「雪代縁」の版間の差分

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== 備考 ==
== 備考 ==
完全版21巻での剣心再筆:剣心の噂を聞き、京都にどこからともなく現われ、東京へ戻った剣心を追っていくという設定に。表情は虚ろでボロボロの風体。火が通ったり味のあったりする食べ物は全く胃に受け付けず、生きたねずみを丸かじりするなどまともな人としての生活を送っていない。もうロクに斬れなくなっている(再筆版の)巴の[[懐剣]]と対をなす[[刀]]を振るう。柄尻を鷲掴みにして[[回転]]を加えつつ振るうという独特の刀捌きをする。純粋な戦闘能力は志々雄や斎藤はおろか[[鵜堂刃衛|鵜堂刃衛]]にも及ばないという設定ながらも恐るべき復讐心から生まれる力で、斎藤、[[四乃森蒼紫|蒼紫]]、[[相楽左之助|左之助]]、弥彦と戦い、重傷を負いながらも彼らを撃退する。その都度兇気と執念を増していき、最後に剣心と戦う。花札の数値では「0」というある意味でジョーカー'扱いであった。
完全版21巻での剣心再筆:剣心の噂を聞き、京都にどこからともなく現われ、東京へ戻った剣心を追っていくという設定に。表情は虚ろでボロボロの風体。火が通ったり味のあったりする食べ物は全く胃に受け付けず、生きたねずみを丸かじりするなどまともな人としての生活を送っていない。もうロクに斬れなくなっている(再筆版の)巴の[[懐剣]]と対をなす[[刀]]を振るう。柄尻を鷲掴みにして[[回転]]を加えつつ振るうという独特の刀捌きをする。純粋な戦闘能力は志々雄や斎藤はおろか[[鵜堂刃衛|鵜堂刃衛]]にも及ばないという設定ながらも恐るべき復讐心から生まれる力で、斎藤、[[四乃森蒼紫|蒼紫]]、[[相楽左之助|左之助]]、弥彦と戦い、重傷を負いながらも彼らを撃退する。その都度兇気と執念を増していき、最後に剣心と戦う。[[花札]]の数値では「0」というある意味で[[ジョーカー]]扱いであった。


後に、[[武装錬金]]の早坂秋水は縁のリボーンとなったと作者は語っている。
後に、[[武装錬金]]の早坂秋水は縁のリボーンとなったと作者は語っている。



== 脚注 ==
== 脚注 ==

2012年5月8日 (火) 10:23時点における版

雪代 縁(ゆきしろ えにし)は、『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』に登場する架空の人物。

声優は佐々木望

プロフィール

来歴・人物

剣心の妻・雪代巴の弟。

姉である巴とその許婚・清里を抜刀斎に殺された復讐のため、抜刀斎への人誅を計画する(巴が殺された当時は敵討ちは許されていたが、1873年に禁止された)。また、擬音語がしばしば漢字で表記される事がある(例:ニィィィ=破顔)。日本人なのに片言であるのは、長い上海生活のせいで日本語の発音を忘れかけたため(OVA版では普通に話している)。巻町操いわく「思ってたよりもずっと整った顔立ち」。

物心付く前に母親を亡くし、巴を母親のように慕っている。剣心への復讐のため京都へ向かった巴の後を追い、縁もまた京都に赴き、闇乃武と関わりを持つ。姉の居場所を探し当て無事再会するも、彼女の心境が変化していたことにショックを受け、その場を立ち去る。しかしその後、結界の森で起こった闇乃武との死闘の末、剣心の手によって巴へ下される悲劇の瞬間を偶然目撃する。そこから縁と剣心との私闘が始まった。

その後、東洋の魔都と言われた上海に少年の身で移り、地獄のような修羅場に身を投じる。やがて大陸で独自に発達した剣術・倭刀術を独学で習得[1] 。若年にして大陸経由の密造武器全てを取り仕切る上海闇社会の頭目にまで登り詰める。縁の率いる組織は世界最新鋭の兵器の数々や、志々雄真実一派に甲鉄艦を売り、艦隊すらも編成できるほど強力なものに成長を遂げていた。雪代縁個人の戦闘能力も人知を超えたものに成長、組織を純粋な力による統率を可能とするほどの絶大なる闘争力、剣心をもってしても自らの剣を上回るとすら言わしめる圧倒的な剣術と身体能力、何より剣心への復讐心に裏打ちされた強靭な精神力を有する。それ故に常時から精神が肉体を凌駕した状態にあり、肉体的な痛みを全く意に介さない。また、長年衰えなかった剣心への憎しみによって異常発達した神経による特異体質狂経脈への進化をも可能にした。飛天御剣流の飛翔技を全て破り、九頭龍閃、天翔龍閃すらも完全に打ち破った作中唯一の人物である。

