「熱可塑性樹脂」の版間の差分
削除された内容 追加された内容
リダイレクト |
合成樹脂 2017年5月24日 (水) 08:07 の一部転記 |
||
1行目: | 1行目: | ||
'''熱可塑性樹脂'''(ねつかそせいじゅし、{{lang-en-short|[[w:Thermoplastic|Thermoplastic resin]]}})は加熱により軟化する[[高分子]]。 |
|||
⚫ | |||
== 概要 == |
|||
熱可塑性樹脂は[[ガラス転移温度]]または[[融点]]に達すると軟化する。熱可塑性樹脂は機械加工に適さない場合が多々あるので[[射出成形]]や[[真空成形]]等が一般的に適用される。[[熱硬化性樹脂]]よりも[[靭性]]が優れ、成形温度は高いが短時間で成形できるので[[生産性]]が優れる。その他にも[[ホットメルト接着剤]]や[[熱溶解積層法]]の[[3Dプリンタ]]などに使用される<ref>{{citation|url=https://www.protolabs.co.jp/resources/design-tips/thermoplastic-versus-thermoset-materials/ |title=卵とチーズでわかる熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂 }}</ref><ref>{{citation|url=http://www.polyplastics.com/jp/pavilion/beginners/02-01.html |title=プラスチックにはどんなものがある? }}</ref>。加熱すれば何度でも成形できるのでリサイクルが比較的容易。 |
|||
== 熱可塑性樹脂の例 == |
|||
==== 汎用プラスチック ==== |
|||
家庭用品や電気製品の外箱(ハウジング)、雨樋や窓の[[サッシ]]などの建築資材、フィルムやクッションなどの梱包資材等、比較的大量に使われる。 |
|||
* [[ポリエチレン]] (PE) |
|||
** [[ポリエチレン|高密度ポリエチレン]](HDPE) |
|||
** [[ポリエチレン|中密度ポリエチレン]](MDPE) |
|||
** [[低密度ポリエチレン]](LDPE) |
|||
* [[ポリプロピレン]] (PP) |
|||
* [[ポリ塩化ビニル]] (PVC) |
|||
** [[ポリ塩化ビニリデン]] |
|||
* [[ポリスチレン]] (PS) |
|||
* [[ポリ酢酸ビニル]] (PVAc) |
|||
* [[ポリウレタン]](PUR) |
|||
* [[テフロン]] — (ポリテトラフルオロエチレン、PTFE) |
|||
* [[ABS樹脂]](アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂) |
|||
* [[AS樹脂]] |
|||
* [[アクリル樹脂]] (PMMA) |
|||
他 |
|||
==== エンジニアリング・プラスチック ==== |
|||
{{main|エンジニアリングプラスチック}} |
|||
家電製品に使われている[[歯車]]や[[軸受け]]、CDなどの記録媒体等、強度や壊れにくさを特に要求される部分に使用される。略して'''エンプラ'''とも呼ばれる。 |
|||
* [[ポリアミド]] (PA) |
|||
** [[ナイロン]] |
|||
* [[ポリアセタール]] (POM) |
|||
* [[ポリカーボネート]] (PC) |
|||
* [[変性ポリフェニレンエーテル]](m-PPE、変性PPE、PPO) |
|||
* [[ポリエステル]] (PEs)の内、 |
|||
** [[ポリエチレンテレフタラート|ポリエチレンテレフタレート]] (PET) |
|||
<!--* ポリエチレンテレフタレート・ガラス樹脂入り (PET-G) --- 情報が怪しい--> |
|||
** グラスファイバー強化ポリエチレンテレフタレート (GF-PET) |
|||
** [[ポリブチレンテレフタレート]] (PBT) |
|||
* 環状ポリオレフィン (COP) |
|||
他 |
|||
==== スーパーエンジニアリングプラスチック ==== |
|||
{{main|エンジニアリングプラスチック}} |
|||
特殊な目的に使用され、エンプラよりもさらに高い熱変形温度と長期使用出来る特性を持つ。略してスーパーエンプラとも呼ばれる。 |
|||
* [[ポリフェニレンスルファイド]] (PPS) |
|||
* [[ポリテトラフロロエチレン]](PTFE)一般的に[[テフロン]]と呼ばれる。 |
|||
* [[ポリスルホン|ポリサルフォン]] (PSF) |
|||
* [[ポリエーテルサルフォン]] (PES)([[w:Polyethersulfone|Polyethersulfone]]) |
