ロテ島

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ロテ島
ロテ島の衛星写真
ロテ島の位置(インドネシア内)
ロテ島
ロテ島
地理
場所 東南アジア
座標 南緯10度28分 東経123度23分 / 南緯10.467度 東経123.383度 / -10.467; 123.383座標: 南緯10度28分 東経123度23分 / 南緯10.467度 東経123.383度 / -10.467; 123.383
行政
東ヌサ・トゥンガラ州
ロテ・ンダオ県英語版
追加情報
時間帯
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ロテ島(インドネシア語: Pulau Rote)は、インドネシア東ヌサ・トゥンガラ州にある小スンダ列島にあるの一つである。日本語ではロティ島(インドネシア語: Pulau Roti)とも呼ばれる。

地理[編集]

ロテ島の地図

ロテ島はオーストラリア大陸から北西に500 kmアシュモア・カルティエ諸島から北に170 kmの場所に位置している。また、この島はティモール島の南西に位置している。北はサヴ海、南はティモール海に挟まれている。西には、サヴ島英語版スンバ島がある。南には、インドネシアの島の中で最南端にある14 km2の面積をもつパマナ島と呼ばれる無人島がある。

ンダオ島英語版などの近隣の小さい島々と、2020年の国勢調査で17万8805人の人口をもつロテ・ンダオ県カブパテンを形成している[1]。ロテ島の面積は約1,200 kmである。

主な都市は、島の北側に位置するバアである。島のネンベララ村の南には、良いサーフィンスポットがある。

ロテ島は丘陵棚田、アカシアヤシ、サバンナ森林で構成されている。

歴史[編集]

伝承によれば、島名の由来はポルトガル人の船乗りが漂着し、付近にいた農夫にここはどこかと尋ねたときに、ポルトガル語が話せなかった農夫が、驚いて自分の名前である"Rote"と間違って紹介したことであるとされている。

2017年7月31日に、インドネシア共和国ラジオ英語版の支局が島内に開設された[2]

交通[編集]

西ティモールの州都であるクパンからロテ島までは、地元民や物資、観光客用のフェリーが毎日運行されている。クパンからバアまでは2時間くらいかかる。

ウィングス・エア英語版は、ロテ島のデイビット・コンスタンティジン・サウダール空港とクパンのエル・タリ国際空港間を毎日運行している。飛行時間は約30分である。

経済[編集]

バアの市場

ロテ島の住人は、サヴ島の住人のように基本的な生存のためにオウギヤシに頼っているが、漁業と宝石製作なども行って生計を立てている。

主な雇用の形態が農業である。漁業も重要な産業であり、特に地図中にあるロンダーシー(Londalusi)の東に位置するパペラ村では、オーストラリアと漁業について争っている[3][4]

観光[編集]

ロテ島には古代の陶磁器や芸術、伝統など多くの歴史的遺蹟が残っている。著名なインドネシア人の内数人はロテ島で生まれている。島で人気の楽器であるササンドゥはヤシの葉から出来ている。

島の東部にあるランドゥ村には、無毒のクラゲがいる池があり、白い砂浜もある[5]

また、マコードナガクビガメはロテ島の固有種である[6][7][8][9]

脚注[編集]

  1. ^ Population Projection (Female+Male) in Nusa Tenggara Timur Province, 2010-2020” (英語). Statistics of NTT Province. 中央統計庁. 2020年5月1日閲覧。
  2. ^ 中島, 昭浩 (2017年8月2日). “最北端離島に高速通信網 国営テレビ・ラジオ放送も開始 北スラウェシ州ミアンガス島”. じゃかるた新聞. https://www.jakartashimbun.com/free/detail/36519.html 2020年5月1日閲覧。 
  3. ^ Jill Elliot (2007年9月30日). “Fishing in Australian Waters” (英語). Inside Indonesia. https://www.insideindonesia.org/fishing-in-australian-waters 2020年5月1日閲覧。 
  4. ^ Richard Tanter (2007年7月30日). “After fear, before justice” (英語). Inside Indnesia. https://www.insideindonesia.org/after-fear-before-justice-3 2020年5月1日閲覧。 
  5. ^ Tujuh Danau Ubur-Ubur Unik di Indonesia” (インドネシア語). kakaban. 2014年11月5日閲覧。
  6. ^ 海老沼剛 『爬虫・両生類ビジュアルガイド 水棲ガメ2 ユーラシア・オセアニア・アフリカのミズガメ』、誠文堂新光社2005年、82頁。
  7. ^ 小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著 『動物世界遺産 レッド・データ・アニマルズ5 東南アジアの島々』、講談社2000年、203頁。
  8. ^ 柴田弘紀 「ナガクビガメ総覧」『エクストラ・クリーパー』No.1、誠文堂新光社、2006年、26-29頁。
  9. ^ 柴田弘紀 「新たに記載されたナガクビガメ2種と1亜種の紹介」『クリーパー』第40号、クリーパー社、2007年、4-9、28-29頁。

関連文献[編集]

ジェームズ・J・フォックスの本 - Fox, James J (1977), Harvest of the palm : ecological change in eastern Indonesia, Harvard University Press, ISBN 978-0-674-38111-7