[[微罪逮捕]]の手段として利用されること）を防ぐために、第4条の規定がある。
{{See|[[s:軽犯罪法#a4|軽犯罪法第4条]]}}
この法律では、拘留・科料しかない犯罪であるため、[[令状]]逮捕をするにあたっては、[[刑事訴訟法]]199条1項但し書きにより「被疑者が定まった住居を有しない場合」または「犯罪の捜査をするについて必要がある時に検察官、検察事務官又は司法警察職員が被疑者の出頭の求めた際に正当な理由がなく応じない場合」に該当するときに限り、[[逮捕]]をすることができる。

== 罪として定められる行為 ==
第1条 次の各号のひとつに該当する者は、拘留または科料に処する。
# 人が住んでおらず、かつ、看守していない邸宅、建物または船舶の内に正当な理由がなくてひそんでいた者
#* <small>[[廃屋]]にたむろする行為。[[住居]]や、[[看守]]されている邸宅等に侵入すれば[[住居侵入罪]]が成立する。</small>
# 正当な理由がなくて[[刃物]]、[[鉄パイプ|鉄棒]]その他人の[[生命]]を害し、又は人の[[身体]]に重大な害を加えるのに使用されるような器具を隠して携帯していた者
#*<small>「正当な理由」があるとは、同号所定の器具を隠匿携帯することが、職務上又は日常生活上の必要性から、[[社会通念]]上、相当と認められる場合をいい、これに該当するか否かは、当該器具の用途や形状・性能、隠匿携帯した者の[[職業]]や日常生活との関係、隠匿携帯の日時・場所、態様及び周囲の状況等の客観的要素と、隠匿携帯の[[動機]]、[[目的]]、[[認識]]等の主観的要素とを総合的に勘案して判断すべきである<ref name="h210326"> {{Cite web|和書|title=裁判例結果詳細 {{!}} 裁判所 - Courts in Japan |url=https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=37481 |website=www.courts.go.jp |access-date=2023-02-23}} </ref>。2013年5月には「当人に明らかに異常な言動が見られない限りは犯罪を疑う理由はなく[[職務質問]]等は違法」とする判決が示された<ref>[https://web.archive.org/web/20130607113705/http://www.47news.jp/CN/201305/CN2013052801001940.html 東京地裁、職務質問は違法と認定　都に5万円賠償命令] 共同通信2013年5月28日</ref>。</small>
#* <small>刃渡り'''15cm以上'''の[[刀]]（[[日本刀]]を指す）・[[剣]]等（両刃の刃物を指す）は[[銃砲刀剣類所持等取締法|銃刀法]]3条により所持が禁止されており、刃体の長さが'''6cm'''を超える刃物（[[カッターナイフ]]や[[はさみ]]など）は同法22条により携帯が禁止されているため、本号は原則として6cm以下の刃物等（刃渡りの短い[[剃刀]]や[[アーミーナイフ]]など）について適用があることになる。また、「隠して」という文言があるため、[[ベルト (服飾)|ベルト]]に装着したり、[[キーホルダー]]などにぶら下げるなどして（他者から見える形で）公然と携帯していれば軽犯罪法違反に該当しないこととなる。しかし、その一方で多くの道府県<!-- 全部列挙する必要もないでしょう -->の[[迷惑防止条例]]では、「何人も、[[公共]]の場所又は公共の[[乗物]]において、正当な理由がないのに、[[刃物]]、[[鉄パイプ|鉄棒]]、[[木刀]]その他人の身体に危害を加えるのに使用されるような物を、公衆に対し不安を覚えさせるような方法で携帯してはならない。」と規定されているため、一概に[[合法]]とまでは言い切れない。</small>
#* <small>[[催涙スプレー]]について「その他人の生命を害し、又は人の身体に重大な害を加えるのに使用されるような器具」に該当すると判断した判例<ref name=h210326/>がある。</small>
#* <small>[[経理]]に従事して職務上多額の[[現金]]や[[有価証券]]等を職務上[[電車]]や[[歩行|徒歩]]で輸送することがあるから[[防犯]]用に催涙スプレーを入手した[[被告人]]の[[男性]]が、[[健康]]上の理由から行う[[サイクリング]]を深夜に行う際に、催涙スプレー1本を専ら防御用に隠匿携帯した事例において「正当な理由」があると判断し、1審判決を破棄し無罪とした[[最高裁判所 (日本)|最高裁]]の[[確定判決]]がある<ref name=h210326/>。</small>
