梓林太郎
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1933年1月20日[1] - 2024年1月27日)は、日本の小説家。本名は林 隆司。
(あずさ りんたろう、人物
[編集]父の仕事の都合で静岡県清水市(現:静岡市清水区)に一家3人で転居[2]。その後、父の出征のみならず、第二次世界大戦の戦況悪化もあって上郷村の母の実家に戻った[2]。その翌年(1945年)、小学6年生の時に終戦を迎える[2]。中央アルプスに連なる山村にあった母の実家では、家業の農家の手伝いなどで毎日のように山に入った[2]。進学のため18歳で上郷を離れたが、本格的に山登りを始めたのは東京に出てから[3]という。
貿易会社、調査会社、経営コンサルタント会社など[1]を経て、1980年『九月の渓で』で小説宝石エンタテインメント小説大賞を受賞し、デビュー[4]。長い登山経験を元に、山岳推理小説の第一人者となる。
代表的な作品に、山岳救助隊員・紫門一鬼シリーズや、山岳ミステリーシリーズ、長野県警刑事・道原伝吉シリーズ、旅行作家・茶屋次郎シリーズなどがある。
作品
[編集]道原伝吉シリーズ
[編集]- 『北アルプス冬山殺人事件』(『風葬連峰』に改題)(1984年)
- 『遭難遺体の告発』(『死紋山脈』、後に『謀殺の鹿島槍』に改題)(1985年)
- 『中央アルプス空木岳殺人事件』(1986年)
- 『上高地殺人事件』(1986年)
- 『八ヶ岳山麓殺人事件』(1987年)
- 『縞枯山殺人事件』(『北八ヶ岳縞枯山殺人事件』に改題)(1988年)
- 『飛騨泣き殺人事件』(『飛騨岩稜殺人事件』、後に『北アルプス飛騨泣き殺人事件』に改題)(1988年)
- 『木曾御岳殺人事件』(1989年)
- 『八ヶ岳 石の血痕』(1990年)
- 『上高地発殺意の墓標』(1990年)
- 『槍ヶ岳 白い凶器』(1990年)
- 『谷川岳 霧の殺意』(1990年)
- 『黒部殺人源流』(1991年)
- 『立山連峰殺人事件』(1991年)
- 『黒い岩壁』(1991年)
- 『月光の岩稜』(『蓼科高原殺人事件』に改題)(1991年)
- 『西穂高殺人事件』(『西穂高白銀の疑惑』に改題)(1991年)
- 『屋久島殺人原始林』(1991年)
- 『霧ヶ峰殺人高原』(1992年)
- 『凍結樹林』(1992年)
- 『南信州殺人神楽』(1992年)
- 『北アルプス冬の罠』(1992年)
- 『死化粧山脈』(1992年)
- 『修羅の高峰』(1992年)
- 『北岳殺意の岩壁』(1992年)
- 『霧多布殺人湿原』(1992年)
- 『爺ヶ岳殺人事件』(『北アルプス爺ヶ岳の惨劇』に改題)(1993年)
- 『赤岳殺人暗流』(1993年)
- 『怨殺斜面』(1993年)
- 『針ノ木岳殺人事件』(1993年)
- 『血の雪崩』(1993年)
- 『白銀の暗黒』(1993年)
- 『北海道雨竜殺人湿原』(1993年)
- 『信州・佐渡殺人鉱脈』(1994年)
- 『反逆の山』(1994年)
- 『燕岳殺人の暦』(1994年)
- 『暗殺』(『暗殺連峰』に改題)(1995年)
- 『処女山行』(1995年)
- 『無明山脈』(『殺人連峰』に改題)(1995年)
- 『霞沢岳狂炎の花びら』(『霞沢岳殺人山行』に改題)(1996年)
- 『一ノ俣殺人渓谷』(1996年)
- 『修羅の断崖』(『北安曇野 修羅の断崖』に改題)(1996年)
- 『地下水脈』(1996年)
- 『百名山殺人事件』(1997年)
- 『信濃富士殺人事件』(1997年)
- 『流転山脈』(1997年)
- 『穂高・駒ヶ岳殺人回廊』(1997年)
- 『爆裂火口』(1998年)
- 『葬送山脈』(1998年)
- 『北アルプス殺人連峰』(1998年)
- 『穂高吊り尾根殺人事件』(1998年)
