「通信カラオケ」の版間の差分

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===== BMB(旧・日光堂→ユーズBMBエンタテイメント)が発売した機種 =====
===== BMB(旧・日光堂→ユーズBMBエンタテイメント)が発売した機種 =====
;neon(ネオン)、neonR
;neon(ネオン)、neonR
:ナイト市場向けとして開発された。neonはディスクチェンジャー式neonRはハードディスク一体型。BMB BeMAX'Sと互換性があるが曲数は少ない。
:neonは1997年、neonRは2000年発売。ともにナイト市場向けとして開発された。
:neonはディスクチェンジャー式で、neonRはハードディスク一体型。BMB BeMAX'Sと互換性があるが曲数は少ない。
:初代neonは2008年1月末に配信終了。
:neonは2008年1月末に配信終了したが、neonRは配信継続中
;neonR2
;neonR2
:neonRの後継機。UGA同様縦置きに対応、ブロードバンド対応、[[Bluetooth]]<sup>&reg;</sup>対応のリモコンを装備している。
:2004年発売。neonRの後継機。UGA同様縦置きに対応、ブロードバンド対応、[[Bluetooth]]<sup>&reg;</sup>対応のリモコンを装備している。
;B-kara(ビーカラ)
;B-kara(ビーカラ)
:BMB BeMAX'Sの曲がすべてリクエスト可能になり曲数の大幅増。[[アニメソング]]を大量配信した時期もあった。
:2002年発売。BMB BeMAX'Sの曲がすべてリクエスト可能になり曲数の大幅増。[[アニメソング]]を大量配信した時期もあった。
;[[UGA (カラオケ)|UGA(ウガ)]]
;[[UGA (カラオケ)|UGA(ウガ)]]
:B-karaの楽曲も選択可能。縦置き、プラズマビジョン対応。実演奏音源に対応するようになり、曲数は130,000曲(業界最多)を超えた<ref>[[2008年]]3月現在。[http://www.bmb.co.jp/product/equipment/uga/index.html BMBサイトの製品案内]より</ref>。業界初のBluetooth<sup>&reg;</sup>対応リモコン「コナビ」・電子早見本「ナビカラ」(オプション)に対応。2004年グッドデザイン賞受賞。
:2004年発売。B-karaの楽曲も選択可能。縦置き(専用システムキャビネット使用)、プラズマビジョン対応。実演奏音源に対応するようになり、曲数は130,000曲(業界最多)を超えた<ref>[[2008年]]3月現在。[http://www.bmb.co.jp/product/equipment/uga/index.html BMBサイトの製品案内]より</ref>。業界初のBluetooth<sup>&reg;</sup>対応リモコン「コナビ」・電子早見本「ナビカラ」(オプション)に対応。2004年グッドデザイン賞受賞。
;U+(ウガプラス)
;U+(ウガプラス)
:曲数はUGAとほぼ変わらないが、業界最高水準の128音に対応。また、動画収録数の大幅増加やハイビジョン出力対応など、動画関連の強化が目立つ。
:2005年発売。曲数はUGAとほぼ変わらないが、業界最高水準の128音に対応。また、動画収録数の大幅増加やハイビジョン出力対応など、動画関連の強化が目立つ。2006年グッドデザイン賞受賞
;UGA楽宴(-らくえん)
;UGA楽宴(-らくえん)
:宴会場などに対応したワゴンカラオケ。曲数はneon+UGAのスタ録。
:2005年発売、2006年に名称そのままでマイナーチェンジ。宴会場などに対応したワゴンカラオケ。CCDカメラユニット標準搭載、客席側・歌い手側デュアルディスプレイなど高機能。Bluetooth<sup>&reg;</sup>リモコンにも対応。曲数はneon+UGAのスタ録。2006年グッドデザイン賞受賞
;UGA楽宴 Lite(-ライト)
:2007年発売。「UGA楽宴」の簡易版。曲数は約30000曲(発売時)。


