コンテンツにスキップ

呂一型潜水艦

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
呂一型潜水艦(F1型)
呂号第二潜水艦
艦級概観
艦種 二等潜水艦
艦名
前級 -
次級 呂三型潜水艦(F2型)
性能諸元
排水量 基準:689トン 常備:717トン
水中:1,047トン
全長 65.58m
全幅 6.07m
吃水 4.19m
機関 フィアット式ディーゼル2基2軸
水上:2,600馬力
水中:1,100馬力
速力 水上:18kt
水中:8kt
航続距離 水上:10ktで3,500海里
水中:4ktで75海里
燃料 重油
乗員 43名
兵装 短7.5cm単装砲1門
45cm魚雷発射管 艦首3門、艦尾2門
魚雷8本
備考 安全潜航深度:50m

呂一型潜水艦(ろいちがたせんすいかん)は、日本海軍潜水艦の艦級。F1型(エフいちがた)とも。同型艦2隻。

概要

[編集]

イタリアフィアット社が設計したロレンチ型潜水艦を日本でライセンス生産したものである。主機はフィアット型ディーゼルを輸入した。建造は川崎造船所1920年(大正9年)に竣工した。竣工時の名称は第十八潜水艦並びに第二十一潜水艦である。本型は船体の強度に難があり、また主機のディーゼルの信頼性も低く実用上問題があった。1932年(昭和7年)に両艦除籍、戦歴は特にない。

同型艦

[編集]

呂1

[編集]
1920年(大正9年)3月31日竣工(神戸川崎)。竣工時の艦名は第十八潜水艦1924年(大正13年)11月1日呂号第一潜水艦に改称。1932年(昭和7年)4月1日除籍。

呂2

[編集]
1920年(大正9年)4月20日竣工(神戸川崎)。竣工時の艦名は第二十一潜水艦1924年(大正13年)11月1日呂号第二潜水艦に改称。1932年(昭和7年)4月1日除籍。

潜水隊

[編集]

竣工した呂1型は呉鎮守府籍となり、当初S型海中1型海中2型からなる第14潜水隊に編入された。その後呉鎮守府横須賀鎮守府で潜水隊を育成してきた海軍は佐世保鎮守府にも潜水隊を配置することとし、大正9年12月1日に潜水隊を編成。佐鎮の固有番号が与えられて第21潜水隊となった。編成と同時に佐世保鎮守府籍に改められ、佐世保鎮守府佐世保防備部隊に配備された。船体構造の欠陥から潜航深度20mが限界で[1]、また主機のフィアット式ディーゼル機関の整備が難しく計画速力を達成できないなどの問題があったため艦隊に召集されず、昭和7年4月1日に所属艦が除籍されると同時に解隊された。

脚注

[編集]
  1. ^ 『日本海軍の潜水艦』22頁。

参考文献

[編集]
  • 海軍歴史保存会『日本海軍史』第7巻、第一法規出版、1995年。
  • 雑誌「丸」編集部『写真 日本の軍艦 第12巻 潜水艦』(光人社、1990年) ISBN 4-7698-0462-8
  • 勝目純也『日本海軍の潜水艦 - その系譜と戦歴全記録』大日本絵画、2010年。

関連項目

[編集]