「ちりめんじゃこ」の版間の差分
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→混入物: 無毒なふぐの稚魚 タグ: 2017年版ソースエディター |
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漁獲された際には[[タコ]]、[[エビ]]、[[カニ]]、[[タツノオトシゴ]]など、イワシ類の魚以外の様々な生物の[[稚魚]]や[[幼生]]が混入している。かつてはこれらが混入したままちりめんじゃこに加工されて販売され、購入したちりめんじゃこの中からこれらの混入物を拾い集めて楽しむ者もいた。2004年に[[大阪府]][[岸和田市]]の[[きしわだ自然資料館]]の学芸員がこのような混入物を「[[チリメンモンスター]]」(略してチリモン)と名づけ、その呼び名が広まった。 |
漁獲された際には[[タコ]]、[[エビ]]、[[カニ]]、[[タツノオトシゴ]]など、イワシ類の魚以外の様々な生物の[[稚魚]]や[[幼生]]が混入している。かつてはこれらが混入したままちりめんじゃこに加工されて販売され、購入したちりめんじゃこの中からこれらの混入物を拾い集めて楽しむ者もいた。2004年に[[大阪府]][[岸和田市]]の[[きしわだ自然資料館]]の学芸員がこのような混入物を「[[チリメンモンスター]]」(略してチリモン)と名づけ、その呼び名が広まった。 |
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これらの混入物は価格の低下を招くほか、エビ・カニ |
これらの混入物は価格の低下を招くほか、混入する無毒なフグの稚魚<ref>{{Cite journal|year=2014 |title= 魚介製品へのフグ種の混入事例について|journal = 大阪市環科研報告|volume = 76|pages =25-28 |url= http://www.city.osaka.lg.jp/kenko/cmsfiles/contents/0000293/293619/r2013_25-28.pdf |accessdate=2018-12-10 |date= |month= |format=PDF |website= |work=大阪市立環境科学研究所 |publisher= 大阪市}}</ref>、エビ・カニによる[[食物アレルギー]]の表示義務が生じることなどから、近年は漁獲・製造・販売時に取り除かれるようになり、混入した状態で販売されることは少なくなった<ref>[http://www.sankei.com/west/news/140809/wst1408090014-n1.html 【大阪調査隊】シラス干しから消えた「チリメンモンスター」、どこへ行った] - 産経WEST、2014年8月9日</ref><ref>[http://fish-exp.pref.shizuoka.jp/04library/4-1-7.html 静岡県水産試験場・しらす干しに混入する生物]</ref>。一方、このチリメンモンスターを教育に生かそうとする試みが始まっている<ref>[https://www.jstage.jst.go.jp/article/suisan/82/1/82_WA2199-2/_article/-char/ja/ 柏尾翔、チリメンジャコを用いた水産・海洋教育の取り組み—チリメンモンスターを探せ—] 日本水産学会誌 Vol.82 (2016) No.1 p.40, {{DOI|10.2331/suisan.WA2199-2}}</ref>。 |
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== 加工風景 == |
== 加工風景 == |
2018年12月10日 (月) 06:01時点における版
100 gあたりの栄養価 | |
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エネルギー | 473 kJ (113 kcal) |
0.2 g | |
1.6 g | |
飽和脂肪酸 | 0.26 g |
一価不飽和 | 0.10 g |
多価不飽和 | 0.46 g |
23.1 g | |
ビタミン | |
ビタミンA相当量 |
(18%) 140 µg |
チアミン (B1) |
(10%) 0.11 mg |
リボフラビン (B2) |
(3%) 0.03 mg |
ナイアシン (B3) |
(21%) 3.1 mg |
パントテン酸 (B5) |
(8%) 0.40 mg |
ビタミンB6 |
(3%) 0.04 mg |
葉酸 (B9) |
(7%) 29 µg |
ビタミンB12 |
(179%) 4.3 µg |
ビタミンD |
(307%) 46.0 µg |
ビタミンE |
(7%) 1.0 mg |
ミネラル | |
ナトリウム |
(107%) 1600 mg |
カリウム |
(4%) 210 mg |
カルシウム |
(21%) 210 mg |
マグネシウム |
(23%) 80 mg |
リン |
(67%) 470 mg |
鉄分 |
(5%) 0.6 mg |
亜鉛 |
(13%) 1.2 mg |
銅 |
(3%) 0.05 mg |
他の成分 | |
水分 | 69.9 g |
コレステロール | 240 mg |
ビタミンEはα─トコフェロールのみを示した[2]。原材料: かたくちいわし、まいわし等の幼魚。主として関東向け | |