===== パイオニアが開発した機種 =====
===== パイオニアが開発した機種 =====
;BeMAX'S(ビーマックス)
;BeMAX'S(ビーマックス)
:1995年発売。パイオニアと[[東映ビデオ]]、旧JHC(倒産→パイオニア子会社として再建→現BMB)、旧日光堂(現BMB)が共同開発し同一のプラットフォームを持つ。同じハードではあるがコンテンツは独立している。BMB BeMAX'Sがもっとも曲数が多い。また、東映BeMAX'Sは一部にアニメ映像を使用している。2007年1月末配信終了。
:1995年発売。パイオニアと[[東映ビデオ]]、旧JHC(倒産→パイオニア子会社として再建→現BMB)、旧日光堂(現BMB)が共同開発し同一のプラットフォームを持つ。同じハードではあるがコンテンツは独立している。BMB BeMAX'Sがもっとも曲数が多い。また、東映BeMAX'Sは一部にアニメ映像を使用している。2007年1月末配信終了したが、電話回線に接続すれば利用可能
;Super BeMAX'S(スーパー・ビーマックス)、V-BeMAX'S(ブイ・ビーマックス)
;Super BeMAX'S(スーパー・ビーマックス)、V-BeMAX'S(ブイ・ビーマックス)
:Be MAX'Sの上位機種で'''フリカラ'''などの機能がある。大容量ハードディスクとDVD動画を使用。V-Be MAX'Sはコストパフォーマンスを重視したモデル。旧日光堂は参入せず独自のハード持つようになる(neonB-kara)
:1998年発売。BeMAX'Sの上位機種で'''フリカラ'''などの機能がある。大容量ハードディスクとDVD動画を使用。V-Be MAX'Sはコストパフォーマンスを重視したモデル。旧日光堂は開発に参入せず1997年に独自開発「neon」発売、BeMAX'S連合から離脱した(BMB BeMAX'Sの配信サポートは継続)
:このハードは2002年、パイオニアのカラオケ事業撤退により'''BMB'''に権利を譲渡した。
:このハードは2002年、パイオニアのカラオケ事業撤退により'''BMB'''に権利を譲渡した。2004年には東映ビデオも権利を'''BMB'''へ譲渡。こうしてBMBは、一度連合から離脱しながら、最終的にBeMAX'Sシリーズ全機種の権利を手中に収めた。


===== USENが発売した機種 =====
===== USENが発売した機種 =====
;U-kara(ユーカラ)シリーズ(U-kara、U-KARA02、U-kara II、U-kara 3)
;U-kara(ユーカラ)シリーズ(U-kara、U-KARA02、U-kara II、U-kara 3)
:U-karaは1994年、U-KARA02は1995年、U-kara IIは1996年、U-kara 3は1999年にそれぞれ発売。
:[[松田聖子]]全曲配信イメージキャラクター抜擢で話題となった。
:[[松田聖子]]全曲配信・彼女のイメージキャラクター抜擢で話題となった。
:USENとの資本・業務提携の一環として権利を譲り受け、現在は'''BMB'''の権利。
:USENとの資本・業務提携の一環として権利を譲り受け、現在は'''BMB'''の権利。
:U-kara 3を除いて、2008年1月末に配信終了。
:U-kara 3を除く旧機種は2008年1月末に配信終了したが、電話回線に接続すれば利用可能


===== タイカン(現・BMB)が発売した機種 =====
===== タイカン(現・BMB)が発売した機種 =====
;ビビットメディア (Vivit)
;ビビットメディア (Vivit)
:2000年発売。発売ら2年後、タイカンはBMBと合併し消滅、現在は'''BMB'''が権利を持。またBMBとの合併前に、セガカラにも楽曲を配信していたため、曲のラインナップと選曲番号はセガカラとほとんど同じである。
:2000年発売。かつセガカラにも楽曲を配信していたため、曲のラインナップと選曲番号はセガカラとほとんど同じである。また、家庭用ハンディカラオケ『MicBoy(マイクボーイ)』のフラッシュROMへ配信曲を追加する機能を持つ
:発売から2年後、タイカンはBMBと合併し消滅、現在は'''BMB'''が権利を持つ。
:セガカラは2008年1月末で配信を終了したが、ビビットメディアには現在も新曲が配信されている。
:セガカラは2008年1月末で配信を終了したが、ビビットメディアには現在も新曲が配信されている。


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;NET(ネット)シリーズ(NET7000、NET II、NET III)
;NET(ネット)シリーズ(NET7000、NET II、NET III)
:曲数は少ないが、レーザーカラオケとの掛け合わせが可能。
:曲数は少ないが、レーザーカラオケとの掛け合わせが可能。
:2007年6月、BMBが株式会社CTAの株式を創業者一族から取得し子会社化、「NET」シリーズの権利を獲得。そして同年9月1日をもってBMBにカラオケ事業を譲渡した。<!-- 現在CTAは休眠状態である。 -->
:2007年6月、BMBが株式会社CTAの株式を創業者一族から取得し子会社化、「NET」シリーズの権利を獲得。そして同年9月1日をもってBMBにカラオケ事業を譲渡した。<!-- 現在株式会社CTAは企業としては休眠状態である。 -->
:NET7000は既に配信終了、NET IIも2008年6月末に配信終了する予定(NET IIIは継続)。
:NET7000は既に配信終了、NET IIも2008年6月末に配信終了する予定(NET IIIは継続)。