# 正当な理由がなくて[[鍵|合かぎ]]、[[のみ]]、{{仮リンク|ガラス切り|en|Glass cutter}}その他他人の邸宅又は建物に侵入するのに使用されるような器具を隠して携帯していた者
#* <small>ただし、「隠して」という文言があるため、公然と携帯していれば軽犯罪法違反に該当しないこととなる。また[[ピッキング行為|ピッキング用具]]については携帯自体が正当な理由がない場合は[[特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律|ピッキング防止法]]違反に問われることもある。</small>
# 生計の途がないのに、働く能力がありながら職業に就く意思を有せず、かつ、[[ホームレス|一定の住居を持たない者で諸方をうろついた]]もの
#* <small>[[警察犯処罰令]]（廃止済み）1条3号に規定されていた「[[浮浪罪]]」に相当する。[[就職活動]]中の人物に対して、[[職務質問]]の[[別件逮捕]]として利用されたが、[[大阪高等裁判所]]で、[[奈良県警察]]の捜査は違法であるとして、[[無罪]]判決とした判例がある<ref>[https://web.archive.org/web/20090306124106/http://www.47news.jp/CN/200903/CN2009030301000794.html 就活中なのに浮浪犯?「覚せい剤」の男性に無罪] [[共同通信]]2009年3月3日</ref>。</small>
# 公共の会堂、[[劇場]]、[[飲食店]]、[[ダンスホール]]その他公共の[[娯楽]]場において、入場者に対して、又は[[汽車]]、[[電車]]、[[乗合自動車]]、[[船舶]]、[[飛行機]]その他公共の乗物の中で乗客に対して著しく粗野又は乱暴な言動で迷惑をかけた者
#* <small>言動の程度によっては[[脅迫罪]]や[[強要罪]]、[[威力業務妨害罪]]、[[鉄道営業法]]違反、[[道路運送法]]違反、[[航空法]]違反、[[航空の危険を生じさせる行為等の処罰に関する法律|航空危険行為等処罰法]]違反に問われることもある。</small>
# 正当な理由がなくて他人の標灯又は街路その他公衆の通行し、若しくは集合する場所に設けられた灯火を消した者
#* <small>程度によっては、[[偽計業務妨害罪]]に問われることもある。</small>
# みだりに[[船]]又は[[いかだ]]を水路に放置し、その他[[水運|水路の交通]]を妨げるような行為をした者
#* <small>程度によっては、[[往来妨害罪]]に問われることもある。</small>
# [[風害|風]][[水害]]、[[地震]]、[[火事]]、[[交通事故]]、[[犯罪]]の発生その他の変事に際し、正当な理由がなく、現場に出入するについて[[公務員]]もしくはこれを援助する者の指示に従うことを拒み、または公務員から援助を求められたのにかかわらずこれに応じなかった者
#* <small>変事非協力の罪。目の前で[[事件]]が起きているのに[[警察官]]や[[消防士]]、[[自衛官]]などの協力要請を無視した場合に適用される。</small>
# 相当の注意をしないで、建物、[[森林]]その他燃えるような物の附近で火をたき、または[[ガソリン]]その他[[引火]]し易い物の附近で[[火|火気]]を用いた者
#*<small>火災に発展した場合は重過失[[失火罪]]、[[消防法]]違反になる。</small>
# 相当の注意をしないで、[[銃砲]]または[[火薬]]類、[[ボイラー]]その他の[[爆発]]する物を使用し、またはもてあそんだ者
#*<small>[[公安委員会]]の許可がないまま、銃砲や火薬類を所持した場合は、[[銃砲刀剣類所持等取締法|銃刀法]]違反や[[火薬類取締法]]違反、[[爆発物取締罰則]]違反に問われることもある。</small>
# 相当の注意をしないで、他人の身体又は物件に害を及ぼす虞のある場所に物を投げ、注ぎ、又は発射した者
#*<small>程度によっては、[[暴行罪]]・[[器物損壊罪]]・[[威力業務妨害罪]]に問われることもある。</small>
# 人畜に害を加える[[性癖]]のあることの明らかな[[犬]]その他の[[鳥]][[獣]]類を正当な理由がなくて解放し、又はその監守を怠ってこれを逃がした者
#*<small>人に危害が出た場合は、[[過失傷害罪]]に問われることもある。</small>
