「ハシリドコロ」の版間の差分
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== 参考書籍 == |
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2010年6月5日 (土) 15:21時点における版
ハシリドコロ | |||||||||||||||||||||
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ハシリドコロ
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分類 | |||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||
Scopolia japonica | |||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||
ハシリドコロ |
ハシリドコロ(走野老、莨菪、Scopolia japonica)は、ナス科ハシリドコロ属の草本。別名、キチガイイモ、キチガイナスビ、オニヒルグサヤ。
特徴
日本の本州から四国・九州にかけて分布する多年草。山間の日陰などに群生する。早春に葉に包まれた新芽を出し、全長は40 - 50 cm程度に成長する。花期は4月から5月。釣鐘状の暗紫紅色の花を咲かせる。夏先には休眠状態に入るため枯れる。夏から冬までは見ることができない典型的な春植物である。
アルカロイド類の毒成分が含まれる有毒植物である。和名は、食べると錯乱して走り回ること、また、根茎がトコロ(野老)に似ていることから付けられた。
毒性と薬用
全草に毒を含むが、根茎と根が特に毒性が強い。主な成分はトロパンアルカロイドで、摂取し中毒を起こすと、嘔吐や散瞳、異常興奮を起こし、最悪の場合には死にいたる。これは、同じハシリドコロ属のベラドンナなどと同様の症状である。ハシリドコロのトロパンアルカロイドの成分は、l-ヒヨスチアミンやそのラセミ体であるアトロピン(dl-ヒヨスチアミン)、他にノルヒヨスチアミン、l-スコポラミンなどが含まれる。これらの物質は副交感神経を麻痺させるため、先述のような症状がおこるのである。
ただし、用法・用量をまもって使用すれば有用であり、成分の強い根茎と根はロートコン(莨菪根、Scopoliae Rhizoma)という薬品として日本薬局方にも収められている。ロートコンに含まれるアトロピンは硫酸アトロピンの原料になり、ロートコンの成分を水またはエタノールに浸出させたものはロートエキスと呼ばれる。ロート製薬の胃腸薬「パンシロン」シリーズにもロートエキスを含む製品があり、これが同社の社名の由来になっているという俗説があるが、実際には目薬の処方を手がけた当時の眼科医界の権威・井上豊太郎のドイツ留学時代の恩師であるミュンヘン大学教授アウグスト・フォン・ロートムントの名前にちなむものであり、ロートコンが由来というわけではない。
間違えやすい山菜
早春に土から顔を出す新芽はフキノトウと間違いやすく、葉は青々として食べられそうに見えるため誤食されやすい。
ギャラリー
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ハシリドコロの幼芽1
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ハシリドコロの幼芽2
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ハシリドコロの葉
関連項目
参考書籍
- 原色牧野和漢薬草大図鑑 旧版監修:三橋博、編集:和田浩志・寺林進・近藤健児、北隆館、ISBN 483260810X
- 新装版山渓フィールドブックス (14) 山菜 木原浩、山と渓谷社、ISBN 4635060713