==== エクシング ====
==== エクシング ====
[[ブラザー工業]]グループ。現在でこそ第一興商やBMBグループの後塵を拝しているが、世界初の通信カラオケであるタイトー「X-2000」と同じ1992年に「JOYSOUND(JS-1)」を発売した、業務用通信カラオケの先駆者である。
[[ブラザー工業]]グループ。現在でこそ第一興商やBMBグループの後塵を拝しているが、世界初の通信カラオケであるタイトー「X2000」と同じ1992年に「JOYSOUND(JS-1)」を発売した、業務用通信カラオケの先駆者である。


===== エクシングが発売した機種 =====
===== エクシングが発売した機種 =====
;[[JOYSOUND]](JS-1/2/10/20シリーズ)
;[[JOYSOUND]](JS-1/2/10/20シリーズ)
:JS-1は1992年、JS-2/10は1993年、JS-20は1994年にそれぞれ発売。
:通信カラオケ黎明期に発売。一時期までは通信カラオケのシェアの1位であった。
:通信カラオケ黎明期に発売。1997年にDAMに抜かれるまでは通信カラオケのシェアの1位であった。
:JS-1/JS-2/JS-10シリーズは2006年8月に新規配信終了。JS-20シリーズも2008年9月末に新規配信終了する予定。なお、配信終了した機種も電話回線に接続し使用料を支払えば、配信終了時までに配信された楽曲でカラオケを楽しめる。
:JS-1/2/10シリーズは2006年8月に配信終了。JS-20も2008年9月末に配信終了予定。なお、配信終了した機種も電話回線に接続し使用料を支払えば、配信終了時までに配信された楽曲でカラオケを楽しめる。
;HyperJoy(JS-30)、HyperJoy V2(JS-70/70II)、HyperJoy WAVE(JS-W1)
;HyperJoy(JS-30)、HyperJoy V2(JS-70/70II)、HyperJoy WAVE(JS-W1)
:[[DAM (カラオケ)|DAM]]などに押されて、いまいちパッとしなかったJOYSOUNDだったが、新機種「HyperJoy」シリーズでは、[[アニメソング]]などの大量入曲が話題を呼んだ。このシリーズのシェアは[[DAM (カラオケ)|DAM]]に次いで2位。HyperJoy WAVEの曲数は90000曲を超え、V2が持つブロードバンド機能に加え、[[ソーシャル・ネットワーキング・サービス|SNS]]に対応した[[うたスキ]]やリアルタイムの全国採点を導入した。
:[[DAM (カラオケ)|DAM]]などに押されて、いまいちパッとしなかったJOYSOUNDだったが、新機種「HyperJoy」シリーズでは、[[アニメソング]]などの大量入曲が話題を呼んだ。このシリーズのシェアは[[DAM (カラオケ)|DAM]]に次いで2位。HyperJoy WAVEの曲数は90000曲を超え、V2が持つブロードバンド機能に加え、[[ソーシャル・ネットワーキング・サービス|SNS]]に対応した[[うたスキ]]やリアルタイムの全国採点を導入した。
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===== タイトー(JAX→現・エクシング)が発売した機種 =====
===== タイトー(JAX→現・エクシング)が発売した機種 =====
;X2000、X2000 PRO、X2000 STAR、X2000 STAR+
;X2000、X2000 PRO、X2000 STAR、X2000 STAR+
:[[1992年]]、世界で初めて発売された通信カラオケ機器。音質・画質ともに決して高いものではないが、その分[[Kissin' Christmas (クリスマスだからじゃない)]]などのマニアック選曲でコアなファンの間ではDAM以上の人気があった。2007年11月30日配信終了。サービス全体が終了したため電話回線に接続しても利用出来ないが、収録曲は後継のLavcaへそのまま引き継がれている
:[[1992年]]、世界で初めて発売された通信カラオケ機器。音質・画質ともに決して高いものではないが、その分[[Kissin' Christmas (クリスマスだからじゃない)]]などのマニアック選曲でコアなファンの間ではDAM以上の人気があった。2007年11月30日配信終了。配信終了と同時にサービス全体が終了したため、現在は電話回線に接続しても利用出来ない。
<!--; X2000 PRO
<!--; X2000 PRO
: プロ音源を使用。-->
: プロ音源を使用。-->
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:量より質に徹底した機種。曲数は少ないが、親会社だった日本ビクターの技術をフル活用、生コーラスを多くの楽曲に盛り込むなど音質面で工夫が見られる。[[SMAP]]の曲は全曲配信中。
:量より質に徹底した機種。曲数は少ないが、親会社だった日本ビクターの技術をフル活用、生コーラスを多くの楽曲に盛り込むなど音質面で工夫が見られる。[[SMAP]]の曲は全曲配信中。
:この機種は2006年4月に、日本ビクターのカラオケ事業撤退により'''エクシング'''グループに権利を譲渡した(エクシングがビクターレジャーシステムの全株式を譲り受け、後に吸収合併)。
:この機種は2006年4月に、日本ビクターのカラオケ事業撤退により'''エクシング'''グループに権利を譲渡した(エクシングがビクターレジャーシステムの全株式を譲り受け、後に吸収合併)。
:2008年3月末に初孫悟空シリーズ(無印・ナイト・ワゴン・DV-10アドオン)、2009年3月末に孫悟空V3への配信終了(予定)。なお、配信終了後も電話回線に接続して使用料を支払うことで、これまで配信された楽曲で引き続きカラオケを楽しめる。
:2008年3月末に初孫悟空シリーズ(無印・ナイト・ワゴン・DV-10アドオン)、2009年3月末に孫悟空V3への配信終了(予定)。なお、配信終了後も電話回線に接続して使用料を支払うことで、これまで配信された楽曲で引き続きカラオケを楽しめる。


