小野紀明
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小野 紀明(おの のりあき、1949年10月31日 - )は、日本の政治学者。専門は西洋政治思想史。学位は、法学博士(京都大学・論文博士・1987年)。京都大学名誉教授。東京都生まれ北海道育ち。
略歴
[編集]略歴は以下の通り[1]。
学歴
[編集]- 1973年3月 - 京都大学法学部卒業
- 1975年3月 - 京都大学大学院法学研究科修士課程修了
- 1978年3月 - 京都大学大学院法学研究科博士課程退学
- 1987年5月 - 法学博士(京都大学)(学位論文「フランス・ロマン主義の政治思想」)
職歴
[編集]- 1976年4月 - 京都大学法学部助手
- 1978年4月 - 神戸大学法学部助教授
- 1986年4月 - 神戸大学法学部教授
- 1995年4月 - 京都大学大学院法学研究科教授(政治学専攻 政治理論講座)
- 2006年4月 - 京都大学大学院公共政策連携研究部・公共政策教育部長
- 2015年3月 - 定年退任、京都大学名誉教授。
指導教員
[編集]勝田吉太郎に師事。
門下生
[編集]- 森川輝一(京都大学大学院法学研究科教授)
- 堀田新五郎(奈良県立大学地域創造学部教授)
- 仁井田崇(名城大学法学部教授)
- 川村文重(慶應義塾大学商学部専任講師)
- 小田川大典(岡山大学社会文化科学研究科教授)
- 加藤哲理(名古屋大学大学院法学研究科教授)
- 乙部延剛(大阪大学大学院法学研究科教授)
ゼミ出身者に芥川賞作家の平野啓一郎。平野と春香の披露宴に主賓として出席した。
エピソード
[編集]- 京都大学法学部で開講されている講座「政治思想史」を担当。ときおり黒板や教壇を叩くといった視覚・聴覚に訴えかける激しい講義スタイルで、狭義の政治思想に囚われない西洋精神史を扱う。政治系にしては珍しく授業を受ける学生数が多いのも特徴である。
- 現在は初期マルティン・ハイデッガーの政治思想を主たる研究対象とする。
- 政治思想学会代表理事。
- 当初は東大文一入学を目指し駿台予備校お茶の水校で浪人していたが、途中で京大法学部へと志望を変更した(ちなみに、その年の東大入試は中止された)。
- 存在物概念を説明するために、「これは机であり、かつ、机ではない」という例を多用する。
- 学部生の時、毎日新聞社から内定をもらっていた。大学院進学との間で迷っていた小野に対し、勝田は「君なら(研究者と新聞社社員の)どちらでも成功する」と告げた。
- 2008年秋に脳出血で倒れた後遺症で現在右腕が不自由な状態にあり、講義での板書は左手で行っている。
著書
[編集]単著
[編集]- 『フランス・ロマン主義の政治思想』(木鐸社、1986年)
- 『精神史としての政治思想史――近代的政治思想成立の認識論的基礎』(行人社、1988年)
- 『現象学と政治――20世紀ドイツ精神史研究』(行人社、1994年)
- 『20世紀の政治思想』(岩波書店、1996年)
- 『美と政治――ロマン主義からポストモダニズムへ』(岩波書店、1999年)
- 『政治哲学の起源――ハイデガー研究の視角から』(岩波書店、2002年)
- 『政治理論の現在――思想史と理論のあいだ』(世界思想社、2005年)
- 岩波現代文庫版 『政治思想史と理論のあいだ――「他者」をめぐる対話』(岩波書店、2022年
- 『ハイデガーの政治哲学』(岩波書店、2010年)
- 『古典を読む(ヒューマニティーズ)』(岩波書店、2010年)
- 『西洋政治思想史講義 精神史的考察』 (岩波書店、2015年)
共著
[編集]- (小笠原弘親・藤原保信)『政治思想史』(有斐閣、1987年)
- (川崎修・富沢克)『政治思想史の再発見(1)モダーンとポスト・モダーン』(木鐸社、1992年)
- (辻本雅史・安西敏三)『政治思想史の再発見(2)近代日本の意味を問う』(木鐸社、1992年)
訳書
[編集]- リチャード・ウォーリン『存在の政治――マルティン・ハイデガーの政治思想』(岩波書店、1999年)