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%はアメリカ合衆国における 成人栄養摂取目標 (RDI) の割合。 |
ちりめんじゃこ(縮緬雑魚)は、イワシ類(カタクチイワシ・マイワシ・ウルメイワシ・シロウオ・イカナゴなど)の仔稚魚を食塩水で煮た後、天日などで干した食品。ごく小さな魚を平らに広げて干した様子が、細かなしわをもつ絹織物のちりめん(縮緬)を広げたように見えることからこの名前がついた。魚そのものはシラスといい、しっかり干さないものはその名で呼ばれることもある。
収量が多く、油分の少ないカタクチイワシの仔魚が用いられることが多い。ちりめんじゃこの体長は一般に10~40mmのものを指し、20mm前後のものが商品として一般的である。また、牛乳と共にカルシウムを多く含む食品の代名詞ともなっている。
呼び名
ちりめんじゃこは関西での呼び名[3]で、茹で上げた状態の物を「ちりめんじゃこ(かまあげ)」、茹で上げた状態の物をさらに乾燥させたものを「ちりめんじゃこ(上乾:じょうぼし)」として別の商品として売られている。関東ではシラス干しと呼ばれ[3]生乾きの状態で出荷されていたが、現在ではその区別はあいまいになってきている。京都では「ややとと」とも言う[4]。
漁獲
春から秋はカタクチイワシの仔魚、冬季はマイワシやウルメイワシの仔魚が漁獲される。マイワシは2~3月に日本の南側の海で産卵し、その稚魚は3~5月に太平洋岸や瀬戸内海で水揚げされる。主な産地は熊本、愛媛、徳島、広島、高知、兵庫、和歌山、愛知、静岡。
加工
いったん漁獲された仔魚は傷みが早いので、水揚げ当日に製品まで加工される。この項では天日干しによる生産を解説する。
漁獲
当日天日干しする関係から、漁期中でも雨の日は出漁しない。毎朝当日の天候や波の状況を確認した上で出漁の可否を判断する。漁船は単独または2隻一組になって目の細かい網を引く。漁獲後は直ちに漁港に帰還するが、出漁から帰港まで1~数時間である。
選別
漁港で水揚げされた仔稚魚は直ちに加工場に運ばれる。細かい網での漁なのでイカ・タコ・アジ・サバ等の仔稚魚が混入しており、これらの異種魚を除く。この状態の生の仔稚魚を高知県ではドロメと呼び、酢味噌で味付けしたものは酒の肴として珍重される。
煮る
漁船の帰港時には既に大釜に食塩水が煮立っている。選別された仔稚魚は釜で短時間煮られる。釜から取り出した未乾燥品を「釜揚げシラス」と呼び、冷凍して出荷する(観光地ではみやげ物として地元の冷凍釜揚げシラスを売っている)。
天日にて乾かす
日当たり・風通しの良いところに細かい網を水平に開き、その上に煮あがったちりめんじゃこを拡げる。これは手作業で行われる。干す時間は当日の天気や、風の具合によって判断する。
製品
1980年代までは、日持ちがする塩分の高い(塩辛い)物が好まれたが、最近は健康への関心の高まりから減塩された製品が多くなっている。
混入物
漁獲された際にはタコ、エビ、カニ、タツノオトシゴなど、イワシ類の魚以外の様々な生物の稚魚や幼生が混入している。かつてはこれらが混入したままちりめんじゃこに加工されて販売され、購入したちりめんじゃこの中からこれらの混入物を拾い集めて楽しむ者もいた。2004年に大阪府岸和田市のきしわだ自然資料館の学芸員がこのような混入物を「チリメンモンスター」(略してチリモン)と名づけ、その呼び名が広まった。
これらの混入物は価格の低下を招くほか、混入する無毒なフグの稚魚[5]、エビ・カニによる食物アレルギーの表示義務が生じることなどから、近年は漁獲・製造・販売時に取り除かれるようになり、混入した状態で販売されることは少なくなった[6][7]。一方、このチリメンモンスターを教育に生かそうとする試みが始まっている[8]。
加工風景
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ちりめんじゃこ漁船の出漁 高知県田野浦漁港にて
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生のちりめんじゃこ
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ちりめんじゃこの天日干し
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干し網上のちりめんじゃこ
脚注
- ^ 文部科学省 「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」
- ^ 厚生労働省 「日本人の食事摂取基準(2015年版)」
- ^ a b 札埜和男『大阪弁「ほんまもん」講座』新潮社、2006年 ISBN 978-4106101601 p7
- ^ ややととの意味・解説 Weblio辞書
- ^ “魚介製品へのフグ種の混入事例について” (PDF). 大阪市環科研報告 (大阪市) 76: 25-28. (2014) 2018年12月10日閲覧。.
- ^ 【大阪調査隊】シラス干しから消えた「チリメンモンスター」、どこへ行った - 産経WEST、2014年8月9日
- ^ 静岡県水産試験場・しらす干しに混入する生物
- ^ 柏尾翔、チリメンジャコを用いた水産・海洋教育の取り組み—チリメンモンスターを探せ— 日本水産学会誌 Vol.82 (2016) No.1 p.40, doi:10.2331/suisan.WA2199-2