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'''ながら運転'''(ながらうんてん、{{Lang-en-short|distracted driving}})とは、[[スマートフォン]]の操作をはじめとした、運転以外の行為をしながら([[車両]]の)[[運転]]をすること<ref name="how_to">{{Cite web |url = https://how2-inc.com/distracted-driving-9343 |title = ポケモンGOでも話題に!スマホや食事の「ながら運転」の罰則とは |publisher = 株式会社ハウツー |date = 2017-10-08 |accessdate = 2018-01-14 }}</ref><ref>{{Cite web |url = http://www.city.inuyama.aichi.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/003/814/iken2901.pdf |title = 「ながら運転」防止のための対策強化を求める意見書 |publisher = [[犬山市]] |accessdate = 2018-01-14 }}</ref>。 |
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なお、[[英語]]にはdistracted drivingという表現があり、これは運転それ自体に注意を向けていない運転のことであり、[[日本語]]では「気をうばわれた運転」「不注意運転」といった意味である。おおむね同義となる。「distracted」とは「何かに気をうばわれていて、集中できていない<!--Unable to concentrate because one is preoccupied by something worrying or unpleasant.-->」という意味である<ref name="OED">[https://en.oxforddictionaries.com/definition/distracted Oxford Dictionary "distracted"]</ref>。<ref>日本語の「脇見運転」を、英語に翻訳する場合<u>も</u>「distracted driving」と訳される。{{Cite web |url=http://eikaiwa.dmm.com/uknow/questions/32440/|title=脇見運転って英語でなんて言うの? |publisher=DMM |accessdate=2018-06-21}}。また、通話しながら、通信しながら、カーナビ操作しながら、等々、この記事で列挙している例のいずれも「distracted driving」の一種である。</ref> |
なお、[[英語]]にはdistracted drivingという表現があり、これは運転それ自体に注意を向けていない運転のことであり、[[日本語]]では「気をうばわれた運転」「不注意運転」といった意味である。おおむね同義となる。「distracted」とは「何かに気をうばわれていて、集中できていない<!--Unable to concentrate because one is preoccupied by something worrying or unpleasant.-->」という意味である<ref name="OED">[https://en.oxforddictionaries.com/definition/distracted Oxford Dictionary "distracted"]</ref>。<ref>日本語の「脇見運転」を、英語に翻訳する場合<u>も</u>「distracted driving」と訳される。{{Cite web |url=http://eikaiwa.dmm.com/uknow/questions/32440/|title=脇見運転って英語でなんて言うの? |publisher=DMM |accessdate=2018-06-21}}。また、通話しながら、通信しながら、カーナビ操作しながら、等々、この記事で列挙している例のいずれも「distracted driving」の一種である。</ref> |
2019年8月22日 (木) 15:40時点における版
ながら運転(ながらうんてん、英: distracted driving)とは、スマートフォンの操作をはじめとした、運転以外の行為をしながら(車両の)運転をすること[1][2]。