===== ワキタが発売した機種=====
===== ワキタが発売した機種=====
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; セガカラ for PC
; セガカラ for PC
: [http://segakarapc.jp/ 外部サイト参照]
: [http://segakarapc.jp/ 外部サイト参照]



== 脚注 ==
== 脚注 ==

2008年3月4日 (火) 13:36時点における版

通信カラオケ(つうしんからおけ)は、専用回線(ADSL光ファイバーケーブルなど)・電話回線を利用して、専用のサーバーから楽曲などを配信し演奏するカラオケシステムおよびその機器である。大半がMIDIデータによる配信である。

本格的な通信カラオケ機器とは別に、大手ISPの会員向け有料サービスによってパーソナルコンピュータでも専用ソフトによって自宅でも業務用と遜色の無い通信カラオケを楽しむことも出来る。

主な特徴

  • 楽曲データをリアルタイムに配信出来る為、新曲CDの発売日と同時にその楽曲を配信し演奏することが出来る。
  • 配信会社へ契約料(月極・年間など)とJASRACへ使用料の支払(営利利用の場合)、それにカラオケ機器を導入(購入またはリースなど)するだけでいつでも最新曲まで歌唱できる(通信カラオケ以外のカラオケでは楽曲の追加・更新が必要)。
    • そのため、従来のレーザーディスクビデオCD・CDグラフィックス等ディスクメディアによるカラオケシステムよりランニングコストが安価であり、カラオケの低価格・大衆化をより進めた。
  • 殆ど機種では、映像やオーディオ音声の外部入力RCA端子を備えているが、カラオケ専用機という特性上、一般利用ユーザーに解放された機能・利用向けにあるのではなく、カラオケ再生を行っていない間(曲間状態)のBGV(映像)、BGM(音声)用に設けられたもの(カラオケ再生[1]が開始するとそのBGV・BGMは共に中断する)。但し、これらの外部入力端子からの信号をBGV・BGMとして利用するには、管理用コマンド入力による変更、管理用パスワード入力による変更、本体ディップスイッチによる変更、などの業務用操作が必要になる。営業店での通常設定では、曲間状態には通信回線からの映像・音声・音楽(ランキング情報や有線通信音楽など)や、HDD内に格納された配信の映像・音声・音楽(各種プロモーション映像など)が流れるように設定されている場合が多い[2]
  • 複数メーカー機種を同時利用できる統合システムカラオケの場合は、各カラオケルームにある端末機器は、カラオケ曲の予約や音量・映像の統合管理を行うだけで、実際の配信データの収納や演奏・再生は、別な場所(多くの場合、カラオケ店内の当該管理場所)にある各メーカー製の実機で行われている。その演奏音声と映像がケーブル通信で各部屋に再配信される仕組みで行われる。[3]
  • 演奏中に流れるバックの映像 (BGV) はディスクチェンジャーに格納された20~60枚程度のレーザーディスクビデオCDDVD、または内蔵されたHDDから曲に有る程度マッチングした映像が使いまわし的に流される。楽曲によっては、その楽曲に固有のプロモーションビデオや映画アニメなどの映像が再生される場合もある。(機器側のハードディスク容量の増加とともにその傾向が増している。古い機種では固有映像は皆無であったり、少ない傾向になっている。)