私闘

初戦では、縁は人誅達成のために手加減を施しながら戦い、一方の剣心も罪の意識を背負いながら戦わざるを得なかったなど、双方本領発揮の状態ではなかった。しかし、縁はそれまで不敗であった天翔龍閃を打ち破り、当初の目的であった人誅を完遂する。目的を達成したことで一度は勝利を手にしたが、それと同時に己のなかの巴は笑顔を失ってゆく。

最終決戦では、薫を救うこと、そして人生への答えを見つけ出したことで、かつてない決意を抱き復活した剣心を迎え撃つ。戦いは縁が剣心を全く寄せ付けず圧倒し、飛天御剣流のあらゆる剣撃技も通じず、もはや「止めを刺すことは容易い」状態に追い詰める。戦況を観察していた斎藤も剣心に残された詰め手はないと認めるほど、完全に縁が戦いを制している状況であった。 しかし、剣心が勝てないことを悟った薫の咄嗟の呼び掛けに、巴の幻影を重ねた縁は攻撃を止め、剣心に自害することを迫る。ここで剣心は自らの人生の答えを語り、縁に失った巴の笑顔ことを問う。

縁は剣心の全てを圧倒的な力で捻じ伏せ否定しようとするために狂経脈を発動する。異次元の戦闘能力を発揮した縁を前に剣心は文字通り手も足も出ず、戦いはもはや攻防にすら至らないほど一方的な展開をむかえる。技、腕力、高さ、速さ、全ての実力の面で剣心を遥かに上回り、すぐには止めを刺さず、なぶり葬りさる状況を目の当たりにした斎藤、蒼紫、左之助は、剣心が為すすべも無いことを悟るまでに至る。しかし全員で加勢しようとした矢先、剣心は高荷恵の分析を受けた甲斐もありようやく狂経脈の弱点を見破る。完勝を確信した縁は当の剣心への思念を一気にぶつけるため一撃の下に止めを刺そうと力技で飛び掛るが、これが唯一の隙となり龍鳴閃で平衡感覚を破壊される。 最後はかつてないほどに強化された天翔龍閃(それまでに天翔龍閃を何度も見ている冷静な斎藤や蒼紫ですらも驚愕するほどのものであった)を前に、刹那、尚も立ち向かおうとするが、巴の微笑みを取り戻すことはできず、戦意喪失。

純粋な実力では剣心を遥かに凌駕していた縁であったが、結果的に両者の明暗を分けたのは戦闘力とは別問題の、己の歩んできた人生とその答えであった。

直後、呉黒星の凶弾から薫の命を救い、黒星を殺害しようとするが、剣心に諭され、警察逮捕・連行される。その時に薫から、巴が15年前の出来事の真相や、自分の真意などを綴った日記帳を受け取る。後に警察から脱走し、精根尽き果てながらも失った巴の笑顔を取り戻すため、自らが犯してきたあらゆる罪に対する償いを模索する。その際に、自分の実父と再会し、お互いにどことなく気付いているようだが、2人とも敢えて言及していない。

アニメでは、OVAの『追憶編』『星霜編』に登場。テレビでは『人誅編』は放送されることは無かった。

倭刀

倭刀(ワトウ)。詳しくは、倭刀を参照。

拵えは異国風だが、刀身は紛れもなく日本刀。かなりの長物で、室町中期以降定番となった打刀ではなく、室町前期まで主流だった太刀の方であるとしている。

倭刀術

日本の剣術をもとに大陸で独自に発達した剣術。日本剣術の速さと日本刀の切れ味に加え、大陸の破壊力ある体術としなやかな動きを取り入れることで、斬撃に何らかの勢い(技ごとに異なる)を乗せて攻撃する。縁のものは、独学のため我流交じりになっている。

