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私にふさわしいホテル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
私にふさわしいホテル
The Hotel of my Dream
著者 柚木麻子
発行日 2012年10月27日
発行元 扶桑社
新潮社
ジャンル 小説
日本の旗 日本
言語 日本語
形態 四六判
文庫版
ページ数 227(四六判)
288(文庫版)
コード ISBN 978-4-594-06683-3
ISBN 978-4-10-120241-9文庫判
ウィキポータル 文学
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私にふさわしいホテル』(わたしにふさわしいホテル)は、柚木麻子による小説[1]。2012年10月に扶桑社から刊行され[1]、2015年11月に新潮社から文庫版が刊行された[2]

文学新人賞を元・人気アイドルと同時受賞したため、ほとんど注目されずデビューの機会も巡ってこない不遇な新人作家・中島加代子が文壇の大御所・東十条らと闘い、時には仲間に取り込みながら、野心に満ちて作家の階段を登っていく姿が描かれる。

2024年8月に映画版の公開が予定されている[3]

あらすじ[編集]

登場人物[編集]

主要人物[編集]

中島加代子(なかしま かよこ)
33歳。 プーアール社の文学新人賞の大賞を受賞するが、同時受賞者は元・人気アイドルですべての注目を奪われてしまう。
受賞時のペンネームは相田大樹(あいだ たいじゅ)[注 1]。文鋭社からのデビュー時のペンネームは有森樹李(ありもり じゅり)[注 2]
「氷を巡る物語」という作品で、文鋭社の小説ばるす新人賞を受賞する。
遠藤道雄(えんどう みちお)
大手出版社「文鋭社」の老舗文芸誌「小説ばるす」編集者。加代子の大学の先輩で加代子の担当となる。
東十条宗典(ひがしじゅうじょう むねのり)
大御所作家で多数の文学賞の選考委員を務めている。策略に何度もはめられた加代子に対してはよい感情を持っていない。
だが、利害関係が一致すれば息の合った共闘をすることもあるなど、加代子を認めている部分もある。

業界関係者[編集]

島田かれん(しまだ かれん)
34歳。加代子と文学新人賞を同時受賞した元人気アイドル。受賞後1か月で自分の顔写真を表紙にデビュー作を刊行している。
門川響子(かどかわ きょうこ)
秀茗社のベテラン編集者。小説ばるす新人賞以来、加代子を高く評価している。
大和田浪江(おおわだ なみえ)
辛口書評で知られる大御所の書評家。加代子の受賞2作目「おばあちゃんをリツイート」の不出来を出版関係者の会合で罵倒されてしまう。
有森光来(ありもり みく)
18歳。北海道の高校生で美少女。加代子の翌年の小説ばるす新人賞受賞者。
須藤純一(すどう じゅんいち)
30代後半。隣々堂書店恵比寿店勤務。超有名カリスマ書店員。1人で書店回りをする加代子に最初はそっけない態度だった。
だが、都内の大型書店から新刊本を狙う窃盗団のボスを加代子が捕まえたことから好意的になり、書店仲間にも連絡してくれる。

加代子の関係者[編集]

錦織聡一郎(にしきおり そういちろう)
29歳。加代子の彼氏。大手酒造メーカー「株式会社モレシャン」の社長の息子。
「氷を巡る物語」の執筆に際しての取材で社の広報窓口として親切に対応してもらったことが知り合うきっかけ[6]
宮木あや子(みやぎ あやこ)、南綾子(みなみ あやこ)
加代子と親しい作家仲間。

書誌情報[編集]

  1. 私にふさわしいホテル(2012年10月27日、扶桑社ISBN 978-4-594-06683-3[1]
  2. 私にふさわしいホテル(2015年11月28日発売、新潮文庫ISBN 978-4-10-120241-9[2]

映画[編集]

私にふさわしいホテル
監督 堤幸彦
原作 柚木麻子
出演者 のん
製作会社 「私にふさわしいホテル」製作委員会
配給 日活
KDDI
公開 日本の旗 2024年12月
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
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2024年12月に公開予定[3]。監督は堤幸彦、主演はのん[3]

本作は、主人公の加代子が憧れるホテルとして、2024年2月に全面休館となった「山の上ホテル」で最後に撮影された貴重な作品でもある[7]

キャスト[編集]

加代子
演 - のん
新人作家。新人賞を受賞したが、大御所作家・東十条宗典の酷評のせいでデビューができず、小説を発表する場も得られなかった。

スタッフ[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 同社の編集担当者は加代子をその後4年間ほぼ放置し、単行本デビューの機会を与えなかったにもかかわらず、加代子を囲い込んで、文鋭社からの単行本デビューを妨害している[4]
  2. ^ 遠藤の提案で、減量して外見を変え別人となって振り出しから再出発して単行本デビューのために付けたペンネーム[5]

出典[編集]

  1. ^ a b c 私にふさわしいホテル 柚木麻子著”. 扶桑社. 株式会社扶桑社. 2024年7月2日閲覧。
  2. ^ a b 私にふさわしいホテル 柚木麻子/著”. 新潮社. 株式会社新潮社. 2024年7月2日閲覧。
  3. ^ a b c 主演・のん×監督・堤幸彦×原作・柚木麻子の映画「私にふさわしいホテル」が12月公開”. 映画ナタリー. ナターシャ (2024年6月10日). 2024年7月3日閲覧。
  4. ^ 柚木麻子『私にふさわしいホテル』新潮社、2015年11月28日、49-52頁。 
  5. ^ 柚木麻子『私にふさわしいホテル』新潮社、2015年11月28日、78-83頁。 
  6. ^ 柚木麻子『私にふさわしいホテル』新潮社、2015年11月28日、88-89頁。 
  7. ^ のん主演、新人作家の下剋上!文壇ピカレスクコメディ「私にふさわしいホテル」12月公開 御茶ノ水・山の上ホテルで撮影”. 映画.com. 株式会社エイガ・ドット・コム (2024年6月10日). 2024年7月7日閲覧。
  8. ^ a b c のん主演〈私にふさわしいホテル〉映画化決定”. OTOTOY. オトトイ株式会社 (2024年6月10日). 2024年7月3日閲覧。

外部リンク[編集]