課題・改善点

2000年以前に発売された業務用通信カラオケ機器では以下のデメリットが多々見られた。

  • 店舗(特に低料金のカラオケルームなどに多い)によっては楽曲データ自体が少なかったり、背景映像用データの収録数も少なく(CDやDVDで1枚分だけなど)、そのような場合は同じような映像がリピート再生される。
  • バックコーラスが入るような場合、リズム・タイミングに合わせた人工音声による「アー」といった感じの再生音(実際の声の生録音によるものではなく、MIDI演奏などによる人工的なデジタル音声データのFM音源PCM音源等の再生)である事が多い。なお、一部機種では当初から生音声を織り込ませた楽曲もあった。
  • 再生される曲・音のデータがMIDIデータであるため、レコーディングスタジオで収録した実際の演奏音(またはオリジナル音源のカラオケ)を用いたレーザーディスクカラオケと比べると、音質が貧弱であったり、迫力感が薄れている。
  • 当時の一般的な普及技術では観光バスなどの移動体にはそもそも設置自体ができない。

2000年ころ以降は機器が高性能化し、光ファイバー等によるブロードバンド回線の恩恵により改善された。

  • 通信速度の高速・大容量化や機器側の格納容量の増大とともに、楽曲データが比較的リッチ(豊富)となり、バックコーラスや楽曲の演奏自体をレコーディングスタジオで収録したものをそのまま配信・演奏できる。
  • BGVやCMに使う映像を動画配信できる。
  • 機種によっては内蔵HDD・メモリの殆どのデータを、サーバーからのダウンロードによりアップグレード(更新)できるため、メンテナンスコストの削減が出来る。
  • カラオケの他にもさまざまなコンテンツサービスの提供が出来る。

専属楽曲

専属楽曲とは、1971年(昭和46年)以前の一部の曲(いわゆる懐メロ)で、作曲家がレコード会社と専属契約し、JASRACに信託せずレコード会社各社が権利を保有している楽曲で、配信するには個別にレコード会社の許諾と使用料の支払いが必要である。そのため、管理楽曲の演奏には専用のロムを用意するが、低料金のカラオケルームではコストの都合上導入しない所が多い。

「歌本」で、管理楽曲には※マークが付き、欄外に「一部店舗では演奏できません」と断りが記載されてるものがある。

なお、家庭用通信カラオケではそもそも管理楽曲の選曲自体が出来ないようになっている。

レーザーディスクやDVDの市販カラオケソフトを用いれば当然ながら歌唱可能である。

また、レコード会社と友好な関係を持つ第一興商が自社の通信カラオケサービス開始まで専属楽曲開放承認を延期するよう要請したり、また専属楽曲を持つレコード会社2社を買収によって傘下に収めた後にもこれらの楽曲の競合他社(特にエクシング)との契約を打ち切らせるなど、不公正な営業に用いられることがある(第一興商#専属楽曲独占使用疑惑も参照)。

主な通信カラオケ機器

業務用

第一興商

業界最大手。上述の通り専属楽曲を盾にした営業手法には問題があるものの、DAMシリーズ一筋で複数機種の権利を持った競合他社を凌ぐシェアを誇る。

DAM
DAM-6400シリーズ
DAM-G128
DVD再生機能と128音同時発音に対応した音源を搭載(ともに業界初)、新音源に完全対応した楽曲データの制作配信(REAL128・良音)やDVDによるBGV映像は、DAMの高評価につながった。
cyber DAM(DAM-G50)・NEW cyber DAM(DAM-G50II)
機能のバランスがよく、曲数もJ-POPを中心に豊富。シリーズのシェアは現在1位。ブロードバンド事業にも積極的に取り組んでいる(ブロードバンド回線搭載はG50IIのみ)。
BB cyber DAM(DAM-G100)
基本性能は「cyber DAM」と同じだが、ブロードバンド回線標準装備により一部楽曲に本人出演映像などが収録されている。ブロードバンド化や最先端の技術を使用し、より豊富なコンテンツに対応している。
Premier DAM(プレミアダム・DAM-XG1000)
歌った曲をその場でCD録音して持ち帰れるほか、オプション装着により持参したiPodの音楽を再生することも可能(業務用カラオケ機器初)。