# 公共の場所において多数の人に対して著しく粗野若しくは乱暴な言動で迷惑をかけ、又は威勢を示して汽車、電車、乗合自動車、船舶その他の公共の乗物、[[演劇]]その他の[[催事|催し]]若しくは割当物資の[[配給 (物資)|配給]]を待ち、若しくはこれらの乗物もしくは催しの[[切符]]を買い、もしくは割当物資の配給に関する証票を得るため待っている公衆の列に割り込み、若しくはその列を乱した者
#*<small>「'''公共の場所'''」とは、不特定多数の者（公衆）が自由に利用しまたは出入りできる場所を言う。道路、公園、広場、河川、駅、興行場および公会堂他一般公衆が出入り可能な建物等がこれに含まれる。公有の場所であるか私有の場所であるかは問わない<ref>『有斐閣 法律用語辞典 [第3版]』法令用語研究会 編、有斐閣、2006年、ISBN 4-641-00025-5</ref>。</small>
#* <small>言動の程度によっては[[脅迫罪]]や[[強要罪]]、鉄道営業法違反に問われることもある。</small>
# 公務員の制止をきかずに、人[[声]]、[[楽器]]、[[ラジオ]]などの[[音]]を[[異常]]に大きく出して静穏を害し近隣に迷惑をかけた者
#*<small>国会議事堂周辺地域など一部の地域において拡声機を使用して静穏を害した者については、[[国会議事堂等周辺地域及び外国公館等周辺地域の静穏の保持に関する法律|静穏保持法]]違反に問われることもある。また、拡声機により暴騒音を生じさせる行為については、[[拡声機暴騒音規制条例]]違反に問われる自治体もある。また、他人に不眠や頭痛等の被害を与えた場合は[[傷害罪]]に問われることもある<!--奈良騒音傷害事件-->。</small>
# [[官職|官]][[公職]]、[[位階]][[勲等]]、[[学位]]その他[[法令]]により定められた[[称号]]もしくは[[外国]]におけるこれらに準ずるものを[[詐称]]し、または[[資格]]がないのにかかわらず、法令により定められた[[制服]]若しくは[[勲章]]、[[記章]]その他の標章もしくはこれらに似せて作った物を用いた者
#* <small>称号詐称、標章等窃用（[[ディプロマミル]]の学位を公称した場合などが該当すると考えられる。また、[[警察官]]・[[自衛官]]や[[軍人]]（[[戦闘服]]は、[[部隊]]や[[階級]]などを示す標章を縫い付けている場合）の[[コスプレ]]がこれに該当するため、[[コミックマーケット]]などほとんどのイベントで[[禁止]]・または着用したままの外出を認めないなど[[規制]]事項を設けている。同様に、公の官員ではないが[[警備員]]を思わせる[[服装]]や[[道具]]類も規制事項を設けている場合が多い。[[ニセ電話事件]]で検事総長でない者が検事総長の名を騙って電話をして、[[内閣総理大臣]]から指揮権発動の言質を引き出そうとしたことについて適用されたことがある。</small>
# [[虚構]]の犯罪または災害の事実を公務員に申し出た者
#* <small>無実の第三者を犯人に仕立て上げて処罰を受けさせる目的で、虚構の犯罪を申告した場合は、[[虚偽告訴罪]]となる。</small>
#* <small>警察・消防等に徒労の出動をさせる目的で、虚構の犯罪や災害を申告した場合は、[[業務妨害罪]]に問われた事例がある。</small>
# [[質入]]または[[古物]]の売買もしくは交換に関する[[帳簿]]に、法令により記載すべき[[氏名]]、[[住居]]、[[職業]]その他の事項につき[[虚偽]]の申立をして不実の記載をさせた者
#* <small>古物商が自分の判断で帳簿に虚偽の記載をした場合は[[古物営業法]]違反に問われる。</small>
#* <small>質店や古物商が盗品と知っていて買い取ること（故買）も犯罪である。[[盗品等関与罪]]を参照。</small>
# 自己の[[占有]]する場所内に、[[老人|老]][[幼児|幼]]、[[要介護者|不具もしくは傷病のため扶助を必要とする者]]または人の[[死体]]もしくは死胎のあることを知りながら、速やかにこれを公務員に申し出なかった者
#* <small>扶助を必要とする者を保護する義務を負う者（幼児の親、老人や病人の介護者など）がこれを遺棄、放置したときは[[遺棄罪|保護責任者遺棄罪]]となる。</small>
#* <small>死体又は死胎を埋葬する義務を負う者（死者の同居の親族）がこれを遺棄、放置したときは[[死体遺棄|死体遺棄罪]]に問われる。</small>
# 正当な理由がなくて[[変死]]体または死胎の現場を変えた者
#*<small>程度によっては、[[死体遺棄罪]]に問われることもある。</small> 
# 公衆の目に触れるような場所で公衆にけん悪の情を催させるような仕方で[[尻|しり]]、[[脚|もも]]その他身体の一部をみだりに露出した者
#*<small>程度によっては、[[迷惑防止条例]]や[[わいせつ、姦淫及び重婚の罪|公然わいせつ罪]]に問われることもある。</small> 