なお、英語にはdistracted drivingという表現があり、これは運転それ自体に注意を向けていない運転のことであり、日本語では「気をうばわれた運転」「不注意運転」といった意味である。おおむね同義となる。「distracted」とは「何かに気をうばわれていて、集中できていない」という意味である[3]。[4]
概要
何であれ、運転者が運転以外のことに意識を少しでも割り当てると交通事故が多発し、しかも 起こす交通事故が より重大なものになり死亡事故の率が増えるので[5]、ながら運転は行ってはいけないとされている。
「ながら運転」にはたとえば、運転中に以下のようなことをすることがあげられる。
- 通話(あらゆる通話。スマートフォン、携帯電話... 等々、何であれ通話をすること。)
- 通信(スマートフォン、タブレット、PC...等々 どんな機器を使っていようが、メールやメッセージの画面を見たり、送・受信操作を行ったりすること。)
- 何であれ画面に視線を向けること。(テレビ番組やDVD-Videoの視聴をすること[6]や、ポケモンの画面へ視線を向けること[1] 等々。)
- カーナビゲーションの注視や操作。(カーナビも運転中は操作したり注視してはいけない。カーナビ操作も、あくまで安全な場所に完全停車させてから行う。)
- オーディオやエアコンなどの操作。
- 新聞、雑誌、書籍、仕事関係の書類、業務日誌 等々に視線を向けること。
- 飲食、喫煙。
- 化粧。
- 会話。(たとえ同乗者に視線を向けていなくても、ただ会話をするだけでも、運転者の意識のかなりの部分が奪われ、事故が多発する。特に、会話中に運転者が同乗者の顔にチラとでも視線を向ける場合は非常に危険。同乗者は、運転者に むやみに話しかけないようにすべきだ、とされている。)
- 助手席の人や後部座席の人に意識を向けること。(たとえチャイルドシートの中の赤ちゃんなどの声や動きなどが気になっても、運転中は意識や視線を向けてはいけない。あくまで、まず安全な場所に車を完全停車させてから、意識や視線を向ける。)
- 運転とは直接関係無いものに視線や意識を向けること。(景色の観賞をしたり、他の車を観賞したり、ショーウインドーの商品に視線や意識を向けたり、歩行者の容姿などに意識を向けること、等々。)
- (視線を向けなくても)何であれ、運転中に運転以外のことに意識を向けること。意識(の一部でも)を奪われること[7]。
なお「運転中」とは、車線上で止まっている最中も含んでいる。法的に見ても、赤信号などで止まっている最中も「運転中」に含まれる。たとえば「青信号待ち」の最中にスマホの画面や業務日誌などに視線を向けて気を奪われ、青信号になり前の車が進み始めても気づかず、(しびれを切らした後続車の運転手からクラクションなどを鳴らされるなどして)ようやく気づき、あわてて急発進して事故を起こしている事例があるが、これも「ながら運転」によって起きた交通事故に当たる。[8] 「青信号待ち」の最中も運転中であるので、運転以外に気をそらしてはいけない。
特に運転中の通話、通信 等は多くの国で法律でも明確に禁じられている。
携帯電話の使用は、たとえハンズフリー電話であっても、事故の確率が大幅に上がる(正確には反応時間が大幅に伸びる)との研究報告(米ユタ大学・米連邦航空局)がある。シドニー大学の調査報告では、携帯電話の手持ち使用では事故リスクが4.9倍、ハンズフリーでも3.8倍と、事故リスクが大幅に上昇することが示されている。すでに米国のいくつもの州の法律でハンズフリー通話も明確に禁止されている。欧州ではポルトガルで携帯電話使用はハンズフリー通話も含めて違法だとされている。(なおヘッドセットの着用も周囲の音を聴き取ることの妨げになり危険なので、条例で禁止している自治体もある)。
喫煙では、タバコに火をつけようとしたり、タバコの火を消そうとして事故を起こしたり[9]、火のついたタバコを落としてしまい、慌てて拾おうとして気を取られ、事故を引き起こした例がある。喫煙の際の脇見時間を計測したところ、「シガーライターを取りにいくとき」「シガーライターでタバコに火をつけるとき」「シガーライターを元に戻すとき」など、数回に分けて1秒から1.2秒ずつほど脇見しており、時速50キロでの1.2秒の脇見では約17 m走行することから、追突事故の回避や子供の飛び出しには対処できないとされる[10]。 また、東北大学の相田潤准教授らの研究グループは、男性約3万3000人の喫煙習慣と交通死亡事故の関連について調査を行い、喫煙者は非喫煙者よりも、交通事故で死亡する危険性が1.54倍となっていたことから、運転中の喫煙が事故に繋がるケースが多いと分析しており、道交法による規制を検討すべきとしている[11]。
