佐々木孝次

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佐々木 孝次(ささき たかつぐ、1938年10月28日 - )は、日本の精神分析学者専修大学名誉教授。

来歴[編集]

東京都生まれ。1961年早稲田大学仏文科卒、1963年同大学院修士課程修了、パリ大学へ留学し、フロイトジャック・ラカンの精神分析と出会い、自分自身を分析し、精神分析を専門とする。コーズ・フロイディエンヌ(ラカン派)正会員。帰国してからは、1970年に杉野女子大学助教授、1993年まで信州大学教養部教授、1993年から2009年まで専修大学文学部教授(2009年3月末日に定年退職)。

日本における父親権力の弱さを指摘し、河合隼雄の立場に近かったが、「愛させる技術」日本語における「蠱物(まじもの)」としての言葉などを提唱し、次第に日本文化論へ向かった。岸田秀とともに、伊丹十三に影響を与えた一人である。パリ時代の自己分析の過程を描いた『心の探究』は伊丹に絶賛されている。

著書[編集]

  • 『母親・父親・掟 精神分析による理解』せりか書房 1979
  • 『心の探究 精神分析の日記』せりか書房 1980
  • 『愛することと愛させること』弘文堂 1981
  • 『父親とは何か その意味とあり方』講談社現代新書 1982
  • 『ラカンの世界』弘文堂 1984
  • 『母親と日本人』文藝春秋 1985
  • 『幻影のディスクール』福武書店 1986
  • 『甦るフロイト思想』講談社現代新書 1987
  • 『三熊野幻想 天皇と三島由紀夫』せりか書房 1989
  • 『蠱物としての言葉』有斐閣 1989
  • 『祖霊という装置』青土社 1992
  • 『エディプス・コンプレクスから模倣の欲望へ』情況出版 1996
  • 『文字と見かけの国―バルトとラカンの「日本」』太陽出版 2007
  • 『「気」の精神分析』せりか書房 2011
  • 『ラカン「レトゥルディ」読解 《大意》と《評釈》』せりか書房 2015
  • 『ラカン「リチュラテール」論 大意・評注・本論』せりか書房 2017

共著[編集]

  • 『快の打ち出の小槌 日本人の精神分析講義』伊丹十三対談 朝日出版社 Lecture books 1980
  • 『ラカン『アンコール』解説』せりか書房 2013

翻訳[編集]

脚注[編集]