# 削除
#* <small>[[動物虐待|動物を虐待する行為]]→[[動物の愛護及び管理に関する法律|動物愛護法]]により、更に[[厳罰化]]（1年の[[懲役]]または100万円の[[罰金]]）が科せられるようになった。</small>
# [[乞食|こじき]]をし、又はこじきをさせた者
#* <small>15歳未満の児童にこじきさせ、又は児童を利用してこじきをした場合は、[[児童福祉法]]違反に問われる。</small>
# 正当な理由がなくて人の住居、[[浴場]]、[[更衣室|更衣場]]、[[便所]]その他人が通常[[裸|衣服をつけない]]でいるような場所を[[窃視症|ひそかにのぞき見た]]者
#*<small>「場所をひそかにのぞき見た者」とあるように、当該の場所が無人であっても違法となる。</small>
#*<small>屋外や公共の場所は「通常衣服をつけないでいるような場所」でないから、屋外で更衣や排泄している人をのぞき見しても本項は適用できない。ただし、[[性的姿態撮影等処罰法]]や迷惑防止条例など他の法令の適用対象になる。</small>
#*<small>2015年4月18日の福岡高裁判決では「軽犯罪法1条23号所定の場所を視認し得る場所に撮影機能のある機器をひそかに置いて当該場所を撮影録画する行為は、のぞき見行為の中核的部分を既に実現しているものということができる」と判示しており、盗撮も軽犯罪法違反で適用できるとしている。</small>
#*<small>他者が目的外で建造物等に侵入した場合は[[住居侵入罪|建造物等侵入罪]]が適用されることもある。</small>
# 公私の[[儀式]]に対して悪戯などでこれを妨害した者
#*<small>儀式を妨害することが目的で、[[結婚式]]、[[葬儀]]など、儀式が行われている会場に侵入した場合、[[住居侵入罪|建造物等侵入罪]]が適用されることもある。</small>
#*<small>程度によっては、[[威力業務妨害罪]]・[[偽計業務妨害罪]]・[[礼拝所及び墳墓に関する罪]]に問われることもある。</small>
# 川、みぞその他の[[水路]]の[[流れ|流通]]を妨げるような行為をした者
#*<small>それによって浸水などの被害を与えたときは、[[出水及び水利に関する罪]]、[[河川法]]の指定する河川に対して行う場合は同法違反に問われることもある。</small>
# 街路又は[[公園]]その他公衆の集合する場所で、[[痰|たん]][[唾液|つば]]を吐き、または大小便をし、もしくはこれをさせた者
#* <small>事例によっては、[[飲料水に関する罪|浄水汚染罪]]（付近に飲料水として使用されている井戸などがあった場合）、[[器物損壊罪]]（他人の所有物などに放尿した場合）、[[公然わいせつ罪]]（人々が集合したり往来のある場所などで陰部を露出して放尿・排便した場合）にも問われる。</small>
# 公共の利益に反してみだりに[[ごみ]]、鳥獣の[[死体]]その他の[[汚物]]または廃物を棄てた者
#*<small>程度によっては、[[廃棄物の処理及び清掃に関する法律|廃棄物処理法]]違反に問われることもある。</small>
# 他人の進路に立ちふさがって、若しくはその身辺に群がって立ち退こうとせず、又は[[不安]]若しくは迷惑を覚えさせるような仕方で他人につきまとった者
#* <small>条件が該当すれば、[[ストーカー行為等の規制等に関する法律|ストーカー規制法]]、[[配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律|配偶者暴力防止法]]、[[児童虐待の防止等に関する法律|児童虐待防止法]]、[[暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律|暴力団対策法]]に問われることもある。</small>
# 他人の身体に対して害を加えることを共謀した者の誰かがその共謀に係る行為の予備行為をした場合における共謀者
# 人畜に対して犬その他の動物をけしかけ、又は[[馬]]若しくは[[ウシ|牛]]を驚かせて逃げ走らせた者
#*<small>程度によっては、[[道路交通法]]違反、[[威力業務妨害罪]]や[[偽計業務妨害罪]]に問われることもある。</small>
# 他人の業務に対して[[悪戯]]などでこれを妨害した者
#*<small>程度によっては、[[威力業務妨害罪]]や[[偽計業務妨害罪]]に問われることもある。</small>
# 入ることを禁じた場所または他人の田畑に正当な理由がなくて入った者
#* <small>さく等に囲まれた建造物の敷地に侵入する行為は[[住居侵入罪]]に該当する。[[日本人活動家尖閣諸島上陸事件]]では[[尖閣諸島]]への上陸に関して、任意聴取が行われた事例もある。</small>
