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2009年6月28日 (日) 09:10時点における版

レストレード警部Inspector Lestrade)は、イギリス小説家アーサー・コナン・ドイル(Arthur Conan Doyle 1859 - 1930)によって19世紀から20世紀にかけて発表された私立探偵シャーロック・ホームズを主人公とする一連の推理小説、『シャーロック・ホームズシリーズ』に登場する、スコットランド・ヤード所属の架空の警察官

事件が自分の手に余るとベーカー街221Bを訪れ、シャーロック・ホームズに捜査の手助けを依頼する少々頼りない人物として知られているが、作中ではロンドン新聞各紙にその捜査ぶりを称えられる名物警部でもある。

ファーストネームは不明。しかし、ボール箱でホームズに宛てた手紙にはG・レストレード(G. Lestrade)と記名されており、頭文字だけは判明している(George―ジョージの可能性が高い)。

外見と評価

レストレード警部の外見に対するワトスンの印象はあまり良いものではなかったらしく、第1作『緋色の研究』に登場した際には「少し血色の悪い、ネズミのような顔をした黒目の男」[1]などと評され、『ボスコム渓谷の惨劇』でも「ずるそうな格好で人目を忍ぶように待っている、痩せたイタチのような感じの男」[2]と書かれたりしている。 とは言え、年代が下るにつれ親しさゆえかワトスンの評価もだいぶ持ち直し、『ブルース・パーティントン設計書』ではマイクロフトと共にベーカー街を訪ねた彼の外見について「痩せた、厳めしい顔つきの男」[3]と表現されていた。

捜査官としては常にホームズの後塵を拝し、その能力についても折につけ酷評されているような印象があるものの、ホームズのスコットランド・ヤードをはじめとする警察組織全体に対する評価と比べると、ボール箱などで語られる彼のレストレード警部に対する評価は意外に高く、時には『六つのナポレオン』のように警察の組織力を活用してホームズを驚かせるほどの短時間で被害者の身元を割り出すなど、彼の有能さを示す描写も作中に見ることができ、『空き家の冒険』でも久々に再会した喜びを述べる中、ホームズに「一年に迷宮入り殺人事件が3件も出るようでは、さぞかし非公式の助力が必要だろう」と指摘されながらも、それに続いて「モウルジー事件での手際はいつもとは違い、なかなか見事だった」と少々皮肉混じりではあるが、その手腕を評価される一幕があった。

しかし、物語への登場期間の長さに反して、作中でのレストレードの階級は初登場時から一貫して警部のままであり、新聞でも常々有能と称される世間の評判と裏腹に一階級も昇進した様子はない。そのため、「ホームズ作品に登場するレストレードなる人物は、実は複数存在するのではないか」と言う意見もある。

ホームズとの交流

緋色の研究に登場して以来、レストレード警部はホームズ作品警察関係者の中では最も頻繁に姿を見せる人物だけあって、ホームズワトスン両名との関わりも深い。

当初はホームズをアマチュアと侮り、その捜査の方法をやや軽蔑を含んだ目で見ていたが、共に難事件に携わりながらそれらを解決する手際を見るうちに次第に彼の能力に敬意を表するようになり、『六つのナポレオン』の頃には時折個人的にベーカー街を訪れて談笑し、不可解な事件を鮮やかに解決したホームズの手腕をワトスン共々憚りなく絶賛するほどにまで打ち解けたが、『ブルースパーティントン設計書』では証拠を得るために夜盗まがいの行動を取ったホームズに対して、「あまりそんな事ばかりしていると、そのうちとんでもない目にあいますよ」と対抗心を見せながら手厳しく釘を刺した。

主にレストレード警部の担当している事件にホームズが関わって行くのが基本的な流れだが、『バスカヴィル家の犬』、及び『空き家の冒険』ではホームズからの依頼に応じて警部が現地へと駆けつけており、特に『空き家の冒険』の際にはホームズとの会話から、指名での依頼ではなかったが彼自身がその件に志願したことが窺える。

登場作品

ドイル自身の筆による作品

パスティーシュ作品

M.J.トロー (en:M. J. Trow)が、レストレードを主人公としたパスティーシュ小説シリーズを発表している。

日本語訳は以下の通り。

脚注

  1. ^ 原文 Little sallow, rat-faced, dark-eyed fellow
  2. ^ 原文 A lean, ferret-like man, furtive and sly-looking, was waiting
  3. ^ 原文 Thin and austere