蹴撃刀勢(シュウゲキトウセイ)
跳躍と同時に斬り上げた刀の峰を蹴り、足刀の威力をのせて斬撃の威力を倍加させる。
回刺刀勢(カイシトウセイ)
敵の斬撃を柄尻で受け流し、その勢いを利用して体を半回転、その勢いをのせたまま相手を突く。
朝天刀勢(チョウテントウセイ)
刀を地面に立て、柄尻を踏み台に跳躍する。
掌破刀勢(ショウハトウセイ)
掌から刀を押し出し、掌打の勢いをのせた剣撃を敵の真上から斬り下ろす。
轟墜刀勢(ゴウツイトウセイ)
敵に刀を刺した後、力まかせにそのまま相手を高く持ち上げ、落下重力を乗せて地面に叩きつける技。
疾空刀勢(シックウトウセイ)
跳躍の最高点で倭刀の重さと倭刀の振ることで生まれる反動を利用して更に加速し、敵に向かって突進する技。荷重のかかる剛刀としなやかな筋力があって初めて可能となる、空中を疾走する技。
戰嵐刀勢(センラントウセイ)
足を軸に回転を繰り返し、その遠心力を利用して連続斬りを行う。ちなみに虎伏絶刀勢と同じ構えに見えるが、こちらは刀を右手で順手に持つ。九頭龍閃と互角に打ち合う程の激しい連続斬り。
虎伏絶刀勢(コフクゼットウセイ)
倭刀術絶技。左手で刀を逆手に持ち、刀身を背中につけるという独特の構えを持つ。地に深く沈み込んで敵の攻撃を避けつつ、その大地の反動を利用、刀を半回転させる事で、その大地からの反動力を全て乗せたカウンター攻撃となる斬撃を放つ縁最大の必殺技。

狂経脈

正確には戦闘術ではなく、縁の特異体質。長年眠る事無く脳が活動し続けてきた結果、異常発達した各種神経のこと。常に神経が過敏に働いているわけではなく、縁の任意によってその力を解放・発揮する。 飛天御剣流が先読みによる行動を含めて神速を発揮しているのに対し、狂経脈は神経の反応速度が高まる事で相手の行動を見てから動いても間に合う速さを実現し、「縮地」をも上回る超々神速での動作が可能(膨大な殺気を剣心に察知され先読みをされた上でも反撃の余地すら与えない速さであり、これは先読みをされたことで反撃された瀬田宗次郎を上回る)。 また単純な動きの速さだけでなく、巻き上がる砂の一粒一粒まで見極めるほどの動体視力も兼ね備える。他者の戦闘を見て殆ど動じることのない斎藤や蒼紫ですら、その人智を超えた動きには驚きの表情を見せたほどである(作中、他に二人が他者の戦闘で動じた表情を見せるのは剣心と志々雄の戦いの時のみ)。 その戦闘力は絶大で、黒星曰く「四神4人と全兵隊をぶつけても到底かなわない」とのことであり、剣心に対しても何もさせず一方的に圧倒していた。 だがその半面、痛覚などのマイナスとなる感覚までも倍化してしまう(つまり防御力が下がってしまう)諸刃の剣でもある。ただ痛覚については先述の通り最初から精神が肉体を凌駕している状態であったために問題が無かったが、通常の聴覚でも聴覚が麻痺するほどの強烈な音撃を耳元に放つ、龍鳴閃を受けての三半規管の麻痺まではどうする事も出来ず、まともに立つことが出来なくなった。しかし力は依然として異常なもので、振り下ろした刃の衝撃が数十メートル先の地点にまで到達し、海を割るほどである。

備考

完全版21巻での剣心再筆:剣心の噂を聞き、京都にどこからともなく現われ、東京へ戻った剣心を追っていくという設定に。表情は虚ろでボロボロの風体。火が通ったり味のあったりする食べ物は全く胃に受け付けず、生きたねずみを丸かじりするなどまともな人としての生活を送っていない。もうロクに斬れなくなっている(再筆版の)巴の懐剣と対をなすを振るう。柄尻を鷲掴みにして回転を加えつつ振るうという独特の刀捌きをする。純粋な戦闘能力は志々雄や斎藤はおろか鵜堂刃衛にも及ばないという設定ながらも恐るべき復讐心から生まれる力で、斎藤、蒼紫左之助、弥彦と戦い、重傷を負いながらも彼らを撃退する。その都度兇気と執念を増していき、最後に剣心と戦う。花札の数値では「0」というある意味でジョーカー扱いであった。

後に、武装錬金の早坂秋水は縁のリボーンとなったと作者は語っている。

脚注

  1. ^ 縁が恩恵を受けながらも殺害した大陸で独自に倭刀術を研究していた日本人が記した書物から。