-
ながら運転の一例。自転車の運転中に携帯電話を手に持ち、画面に意識を向けている。明確に法律で禁止されている行為。自転車の運転は、いつでも即座にブレーキをかけ停車できるように、常に両手が(ハンドルと)ブレーキレバーを握っていなければならない。
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ながら運転の一例。自動車を運転しながら携帯電話の画面に視線を向けたり操作している。明確に法律で禁止されている行為。
各国の統計と規制
台湾
台湾等では車やオートバイの運転中の喫煙も禁止されており、罰金刑の対象となっている[12]。
日本
警察庁の調べによると運転中にスマホや携帯電話を使用したことが原因で発生した交通事故は2016年には1,999件でそのうち27件は死亡事故であった[13]。
- 自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(自動車運転処罰法)違反
- 2018年3月、スマートホンの地図アプリを見ながらの高速道路上の運転で1人が死亡、4人が負傷した交通事故の裁判において、求刑を上回る量刑が言い渡された[14]。
- 道路交通法違反
- 道路交通法71条5号の5は自動車等の運転者の遵守事項として走行中の携帯電話の使用を禁止している(傷病者の救護又は公共の安全の維持のため当該自動車等の走行中に緊急やむを得ずに行う場合を除く)[13]。
- 都道府県公安委員会規則(道路交通規則・道路交通法施行細則など)違反
脚注
- ^ a b “ポケモンGOでも話題に!スマホや食事の「ながら運転」の罰則とは”. 株式会社ハウツー (2017年10月8日). 2018年1月14日閲覧。
- ^ “「ながら運転」防止のための対策強化を求める意見書”. 犬山市. 2018年1月14日閲覧。
- ^ Oxford Dictionary "distracted"
- ^ 日本語の「脇見運転」を、英語に翻訳する場合も「distracted driving」と訳される。“脇見運転って英語でなんて言うの?”. DMM. 2018年6月21日閲覧。。また、通話しながら、通信しながら、カーナビ操作しながら、等々、この記事で列挙している例のいずれも「distracted driving」の一種である。
- ^ [1]
- ^ 北海道「カーテレビを見ながら運転し死亡事故」 Archived 2007年12月26日, at the Wayback Machine.
- ^ 羽生善治は、かつて運転をした時期があったが、運転中に(自分でもほとんど気付かないうちに、いつのまにか、無意識に)将棋の手について思考してしまうことがあり、ある時、それが非常に危険な状態だと気づいて運転は止めた、電車に乗ったり運転は家族にまかせるようにして、自分ではもう運転はしないようにした、と自身の著書で明かしている。
- ^ 駐車場などに車を停めて、しっかりパーキングブレーキを引き、ペダル類やハンドル類から足や手を離せば、一応「運転中」ではなくなる。また(道路でも、安全な場所で)路肩にしっかりと寄せて止めて、さらにパーキングブレーキをしっかりと引いて、ペダル類からも足を離せば、一応は「運転中」とは見なされない。(だが、交差点の5メートル以内でそういうことをすると違法である。一般に、明らかに交通の妨げになるような場所では路肩停車すらしてはいけない。)車線の真ん中あたりにいるのに、ただブレーキを踏んでいるからと言って「自分は運転中じゃない」などと(事実に反したことを)思うこと自体が根本的な間違い、深刻な間違いである。
- ^ 盛岡地裁 「21人死傷の衝突、原因はタバコ」2008年1月16日
- ^ 近畿運輸局「脇見運転を防止しましょう」
- ^ TBC東北放送「東北大”喫煙者は交通死亡事故のリスク高い」
- ^ 琉球新報【中国時報】運転中の喫煙禁止へ 台湾立法院通過
- ^ a b c d e “ながら運転(スマホ)と企業のリスク管理”. smartdrivemagazine. 2018年2月16日閲覧。
- ^ ながらスマホ運転5人死傷の名神事故、求刑上回る2年8カ月の実刑判決 「検察は、ながらスマホを過小評価」大津地裁 1/2 2/2 産経新聞2018年3月19日
- ^ Webタイムス 傘差し(傘の固定に関しても記述) 2006年6月9日921号
- ^ 「傘を差し、物を担ぎ、物を持つ等視野を妨げ、又は安定を失うおそれのある方法で、大型自動二輪車、普通自動二輪車、原動機付自転車又は自転車を運転しないこと。」東京都道路交通規則8条1項3号
- ^ 東京都道路交通規則8条1項4号