「ブリオッシュ」の版間の差分
13行目: | 13行目: | ||
[[シチリア]]ではブリオッシャ(brioscia)と呼ばれ、よく[[グラニテ|グラニタ]]と共に食したり、二つ切りにしてグラニタをはさんで食べたりする。 |
[[シチリア]]ではブリオッシャ(brioscia)と呼ばれ、よく[[グラニテ|グラニタ]]と共に食したり、二つ切りにしてグラニタをはさんで食べたりする。 |
||
発祥は[[16世紀]]の[[オート=ノルマンディー地域圏|ノルマンディー高地地方]]で、当地はバター等の良質の乳製品の産地として有名であった。現代ではブリオッシュを朝食に食べることがあるが、[[中世]]ヨーロッパでは、主食とするパンは小麦粉を水と塩のみで練って作るもので、バターや牛乳、卵の入ったブリオッシュのようなパンは菓子であると考えられていた。[[18世紀]]のフランス王妃[[マリー・アントワネット]]が言ったと伝えられる「[[ |
発祥は[[16世紀]]の[[オート=ノルマンディー地域圏|ノルマンディー高地地方]]で、当地はバター等の良質の乳製品の産地として有名であった。現代ではブリオッシュを朝食に食べることがあるが、[[中世]]ヨーロッパでは、主食とするパンは小麦粉を水と塩のみで練って作るもので、バターや牛乳、卵の入ったブリオッシュのようなパンは菓子であると考えられていた。[[18世紀]]のフランス王妃[[マリー・アントワネット]]が言ったと伝えられる「[[ケーキを食べればいいじゃない|パンが食べられないのならお菓子を食べればよいのに]]」の「お菓子」とはこのブリオッシュのことである(ただし、この発言は捏造であることが判明している<ref>『学習漫画 世界の伝記 マリー・アントアネット』[[集英社]]</ref>)。 |
||
一般的なブリオッシュの材料は、小麦粉250gに対して牛乳65g、砂糖35g、卵120g、バター125g、塩5g、イースト10g程度の割合で(作り手によって、あるいはアレンジよって多少は異なる)粉、塩、水だけで作るリーン系のバケットはもちろん[[クロワッサン]]や[[バターロール]]などのパンと比べてもバター・卵・牛乳・砂糖といった副材料の割合が非常に多く、材料からもパンと[[パウンドケーキ]]の中間にあるようなパンである<ref>『お菓子の基本大図鑑』(2001)</ref><ref>『パンの辞典』(2006)p.18</ref><ref group="注釈">パウンドケーキは小麦粉、バター、砂糖、卵を等量に用いる。</ref>。 |
一般的なブリオッシュの材料は、小麦粉250gに対して牛乳65g、砂糖35g、卵120g、バター125g、塩5g、イースト10g程度の割合で(作り手によって、あるいはアレンジよって多少は異なる)粉、塩、水だけで作るリーン系のバケットはもちろん[[クロワッサン]]や[[バターロール]]などのパンと比べてもバター・卵・牛乳・砂糖といった副材料の割合が非常に多く、材料からもパンと[[パウンドケーキ]]の中間にあるようなパンである<ref>『お菓子の基本大図鑑』(2001)</ref><ref>『パンの辞典』(2006)p.18</ref><ref group="注釈">パウンドケーキは小麦粉、バター、砂糖、卵を等量に用いる。</ref>。 |
2012年5月21日 (月) 04:20時点における版
ブリオッシュ(仏:Brioche)はフランスの菓子パン(ヴィエノワズリー)の一つ。ブリオーシュとも書く。
概要
普通のフランスパンとは違い、水の代わりに牛乳を加え、バターと卵を多く使った口当たりの軽い発酵パンの一種である。材料が焼き菓子に近いことから、発酵の過程を要するケーキ(仏: gâteau 、ガトー)の一種とされることもある。名称はノルマン語で「(生地を麺棒で)捏ねる」を意味する動詞の古形 " brier " [注釈 1])から派生したもの。
ブリオッシュ・ア・テート(brioche à tête 、「頭のついたブリオッシュ」)という、だるまのような形に成形したものが最も一般的であるが、他にも色々な形に成形される。プロヴァンス地方などでは公現祭を祝ってガレット・デ・ロワの代わりにブリオッシュ生地を用いてブリオッシュ・デ・ロワ(brioche des Rois)またはガトー・デ・ロワ(gâteau des Rois)という菓子を作る。「ロワ」とは東方の三博士(les Rois mages)のことで、ブリオッシュ・デ・ロワは普通のブリオッシュよりも大きく、王冠のような環型の生地を砂糖漬けの果実などで飾りつける。またブリオッシュの生地は、クグロフ、サヴァラン、ババなどにも応用される。
シチリアではブリオッシャ(brioscia)と呼ばれ、よくグラニタと共に食したり、二つ切りにしてグラニタをはさんで食べたりする。
発祥は16世紀のノルマンディー高地地方で、当地はバター等の良質の乳製品の産地として有名であった。現代ではブリオッシュを朝食に食べることがあるが、中世ヨーロッパでは、主食とするパンは小麦粉を水と塩のみで練って作るもので、バターや牛乳、卵の入ったブリオッシュのようなパンは菓子であると考えられていた。18世紀のフランス王妃マリー・アントワネットが言ったと伝えられる「パンが食べられないのならお菓子を食べればよいのに」の「お菓子」とはこのブリオッシュのことである(ただし、この発言は捏造であることが判明している[1])。
一般的なブリオッシュの材料は、小麦粉250gに対して牛乳65g、砂糖35g、卵120g、バター125g、塩5g、イースト10g程度の割合で(作り手によって、あるいはアレンジよって多少は異なる)粉、塩、水だけで作るリーン系のバケットはもちろんクロワッサンやバターロールなどのパンと比べてもバター・卵・牛乳・砂糖といった副材料の割合が非常に多く、材料からもパンとパウンドケーキの中間にあるようなパンである[2][3][注釈 2]。
脚注
注釈
参照
参考文献
- 成美堂出版編集部『パンの辞典』2006年
- 講談社『お菓子の基本大図鑑』2001年