「三囲神社」の版間の差分

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'''三囲神社'''(みめぐりじんじゃ)は、[[東京都]][[墨田区]][[向島 (墨田区)|向島]]に在る[[神社]]である。祭神は[[宇迦御魂之命]](うがのみたまのみこと)。
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[[File:Mimeguri.jpg|thumb|背景に三囲神社の鳥居が覗く。歌川国貞画。1853]]

==概要==
==概要==
[[倉稲魂命]]=[[宇迦之御魂神]]を祀る。旧[[村社]](現在はかつての小梅村にあたる地区にあるが、旧地は須崎村にあったと推測されている)。元、田中稲荷と称した。創立年代は不詳。伝によれば、[[近江国]]三井寺の[[僧]][[源慶]]が当地に遍歴して来た時、小さな祠のいわれを聞き、社壇の改築をしようと掘ったところ、壺が出土した。その中に、右手に宝珠を、左手にイネを持ち、白狐に跨った老爺の[[神像]]があった。このとき、白狐がどこからともなく現れ、その神像の回りを3回回って死んだ。三囲の名称はここに由来するという。
[[倉稲魂命]]=[[宇迦之御魂神]]を祀る。旧[[村社]](現在はかつての小梅村にあたる地区にあるが、旧地は須崎村にあったと推測されている)。元、田中稲荷と称した。創立年代は不詳。伝によれば、[[近江国]]三井寺の[[僧]][[源慶]]が当地に遍歴して来た時、小さな祠のいわれを聞き、社壇の改築をしようと掘ったところ、壺が出土した。その中に、右手に宝珠を、左手にイネを持ち、白狐に跨った老爺の[[神像]]があった。このとき、白狐がどこからともなく現れ、その神像の回りを3回回って死んだ。三囲の名称はここに由来するという。

2013年8月6日 (火) 07:54時点における版

座標: 北緯35度42分54秒 東経139度48分24.45秒 / 北緯35.71500度 東経139.8067917度 / 35.71500; 139.8067917

三囲神社(みめぐりじんじゃ)は、東京都墨田区向島に在る神社である。祭神は宇迦御魂之命(うがのみたまのみこと)。

背景に三囲神社の鳥居が覗く。歌川国貞画。1853

概要

倉稲魂命宇迦之御魂神を祀る。旧村社(現在はかつての小梅村にあたる地区にあるが、旧地は須崎村にあったと推測されている)。元、田中稲荷と称した。創立年代は不詳。伝によれば、近江国三井寺の源慶が当地に遍歴して来た時、小さな祠のいわれを聞き、社壇の改築をしようと掘ったところ、壺が出土した。その中に、右手に宝珠を、左手にイネを持ち、白狐に跨った老爺の神像があった。このとき、白狐がどこからともなく現れ、その神像の回りを3回回って死んだ。三囲の名称はここに由来するという。

元禄6年(1693年)、旱魃の時、俳人其角が偶然、当地に来て、地元の者の哀願によって、この神に雨乞いする者に代わって、「遊(ゆ)ふた地や田を見めくりの神ならは」と一句を神前に奉ったところ、翌日、降雨を見た。このことからこの神社の名は広まり、京都の豪商三井氏が江戸に進出すると、その守護神として崇め、三越の本支店に分霊を奉祀した。

本来は牛島神社の隣にあったが、洪水で一度流され、河岸に堤が築かれることになった際に南へ少し移動した[1]。その堤のために、対岸から見ると、鳥居が堤から奇妙に頭だけ出しているように見え、浮世絵などに好んで描かれた。

三井家との関係

三井家では、享保年間に三囲神社を江戸における守護社と定めた。理由は、三囲神社のある向島が、三井の本拠である江戸本町から見て東北の方角にあり、鬼門だったことと、三囲神社の“囲”の文字に三井の“井”が入っているため、「三井を守る」と考えられたため。社域の一角には没後100年を経た三井家当主たちを祀った「顕名霊社」がある。三井グループ各社の総務部によって三囲会が組織されており、年に4回代表が一堂に会し祭典を催している[2]。閉店した池袋三越前にあったライオン像も寄贈されている。

祭神

宇迦之御魂之命、宇迦御魂之命

丹後神社の祭神も、宇迦御魂之命である。

その他

三囲神社の三柱鳥居
三囲神社のライオン像
三囲神社の三つ穴灯篭

この神社の境内には、隅田川七福神のうち「恵比寿」・「大国神」が祀られている。

木嶋神社と同様の石造りの三柱鳥居がある。

この石造りの三柱鳥居は「三井邸より移す。原型は京都太秦・木嶋神社にある」と境内に表示されている。

ライオンの狛犬

神社境内の狛犬のそばにライオン像がおかれている。三越百貨店の入り口に置かれているものと同じ像で、2009年に三越から奉納された。かつては池袋三越店頭に設置されていたもので、同店の閉店に伴い、神社からの申し出により、三越と強い縁を持っている事から実現した。

灯ろう

三囲神社の灯ろうの火袋には三つの穴があいている。 三つ穴灯篭三郷市丹後神社にもある。

三囲神社、丹後神社の祭神は共に宇迦御魂之命である。

所在地

脚注

  1. ^ 隅田川少考
  2. ^ 三井広報委員会 SPOT三囲神社

外部リンク