BMBグループ

旧・日光堂。2000年に株式会社有線ブロードネットワークス(現・USEN)と資本・業務提携、2007年9月にUSENが完全子会社化し、現在はUSENグループである。積極的なM&A等によって非常に多くの機種の権利を持ち、それらを全て合わせると通信カラオケ業界第2位である。
BMB(旧・日光堂→ユーズBMBエンタテイメント)が発売した機種
neon(ネオン)、neonR
neonは1997年、neonRは2000年発売。ともにナイト市場向けとして開発された。
neonはディスクチェンジャー式で、neonRはハードディスク一体型。BMB BeMAX'Sと互換性があるが曲数は少ない。
neonは2008年1月末に配信終了したが、neonRは配信継続中。
neonR2
2004年発売。neonRの後継機。UGA同様縦置きに対応、ブロードバンド対応、Bluetooth®対応のリモコンを装備している。
B-kara(ビーカラ)
2002年発売。BMB BeMAX'Sの曲がすべてリクエスト可能になり曲数の大幅増。アニメソングを大量配信した時期もあった。
UGA(ウガ)
2004年発売。B-karaの楽曲も選択可能。縦置き(専用システムキャビネット使用)、プラズマビジョン対応。実演奏音源に対応するようになり、曲数は130,000曲(業界最多)を超えた[4]。業界初のBluetooth®対応リモコン「コナビ」・電子早見本「ナビカラ」(オプション)に対応。2004年グッドデザイン賞受賞。
U+(ウガプラス)
2005年発売。曲数はUGAとほぼ変わらないが、業界最高水準の128音に対応。また、動画収録数の大幅増加やハイビジョン出力対応など、動画関連の強化が目立つ。2006年グッドデザイン賞受賞。
UGA楽宴(-らくえん)
2005年発売、2006年に名称そのままでマイナーチェンジ。宴会場などに対応したワゴンカラオケ。CCDカメラユニット標準搭載、客席側・歌い手側デュアルディスプレイなど高機能。Bluetooth®リモコンにも対応。曲数はneon+UGAのスタ録。2006年グッドデザイン賞受賞。
UGA楽宴 Lite(-ライト)
2007年発売。「UGA楽宴」の簡易版。曲数は約30000曲(発売時)。
パイオニアが開発した機種
BeMAX'S(ビーマックス)
1995年発売。パイオニアと東映ビデオ、旧JHC(倒産→パイオニア子会社として再建→現BMB)、旧日光堂(現BMB)が共同開発し同一のプラットフォームを持つ。同じハードではあるがコンテンツは独立している。BMB BeMAX'Sがもっとも曲数が多い。また、東映BeMAX'Sは一部にアニメ映像を使用している。2007年1月末に配信終了したが、電話回線に接続すれば利用可能。
Super BeMAX'S(スーパー・ビーマックス)、V-BeMAX'S(ブイ・ビーマックス)
1998年発売。BeMAX'Sの上位機種でフリカラなどの機能がある。大容量ハードディスクとDVD動画を使用。V-Be MAX'Sはコストパフォーマンスを重視したモデル。旧日光堂は開発に参入せず1997年に独自開発の「neon」を発売、BeMAX'S連合から離脱した(BMB BeMAX'Sの配信・サポートは継続)。
このハードは2002年、パイオニアのカラオケ事業撤退によりBMBに権利を譲渡した。2004年には東映ビデオも権利をBMBへ譲渡。こうしてBMBは、一度連合から離脱しながら、最終的にBeMAX'Sシリーズ全機種の権利を手中に収めた。
USENが発売した機種
U-kara(ユーカラ)シリーズ(U-kara、U-KARA02、U-kara II、U-kara 3)
U-karaは1994年、U-KARA02は1995年、U-kara IIは1996年、U-kara 3は1999年にそれぞれ発売。
松田聖子全曲配信・彼女のイメージキャラクター抜擢で話題となった。
USENとの資本・業務提携の一環として権利を譲り受け、現在はBMBの権利。
U-kara 3を除く旧機種は2008年1月末に配信終了したが、電話回線に接続すれば利用可能。
タイカン(現・BMB)が発売した機種
ビビットメディア (Vivit)
2000年発売。かつてセガカラにも楽曲を配信していたため、曲のラインナップと選曲番号はセガカラとほとんど同じである。また、家庭用ハンディカラオケ『MicBoy(マイクボーイ)』のフラッシュROMへ配信曲を追加する機能を持つ。
発売から2年後、タイカンはBMBと合併し消滅、現在はBMBが権利を持つ。
セガカラは2008年1月末で配信を終了したが、ビビットメディアには現在も新曲が配信されている。
セガ・ミュージック・ネットワークスが発売した機種
Prologue 21(プロローグ21)、Super Prologue 21(スーパー・プロローグ21)(セガカラ
セガ、タイカン、クラリオンの開発。マニアックな曲が多いが全体の曲数は少ない。全国採点を採用している。かつてはレコスタでも使用された(公式な発表はない)。
セガ接続(SMN)が2007年12月31日、BMB接続(タイカン・クラリオン)が2008年1月31日で配信終了。
CANDOONE(カンドーネ)
セガカラ3号機。ブロードバンドやハイビジョン映像、5.1chサラウンドに対応。音声認識機能やテレビ電話、動画撮影機能を装備。無線LANICカードポート、デジカメを装備したカラー液晶タッチパネル式リモコンCantannet(カンタンネ)付属。2007年10月31日配信終了。
2007年9月1日、BMBが株式会社セガ・ミュージック・ネットワークスの全発行済株式をセガから取得し完全子会社化、Prologue 21シリーズ・CANDOONE両機種の権利を獲得した。
シーティーエーが発売した機種
NET(ネット)シリーズ(NET7000、NET II、NET III)
曲数は少ないが、レーザーカラオケとの掛け合わせが可能。
2007年6月、BMBが株式会社CTAの株式を創業者一族から取得し子会社化、「NET」シリーズの権利を獲得。そして同年9月1日をもってBMBにカラオケ事業を譲渡した。
NET7000は既に配信終了、NET IIも2008年6月末に配信終了する予定(NET IIIは継続)。

