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2013年10月30日 (水) 02:33時点における版
ニワトコ属 | ||||||||||||||||||
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分類 | ||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||
Sambucus L. | ||||||||||||||||||
種 | ||||||||||||||||||
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ニワトコ属(ニワトコぞく、学名:Sambucus、和名漢字表記:庭常属、接骨木属)はスイカズラ科の属の一つ。ニワトコ属は、新しいAPG植物分類体系ではレンプクソウ科に移されている。
特徴
落葉の小高木、低木または多年草。茎に皮目があり、中に太い髄がある。葉は対生し、奇数羽状複葉で小葉の縁に鋸歯がある。花は両性で小型、放射相称、枝先に集散状散房花序か円錐花序に多数つく。花冠は車状に(3-)5深裂する。雄蘂は(3-)5個。子房は半下位で3-5室。果実は液果状の核果となる。
世界に約25種が知られる。その多くが北半球の温帯から熱帯にかけて分布し、オーストラリア、タスマニア、南アメリカにも分布が及ぶ。日本には2種が生育する。
種
日本の種
- ソクズ(クサニワトコ) Sambucus chinensis Lindl.
- ニワトコ Sambucus racemosa L. subsp. sieboldiana (Miq.) H.Hara
- オオニワトコ Sambucus racemosa L. subsp. sieboldiana (Miq.) H.Hara var. major (Nakai) Murata
- エゾニワトコ Sambucus racemosa L. subsp. kamtschatica (E.L.Wolf) Hultén
栽培種、外国の種
- セイヨウアカミニワトコ Sambucus racemosa L. subsp. racemosa -ニワトコの基本種
- アメリカニワトコ Sambucus canadensis L.
- セイヨウニワトコ Sambucus nigra L.
- コウライニワトコ Sambucus williamsii Hance
ギャラリー
利用
欧米では果実が赤いセイヨウアカミニワトコ(European red elder)、果実が黒いアメリカニワトコ(American elder)、セイヨウニワトコ(Black elder)などを利用し、果実を果実酒やジャムにしたり、花序を解熱・鎮痛等の薬用にしたりする。花序とショ糖、柑橘類などで煮詰めて作ったコーディアルは、イギリスやオーストラリアでエルダーフラワーコーディアル(Elderflower cordial)と呼ばれ、カルピスのように、水で薄めて飲用される。また、カルピスウォーターのように薄めずに飲めるエルダーフラワー(Elderflower)と呼ばれているレモネードタイプもある。またオーストリア、ドイツなどではホルンダーブルューテン(Holunderblüten)と呼ばれ、水や炭酸水で割って一般に広く飲用されている。
窒素に富んだ土壌を好み、古代の人間の居住区跡や、ウサギの群生地からニワトコの残骸が出土することが多い。このため、古代の人々は、ウサギはニワトコを日よけ代わりに利用していて、それゆえニワトコの生えている場所を好むと推量していた。
伝承
人々の生活と密接な関係があるニワトコには、多くの伝説が生まれた。ユダはニワトコの木(セイヨウハナズオウであるとも言う)で首を吊ったと言われる。ニワトコの木の根元に生えるキノコは、首を吊ったユダの呪いが具現化したものだと畏怖され、「ユダの耳茸」と呼ばれた。また、ニワトコを素材に作ったゆりかごで赤ん坊を寝かせると、ニワトコに生気を吸い取られる、ニワトコの枝で子供を叩くと成長が止まってしまう、ニワトコの木で家を建てると、怪奇現象に見舞われるなど、ニワトコにまつわる不吉な風聞は、枚挙に暇が無い。
1997年の刊行と同時に世界的なベストセラーとなったファンタジー小説「ハリー・ポッターシリーズ」の作中では、死の秘宝のひとつである最強の杖の材料として選ばれている。
参考文献
- アリス・M・コーツ「花の西洋史事典」(八坂書房)
- 佐竹義輔他編『日本の野生植物 木本Ⅱ』(1989年)平凡社
- 茂木透、城川四郎他『樹に咲く花(合弁花・単子葉・裸子植物) 山溪ハンディ図鑑5』(2001年)山と溪谷社
- 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)