|||
* [[非晶ポリアリレート]] (PAR) |
|||
* [[液晶ポリマー]] (LCP) |
|||
* [[芳香族ポリエーテルケトン樹脂|ポリエーテルエーテルケトン]] (PEEK) |
|||
* 熱可塑性[[ポリイミド]] (PI) |
|||
* [[ポリアミドイミド]] (PAI)([[w:Polyamide-imide|Polyamide-imide]]) |
|||
他 |
|||
== 出典 == |
|||
{{Reflist}} |
|||
== 関連項目 == |
|||
* [[熱硬化性樹脂]] |
|||
* [[エンジニアリングプラスチック]] |
|||
== 参考文献 == |
|||
* 藤田泰宏, 牛田善久. "熱可塑性樹脂." 高分子 34.5 (1985): 394-397. |
|||
* 井上隆. "[https://www.jstage.jst.go.jp/article/gomu1944/57/11/57_11_668/_pdf 熱可塑性エラストマー 熱可塑性エラストマーの構造と物性.]" 日本ゴム協会誌 57.11 (1984): 668-675. |
|||
== 外部リンク == |
|||
* [http://www.pwmi.or.jp/ プラスチックとプラスチックリサイクル] |
|||
* [http://www.jpif.gr.jp/ 日本プラスチック工業連盟] |
|||
* [http://www.plaken.com/index.htm 日本プラスチック加工研究会] |
|||
⚫ | |||
{{プラスチック}} |
|||
{{DEFAULTSORT:ねつかそせいしゆし}} |
|||
[[Category:合成樹脂]] |
2017年6月24日 (土) 02:02時点における版
熱可塑性樹脂(ねつかそせいじゅし、英: Thermoplastic resin)は加熱により軟化する高分子。
概要
熱可塑性樹脂はガラス転移温度または融点に達すると軟化する。熱可塑性樹脂は機械加工に適さない場合が多々あるので射出成形や真空成形等が一般的に適用される。熱硬化性樹脂よりも靭性が優れ、成形温度は高いが短時間で成形できるので生産性が優れる。その他にもホットメルト接着剤や熱溶解積層法の3Dプリンタなどに使用される[1][2]。加熱すれば何度でも成形できるのでリサイクルが比較的容易。
熱可塑性樹脂の例
汎用プラスチック
家庭用品や電気製品の外箱(ハウジング)、雨樋や窓のサッシなどの建築資材、フィルムやクッションなどの梱包資材等、比較的大量に使われる。
- ポリエチレン (PE)
- ポリプロピレン (PP)
- ポリ塩化ビニル (PVC)
- ポリスチレン (PS)
- ポリ酢酸ビニル (PVAc)
- ポリウレタン(PUR)
- テフロン — (ポリテトラフルオロエチレン、PTFE)
- ABS樹脂(アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂)
- AS樹脂
- アクリル樹脂 (PMMA)
他
エンジニアリング・プラスチック
詳細は「エンジニアリングプラスチック」を参照
家電製品に使われている歯車や軸受け、CDなどの記録媒体等、強度や壊れにくさを特に要求される部分に使用される。略してエンプラとも呼ばれる。
- ポリアミド (PA)
- ポリアセタール (POM)
- ポリカーボネート (PC)
- 変性ポリフェニレンエーテル(m-PPE、変性PPE、PPO)
- ポリエステル (PEs)の内、
- ポリエチレンテレフタレート (PET)
- グラスファイバー強化ポリエチレンテレフタレート (GF-PET)
- ポリブチレンテレフタレート (PBT)
- 環状ポリオレフィン (COP)
他
スーパーエンジニアリングプラスチック
詳細は「エンジニアリングプラスチック」を参照
特殊な目的に使用され、エンプラよりもさらに高い熱変形温度と長期使用出来る特性を持つ。略してスーパーエンプラとも呼ばれる。
- ポリフェニレンスルファイド (PPS)
- ポリテトラフロロエチレン(PTFE)一般的にテフロンと呼ばれる。
- ポリサルフォン (PSF)
- ポリエーテルサルフォン (PES)(Polyethersulfone)
- 非晶ポリアリレート (PAR)
- 液晶ポリマー (LCP)
- ポリエーテルエーテルケトン (PEEK)
- 熱可塑性ポリイミド (PI)
- ポリアミドイミド (PAI)(Polyamide-imide)
他
出典
関連項目
参考文献
- 藤田泰宏, 牛田善久. "熱可塑性樹脂." 高分子 34.5 (1985): 394-397.
- 井上隆. "熱可塑性エラストマー 熱可塑性エラストマーの構造と物性." 日本ゴム協会誌 57.11 (1984): 668-675.