「カマンベールチーズ」の版間の差分

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* カマンベール・パスチュリゼ
* カマンベール・パストゥリゼ
: 伝統製法ではなく生乳を低温殺菌した殺菌乳を用いて製造され、生産地はノルマンディ地方に限られず、フランス内外でつくられている。A.O.Pの表示はない<ref name="kyohon">「チーズの教本」- ISBN 4798055050 </ref>。
: 伝統製法ではなく生乳を低温殺菌した殺菌乳を用いて製造され、生産地はノルマンディ地方に限られず、フランス内外でつくられている。A.O.Pの表示はない<ref name="kyohon">「チーズの教本」- ISBN 4798055050 </ref>。


* カマンベール (ロングライフ)
* カマンベール (ロングライフ)
: 一定の熟成を経たものを密閉容器に入れて加熱殺菌して保存性を高めている。カマンベール・ド・ノルマンディ、カマンベール・パスチュリゼ は保存しておくと複雑な味わいや匂いを放つように熟成が進むが、ロングライフタイプは殺菌しているので熟成は期待できない。日本のスーパーに並ぶ大手メーカーの製品はこの種類である。日本人の味覚に合うよう開発され変化が少ないため、カマンベールは「癖がなく食べやすい」という印象をつくった<ref name="kyohon" />。
: 一定の熟成を経たものを密閉容器に入れて加熱殺菌して保存性を高めている。カマンベール・ド・ノルマンディ、カマンベール・パストゥリゼ は保存しておくと複雑な味わいや匂いを放つように熟成が進むが、ロングライフタイプは殺菌しているので熟成は期待できない。日本のスーパーに並ぶ大手メーカーの製品はこの種類である。日本人の味覚に合うよう開発され変化が少ないため、カマンベールは「癖がなく食べやすい」という印象をつくった<ref name="kyohon" />。


== 出典 ==
== 出典 ==

2021年3月11日 (木) 13:30時点における版

カマンベールチーズ Camembert
原料 牛乳
原産国 フランス
原産地 ノルマンディー, カマンベール
表皮 軟質
熟成 3週以上
呼称統制 Camembert de Normandie AOC 1983, PDO 1992
テンプレートを表示
カマンベールチーズ
カマンベール・ド・ノルマンディ
製造工場(北海道)

カマンベールチーズ: Camembert cheese)は、フランスカマンベール: Camembert)原産のチーズのひとつ。AOC取得が1983年と遅かったため、カマンベール自体はもはや法的に保護された名称ではなく、世界各地で生産されている状態となっている(種類も参照)[1][2]

概要

軟質チーズの表面に白いカビ(学名:Penicillium camembertiPenicillium candidum。生物種としての Penicilliumはアオカビ[3][4])を生やして熟成させたチーズで、チーズの女王とも呼ばれる。1791年頃にマリー・アレルによって発明された。日本では、殺菌して熟成が進まないようにしたパック入りや缶入りのものが多く出回っている。

種類

1983年アペラシオン・ドリジーヌ・コントロレ(AOC、原産地呼称統制)に選定された[5]。このため、「カマンベール・ド・ノルマンディ」を名乗るためには、厳格に伝統的な製法(低温殺菌されていない生乳を原料とするなど)を踏襲しなければならない。現在はEU統一のA.O.P(保護原産地呼称)の表示に変わっている。原料乳の品種は規定されていないが、ノルマン種およびプリム・ホルスタイン種の乳が使われるケースが多い[5]
  • カマンベール・パストゥリゼ
伝統製法ではなく生乳を低温殺菌した殺菌乳を用いて製造され、生産地はノルマンディ地方に限られず、フランス内外でつくられている。A.O.Pの表示はない[6]
  • カマンベール (ロングライフ)
一定の熟成を経たものを密閉容器に入れて加熱殺菌して保存性を高めている。カマンベール・ド・ノルマンディ、カマンベール・パストゥリゼ は保存しておくと複雑な味わいや匂いを放つように熟成が進むが、ロングライフタイプは殺菌しているので熟成は期待できない。日本のスーパーに並ぶ大手メーカーの製品はこの種類である。日本人の味覚に合うよう開発され変化が少ないため、カマンベールは「癖がなく食べやすい」という印象をつくった[6]

出典

  1. ^ 本間るみ子; 増井和子; 山田友子 著、文藝春秋 編『チーズ図鑑』(7版)株式会社文藝春秋〈文春新書〉、2009年、38頁。ISBN 4-16-660182-2 
  2. ^ 日仏料理協会 編『フランス 食の事典(普及版)』株式会社白水社、2007年、132頁。ISBN 978-4-560-09202-6 
  3. ^ カビ対策マニュアル 基礎編-文部科学省
  4. ^ ミニ講演 「食べ物のカビの世界」 - 神奈川県衛生研究所
  5. ^ a b 日仏料理協会 編『フランス 食の事典(普及版)』株式会社白水社、2007年、133頁。ISBN 978-4-560-09202-6 
  6. ^ a b 「チーズの教本」- ISBN 4798055050

関連項目

外部リンク