「山口県立山口図書館図書隠匿事件」の版間の差分
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発覚から19日後の9月15日に開かれた[[図書館問題研究会]]の第20回全国大会で、事件の討議が行われた。発見した司書が事件の経過説明と質疑応答を行い、最終日に「山口県立山口図書館図書封印事件にあたって『図書館の自由宣言』を守る決議」が採択された{{sfn|福井|2015|pp=108-116}}。1974年9月には[[日本図書館協会]]の会誌『図書館雑誌』誌上で、同図書館の館長が事件の釈明を行い、館長含む4名の職員が行政処分を受けた事を報告した{{sfn|福井|2015|pp=108-116}}。 |
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2020年1月22日 (水) 17:20時点における版
山口県立山口図書館図書隠匿事件(やまぐちけんりつやまぐちとしょかんとしょいんとくじけん)とは、1973年8月に山口県立山口図書館で、反戦平和問題関係図書や左翼的図書など50数冊がダンボール箱に詰められ、書庫に隠匿され利用できない状態におかれていたことが発覚した事件。
図書館の資料提供の自由を損なう行為として批判された。この事件が「図書館の自由に関する宣言」が改定されるきっかけとなった[1]。
経緯
同図書館の改築・移転の式典の際、幹部職員が来賓に配慮し、反体制的と判断した図書を隠したものである[注釈 1]。1973年8月25日に同図書館の司書が隠されていた図書を偶然発見し、事実をマスコミに公表するべきと考え、社会運動を通じて懇意にしていた当時山口地裁で係争中であった自衛官護国神社合祀事件原告の世話人に内部告発した[2]。その後、前記事件原告世話人が毎日新聞山口支局に調査を依頼し、新聞報道によって明るみに出ることとなった。
発覚から19日後の9月15日に開かれた図書館問題研究会の第20回全国大会で、事件の討議が行われた。発見した司書が事件の経過説明と質疑応答を行い、最終日に「山口県立山口図書館図書封印事件にあたって『図書館の自由宣言』を守る決議」が採択された[2]。1974年9月には日本図書館協会の会誌『図書館雑誌』誌上で、同図書館の館長が事件の釈明を行い、館長含む4名の職員が行政処分を受けた事を報告した[2]。
事件の追及に消極的だった日本図書館協会に対し、図書館問題研究会は協会内に図書館問題に関する常設の委員会の設立を促し、1974年11月に「図書館の自由に関する調査委員会」が設置された[2]。
脚注
注釈
出典
参考文献
- 馬場俊明『「自由宣言」と図書館活動』(青弓社、1993年)
- 福井祐介『図書館の倫理的価値「知る自由」の歴史的展開』松籟社、2015年。ISBN 9784879843371。
- 日本図書館協会図書館の自由委員会編 「『図書館の自由に関する宣言1979年改訂』解説」第2版、日本図書館協会、2004年。
- 日本図書館協会研修用資料「図書館の自由と現代の動向」 2002年(平成14年)9月16日
関連項目
- 船橋市西図書館蔵書破棄事件 - 本件とは逆に、革新派の図書館員が保守系書籍を廃棄した事件。隠匿だけでなく破棄まで行われ、かつ自身の関与した書物の過分な購入も行われていた事と併せ、現代版焚書と呼ばれることがある。
- 広島県立図書館事件