会陰穴

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会陰穴(えいんけつ)は、任脈の最初の経穴である。武道・武術で使う戸渡穴のこと。

部位[編集]

肛門陰嚢または大陰唇の中間。

筋肉・神経・血管[編集]

筋肉(運動神経)は会陰腱中心(陰部神経支配)、外肛門括約筋(陰部神経支配)、知覚神経は後大腿皮神経会陰枝、陰部神経、血管は内陰部動脈が通る。

名前の由来[編集]

二つの陰、尿(の出口)の後ろ、の前にあるために、会陰と名付けられたという。解剖学の会陰もこの経穴名から出ている。

効能[編集]

痔疾などに効果があるとされるが、場所柄現在は(自分自身に対する利用を除き)ほとんど用いられていない。古典に、危篤状態の土左衛門は、逆さ吊りにして会陰に1寸以上鍼を刺すと、水をはき、屎尿を漏らして生き返るとあり、大正から昭和の鍼灸師で、変人・奇人としても知られていた澤田健[1]が実際に試して効果があったということが、代田文誌の「鍼灸治療基礎學」に記載されている。

脚注[編集]

  1. ^ 茨城県多賀郡磯原町(現・北茨城市)の竹内なにがしと青森県戸来村(現在の新郷村)に行き、「キリストの移籍」なる怪しげなものを「発見」したとされる