- 『奥上高地殺人事件』(1998年)
- 『絶叫山脈』(1999年)
- 『安曇野・乗鞍殺人事件』(1999年)
- 『風炎連峰』(1999年)
- 『立山雷鳥沢殺人事件』(1999年)
- 『穂高殺人ケルン』(1999年)
- 『死神山脈』(『死神山脈 穂高・安曇野殺人縦走』に改題)(1999年)
- 『吉野山・常念岳殺人回廊』(2000年)
- 『崩壊山脈』(2000年)
- 『上高地・大雪殺人孤影』(2000年)
- 『尾瀬ヶ原殺人事件』(2000年)
- 『穂高雪山殺人迷路』(2001年)
- 『蝶ヶ岳殺人事件』(2001年)
- 『殺人山行燕岳』(2002年)
- 『蔵王高原殺人事件』(2002年)
- 『謀殺 北穂高岳』(2002年)
- 『焼岳殺意の彷徨』(2003年)
- 『信州春山殺人事件』(2004年)
- 『草津・白根殺人回廊』(2004年)
- 『稚内殺人旅情』(2004年)
- 『怪殺日光・戦場ヶ原』(2005年)
- 『奥能登 幻の女』(2005年)
- 『玄界灘殺人海流』(2006年)
- 『倉敷・宮島殺人回廊』(2007年)
- 『伊勢・志摩殺人光景』(2007年)
- 『天橋立 殺人旅愁』(2008年)
- 『雲仙・島原湯煙地獄』(2008年)
- 『殺人鉱脈 石見銀山―秋芳洞250キロの怨嗟』(2009年)
- 『北海道・神威岬の殺人』(2010年)
- 『瀬戸内・鞆の浦殺人航跡』(2010年)
- 『阿蘇・黒川温泉怪殺迷路』(『阿蘇・黒川温泉殺人事件』に改題)(2011年)
- 『神戸・六甲山殺人夜色』(2011年)
- 『箱根・芦ノ湖殺人特急』(2012年)
- 『平泉・早池峰殺人蛍』(2012年)
- 『八ヶ岳野辺山の殺人』(2013年)
- 『伊良湖岬殺人水道』(2013年)
- 『京都・大和路殺人事件』(2014年)
- 『三保ノ松原殺人事件』(2014年)
- 『越後・八海山殺人事件』(2016年)
- 『小倉・関門海峡殺人事件』(2020年)
- 『信州・諏訪湖連続殺人』(2020年8月)
白鳥完一シリーズ
[編集]- 『殺人山脈』(1988年)
- 『怨殺 白馬岳』(『北アルプス白馬岳の殺人』に改題)(1989年)
- 『殺人氷壁』(1989年)
- 『番外 穂高殺人連峰』(1989年)
- 『八甲田山死の誘い』(1990年)
- 『冷血山地』(1990年)
- 『鳥海山殺人渓谷』(1991年)
- 『殺人氷河』(1993年)
茶屋次郎シリーズ
[編集]- 『梓川 清流の殺意』(1990年)
- 『北上川殺人夜曲』(1990年)
- 『石狩川殺人水系』(『石狩川殺人事件』に改題)(1991年)
- 『長良川美女の交錯』(『長良川殺人事件』に改題)(1992年)
- 『多摩川殺人事件』(1993年)
- 『隅田川赤い源流』(1995年)
- 『信濃川殺人事件』(『信濃川連続殺人』に改題)(1996年)
- 『千曲川殺人事件』(1997年)
- 『四万十川殺人事件』(『四万十川殺意の水面』に改題)(1998年)
- 『筑後川殺人事件』(1999年)
- 『納沙布岬殺人事件』(2000年)
- 『南紀潮岬殺人事件』(『紀伊半島 潮岬殺人事件』に改題)(2001年)
- 『越前岬殺人事件』(2002年)
- 『薩摩半島知覧殺人事件』(2004年)
- 『最上川殺人事件』(2005年)
- 『天竜川殺人事件』(2006年)
- この作品は著者である梓の少年時代、地元近くの村で発生した一家7人殺害事件に着想を得たものである。
- 『立山アルペンルート 黒部川殺人事件』(2007年)
- 『釧路川殺人事件』(2008年)
- 『笛吹川殺人事件』(2009年)
- 『紀の川殺人事件』(2010年)
- 『京都 保津川殺人事件』(2011年)
- 『京都・鴨川殺人事件』(2012年)
- 『日光・鬼怒川殺人事件』(2013年)