エクシング

ブラザー工業グループ。現在でこそ第一興商やBMBグループの後塵を拝しているが、世界初の通信カラオケであるタイトー「X2000」と同じ1992年に「JOYSOUND(JS-1)」を発売した、業務用通信カラオケの先駆者である。

エクシングが発売した機種
JOYSOUND(JS-1/2/10/20シリーズ)
JS-1は1992年、JS-2/10は1993年、JS-20は1994年にそれぞれ発売。
通信カラオケ黎明期に発売。1997年にDAMに抜かれるまでは、通信カラオケのシェアの1位であった。
JS-1/2/10シリーズは2006年8月に配信終了。JS-20も2008年9月末に配信終了予定。なお、配信終了した機種も電話回線に接続し使用料を支払えば、配信終了時までに配信された楽曲でカラオケを楽しめる。
HyperJoy(JS-30)、HyperJoy V2(JS-70/70II)、HyperJoy WAVE(JS-W1)
DAMなどに押されて、いまいちパッとしなかったJOYSOUNDだったが、新機種「HyperJoy」シリーズでは、アニメソングなどの大量入曲が話題を呼んだ。このシリーズのシェアはDAMに次いで2位。HyperJoy WAVEの曲数は90000曲を超え、V2が持つブロードバンド機能に加え、SNSに対応したうたスキやリアルタイムの全国採点を導入した。
タイトー(JAX→現・エクシング)が発売した機種
X2000、X2000 PRO、X2000 STAR、X2000 STAR+
1992年、世界で初めて発売された通信カラオケ機器。音質・画質ともに決して高いものではないが、その分Kissin' Christmas (クリスマスだからじゃない)などのマニアック選曲でコアなファンの間ではDAM以上の人気があった。2007年11月30日配信終了。配信終了と同時にサービス全体が終了したため、現在は電話回線に接続しても利用出来ない。
Lavca(ラブカ)
「エクステンディッド・Cサウンド」搭載。曲の増加や音質・画質の向上のほか、自分のキーを登録して歌いやすいキーに自動調整する「マイキー機能」、歌声を分析してテンポを自動微調整する「マイパートナー機能」(一部楽曲のみ対応)など、歌い手本位を謳うLavca特有の機能がある。X2000と同じ曲番号で歌える。2003年度グッドデザイン賞受賞。
これらのシリーズ・機種は2006年7月に、タイトーのカラオケ事業撤退によりエクシンググループに権利を譲渡した(タイトーがカラオケ事業を分社化して株式会社JAXとなり、エクシングが全株式を譲受、後に吸収合併)。
ビクターレジャーシステム(JLS→現・エクシング)が発売した機種
SONGOKU(孫悟空)
量より質に徹底した機種。曲数は少ないが、親会社だった日本ビクターの技術をフル活用、生コーラスを多くの楽曲に盛り込むなど音質面で工夫が見られる。SMAPの曲は全曲配信中。
この機種は2006年4月に、日本ビクターのカラオケ事業撤退によりエクシンググループに権利を譲渡した(エクシングがビクターレジャーシステムの全株式を譲り受け、後に吸収合併)。
2008年3月末に初期孫悟空シリーズ(無印・ナイト・ワゴン・DV-10アドオン)、2009年3月末に孫悟空V3への配信終了(予定)。なお、配信終了後も電話回線に接続して使用料を支払うことで、これまで配信された楽曲で引き続きカラオケを楽しめる。
ワキタが発売した機種
Syncom(シンコム)
孫悟空のOEM。曲のラインナップや選曲番号は孫悟空とほとんど同じであるが、韓国曲はこちらが多い。2005年10月配信終了後、エクシングが権利を引き継いだ。