# みだりに他人の[[家屋]]その他の工作物にはり札をし、若しくは他人の[[看板]]、禁札その他の標示物を取り除き、又はこれらの工作物若しくは標示物を汚した者
#* <small>程度によっては、[[器物損壊罪]]や[[建造物損壊罪]]に問われることもある。また、屋外広告物規制条例が適用される可能性もある。[[愛知原水協ビラ貼り事件]]の最高裁判決では[[日本国憲法第21条]]が規定する[[表現の自由]]に違反せず、合憲とする判決が出た。</small>
# 公衆に対して物を[[販売]]し、若しくは頒布し、又は[[サービス|役務]]を提供するにあたり、人を欺き、又は[[誤解]]させるような事実を挙げて[[広告]]をした者
#* <small>[[悪徳商法]]の一つ、[[催眠商法]]や[[ステルスマーケティング]]<!--ペニーオークション詐欺事件では軽犯罪法が適応検討（時効成立により不起訴）とが産経新聞 2013年2月8日が報道。-->がこれに相当。[[詐欺罪]]、[[不正競争防止法]]違反、[[不当景品類及び不当表示防止法|景品表示法]]違反、[[特定商取引に関する法律|特定商取引法]]違反において刑事罰が問われない行為について軽犯罪法が適用される場合がある。</small>

== 適用状況 ==
2016年に軽犯罪法違反で、警察から[[検察庁]]へ[[送致]]された件数は9,801件、人員は19,137人となっている（有罪判決の数ではない）<ref>[https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?tclass=000001082460&cycle=0&layout=datalist 犯罪統計資料（平成28年1～12月分）] - [[警察庁]]の統計</ref>。一方で[[法務省]]の[[犯罪白書]]によれば、1989年（平成元年）は2,382人だったが、[[2004年]]（平成16年）以降、検察庁新規受理人員は前年の2003年（平成15年）7,227人から約3,000人を超え、11,001人と大幅に伸び、ピーク時の[[2009年]]（平成21年）には16,396人であったが、[[2010年]]（平成22年）から13,799人と大幅な減少傾向に転じ、[[2013年]]（平成25年）には、8,382人と2009年（平成21年）の半数と激減した。平成26年（2014年（平成26年）は8,949人と増加したが、2015年（平成25年）は8,908人、2016年（平成28年）は8,318人と、再び減少した<ref>{{Cite pressrelease
| 和書
| url = https://hakusyo1.moj.go.jp/jp/63/nfm/mokuji.html| title = 平成28年版 犯罪白書 資料編　資料1-4　特別法犯 検察庁新規受理人員（罪名別）
| publisher = [[法務省]]
| date = 2016
| accessdate = 2017-02-05
 }}</ref>。

[[警察庁]]の統計によると、違反態様別で件数（確定判決の数ではない）が多いのは、2015年度（平成27年度）［軽犯罪法全送致件数：10,373件］では、第32号（田畑等侵入） 3,586件［軽犯罪法全送致件数の約34.09％］、第2号（凶器携帯） 3,101件［軽犯罪法全送致件数の約29.89％］、第9号（火気乱用） 725件［軽犯罪法全送致件数の約6.99％］、第16号（虚構申告） 617件［軽犯罪法全送致件数の約5.95％］などとなっている<ref>{{Cite pressrelease
| 和書
| url =https://www.npa.go.jp/toukei/soubunkan/h27/h27hanzaitoukei.htm 
| title = 平成27年の犯罪 第2 特別法犯　軽犯罪・小暴力　63　軽犯罪法違反　違反態様別　送致件数及び送致人員
| publisher = [[警察庁]]
| date = 2015
| accessdate = 2017-02-05
 }}</ref>。

== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
=== 出典 ===
<div class="references-small"><references /></div>

== 関連項目 ==
* [[性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律|性的姿態撮影等処罰法]]
* [[迷惑防止条例]]
* [[警察犯処罰令]]
* [[別件逮捕]]
* [[微罪逮捕]]

{{Normdaten}}
{{DEFAULTSORT:けいはんさいほう}}
[[Category:日本の法律]]
[[Category:特別刑法]]
[[Category:1948年の法]]