- 『神田川殺人事件』(2014年)
- 『金沢 男川女川殺人事件』(2015年7月)
- 『安芸広島 水の都の殺人』(2016年7月)
- 『博多 那珂川殺人事件』(2017年10月)
- 『倉敷 高梁川の殺意』(2018年11月)
- 『木曽川 哀しみの殺人連鎖』(2019年11月)
- 『大井川殺人事件』(2020年11月)
- 『急流・富士川 殺意の悔恨』(2022年1月)
紫門一鬼シリーズ
[編集]- 『奥入瀬殺人渓流』(1993年)
- 『大雪・層雲峡殺人事件』(1993年)
- 『安曇野殺人旅愁』(『安曇野殺人旅愁 一億二千万分ノ一の壁』に改題)(1994年)
- 『知床・羅臼岳殺人慕情』(1995年)
- 『殺人山行・穂高岳』(1996年)
- 『殺人山行・餓鬼岳』(1997年)
- 『殺人山行・剣岳』(1998年)
- 『殺人山行・不帰ノ嶮』(1999年)
- 『殺人山行・恐山』(2003年)
岩波惇哉シリーズ
[編集]- 『白神山地殺人事件』(1995年)
- 『星砂の島殺人事件』(『西表背徳の断崖』に改題)(1995年)
- 『松江・出雲密室殺人事件』(1996年)
- 『夜叉の断崖』(1998年)
- 『札幌殺人夜曲』(2000年)
- 『摩周湖 黒衣の女』(2001年)
小仏太郎シリーズ
[編集]- 『十和田・奥入瀬殺人回流』(2007年)
- 『松島・作並殺人回路』(2007年)
- 『信州安曇野 殺意の追跡』(2008年)
- 『秋山郷 殺人秘境』(2009年)
- 『高尾山 魔界の彷徨』(2011年)
- 『富士五湖 氷穴の殺人』(2011年)
- 『長崎・有田殺人窯変』(2012年)
- 『旭川・大雪白い殺人者』(2013年)
- 『男鹿半島北緯40度の殺人』(2020年)
- 『遠州浜松殺人奏曲』(2020年6月)
- 『天城越え殺人事件』(2021年4月)
- 『越後・親不知翡翠の殺人』(2021年6月)
その他
[編集]- 『走行超過』(1980年)
- 『南アルプス光ファイバー殺人事件』(『南アルプス殺人事件 暗殺回路』に改題)(1985年)
- 『奇妙な依頼人』(1985年)
- 『白い地獄』(『飢餓連峰』に改題)(1986年)
- 『陰画の構図』(『復讐の狂炎』に改題)(1986年)
- 『ヒッピー探偵』(『佐渡・上高地殺人ライン』に改題)(1986年)
- 『偽装バンカー』(1986年)
- 『冷血の弾道』(『殺意の氷壁』に改題)(1986年)
- 『霧の常念岳殺人事件』(1987年)
- 『八方尾根遭難事件』(『殺意の雪宴』に改題)(1987年)
- 『黒部峡谷殺人事件』(1987年)
- 『仙丈岳殺人事件』(1987年)
- 『アルプス冬物語』(1988年)
- 『岳人隊 イエローリボン』(1988年)
- 『尾瀬殺人湿原』(1988年)
- 『背徳の午後』(『背徳の山嶺』に改題)(1988年)
- 『密殺連峰』(1989年)
- 『大雪山殺人事件』(1989年)
- 『雪渓下の密室』(1989年)
- 『血の中の砂漠』(1990年)
- 『出羽殺人三山』(『出羽三山殺人事件』に改題)(1992年)
- 『穂高屏風岩』(1995年)
- 『屍たちの領域 信州・金沢・東京殺人ルート』(2001年)
- 『山岳鉄道殺人連鎖』(2010年)
- 『黒白の起点 飛驒高山殺意の交差』(2021年2月)
- 『小布施・地獄谷殺人事件』(2021年3月)
- 『信州・善光寺殺人事件』(2021年4月)
小説以外
[編集]- 『霧の中の巨人 回想・私の松本清張』(『回想・松本清張 私だけが知る巨人の素顔』に改題)(2003年)
テレビドラマ化されたシリーズ・作品
[編集]- テレビ東京
- 日本テレビ
- TBS
- テレビ朝日
-
- 土曜ワイド劇場 北アルプス連続殺人ルート(2006年9月30日)