その他

ギガ・ネットワークス
マイステージ、ワンダーギガ
黎明期の人気機種だったが、機能、曲数で他社に追い抜かれ台数がピーク期の100分の1に激減。同社のカラオケ事業撤退により、2002年9月サービス終了。
現在システムの権利はカラオケ店チェーン『パセラ』を運営する株式会社ニュートンが取得し、同チェーンのΣsystem(シグマシステム)に接続されている。本機種のみで配信された楽曲は同チェーンでしか歌えないため(同じΣsystemを使っていてもパセラ以外は不可)、同チェーンではこれを売りの1つにしている。

統合システム

Σsystem(シグマシステム)
株式会社パスカルが開発したシステム。導入店舗はパセラなど。
鉄人システム
カラオケの鉄人が独自に開発・導入したシステム。
ALISA III
株式会社シャ-マンが開発したシステム。
MAC21システム
株式会社グランプリが開発したシステム。
トウエイシステム
株式会社トーエイシステムが開発したシステム。

家庭用

タイトー

X-55
X2000とほぼ同じ曲数で歌える。
Mediabox (M88)
X-55とほとんど同じ。
X-01
DVD動画対応。ブロードバンドに対応していない。

セガ

セガカラforドリームキャスト
ドリームキャストに接続する専用ユニットとロム付きで、業務用とほとんど同じ曲数(管理楽曲、韓国曲、メドレーなど不可)が歌える。採点機能付き。 2006年4月配信終了
セガカラ for PC
外部サイト参照


脚注

  1. ^ 単体通信機(カラオケルームに置かれている機器本体のみで配信を受信して再生するもの)の場合は、本体内部で映像や音楽の再生(一部には外部からの通信をそのまま入力可能なものもあるが常用されていることは少ない)とマイク音声と音楽(BGM)のミキシングの全てを行っている。一方、統合型システム機の場合は、カラオケルーム内でメインにコントロールしている機器本体とは別な機器で再生された配信コンテンツの映像や音楽の信号がコントロール機器本体へ入力する仕組みになっている。
  2. ^ 曲間状態(カラオケ演奏が全く行われていない状態)でのBGM・BGVと通常のカラオケ再生時の映像・音楽の視聴状態(音量設定や映像の詳細設定)では、音量や映像画質に違いをだす機能が一般的には備わっていて、カラオケ店では通常は曲間に営業プロモーション映像や環境ビデオ・ランキング情報などが流され、それらの音量は低めに設定されている。
  3. ^ 同じ統合システムの場合でも、同系列店同士でも店舗により運用は多少異なっている。例として、通常店舗は店舗関係者にしか見えない場所に実機などを設置しているのが(一般的には多い例)が、競争激化地域や主要店舗などでは実機の管理ルームを意図的に透明にして入り口や待合エリアから見やすいように配置して、実機のLEDランプをフロア装飾に利用するなどの工夫をしている場合もある。また室内に置かれるコントローラー(操作制御受付用マシン/コマンドコントロールマシン)も見えない位置(壁収納ボックス内や座席シート下など)に設置している場合も見受けられる。
  4. ^ 2008年3月現在。BMBサイトの製品案内より

関連項目

外部リンク